sheriff
以下では、名詞「sheriff」について、学習者にもわかりやすいように、できるだけ詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語・品詞
- 単語: sheriff
- 品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
英語での意味
A “sheriff” is a government official responsible for enforcing the law in a county or other subnational division, especially in the United States and historically in England.
日本語での意味
「sheriff(シェリフ)」とは、アメリカの郡や、歴史的にイギリスの行政区(州・郡など)で警察権や治安維持を担当する役職、またはその官職に就いている人物のことです。
「シェリフ」は、郡レベルでの法執行を統括する役割があり、ローカルなコミュニティの治安や行政を担う公職です。
「町や郡の治安・法執行を任されている公的な役職で、保安官と呼ばれることもあります。」といったニュアンスで使われます。
活用形
名詞なので一般的には複数形への活用が主です。
- 複数形: sheriffs
ほかの品詞形
- sheriff は基本的に名詞として使われる語です。他の品詞へ派生した一般的な形はあまりありません。
CEFRレベルの目安
B1(中級)または B2(中上級)程度
(公的役職名という専門性が含まれるため、少し高めのレベルで扱われることが多い単語です)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- sheriff は古英語の “scīr” (shire: イギリスの行政区画) + “gerefa” (reeve: 役人) から派生した “scīrgerefa” が語源といわれています。
語幹・接頭語・接尾語
- 接頭語: なし
- 語幹: 「sheriff」
- 接尾語: なし
派生語・類縁語
- shire: イギリスの州・郡を指す単語
- reeve: 中世イングランドの地方役人
- sheriffdom: 保安官職、保安官の管轄区域
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- county sheriff(郡の保安官)
- deputy sheriff(保安官代理)
- sheriff’s department(保安官事務局)
- sheriff’s office(保安官のオフィス)
- elected sheriff(選挙で選ばれた保安官)
- sheriff patrol(保安官パトロール)
- sheriff badge(保安官バッジ)
- sheriff’s jurisdiction(保安官の管轄区域)
- sheriff’s posse(保安官が率いる(臨時の)捜査協力隊)
- local sheriff(地元の保安官)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語で shire(州)+ reeve(役人)の合成語 “scīrgerefa” が時代を経て “sheriff” になったといわれています。
ニュアンス・使用時の注意点
- アメリカやイギリスなどの法・行政制度における公的役職を指すため、文脈に応じて「保安官」「治安官」と訳されることがあります。
- アメリカ英語では主に「地方」や「郡」の法執行官を指し、選挙で選ばれる場合が多いです。
- 文書中ではフォーマルにもカジュアルにも用いられますが、職名であることに留意しましょう。
口語 / 文章
- 口語・日常会話: 小説やテレビ番組、特に西部劇などでもよく登場します。
- 文章: 公的文書、ニュース記事などでも使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(可算名詞)として使われます。
- 冠詞(a/the sheriff)や所有格(the sheriff’s office)の形でよく使われます。
- 「sheriff of ○○」(“the sheriff of this county”) のように管理区域を明示するときもあります。
一般的な構文例
- (冠詞) + sheriff
- 例: “The sheriff arrived at the scene.”
- 例: “The sheriff arrived at the scene.”
- sheriff + of + 地名
- 例: “He is the sheriff of Johnson County.”
イディオムや関連表現
- “Sheriff’s posse”: 保安官が結成する臨時捜査組織
- “High sheriff”: イギリスの一部での名誉職的保安官たる役職
5. 実例と例文
それぞれの場面で使われる例文を示します。
日常会話での例文
- “The new sheriff seems really dedicated to keeping our town safe.”
(新しい保安官は、私たちの町の安全を守ることにとても熱心なようだよ。) - “Did you see the sheriff’s car drive by just now?”
(さっき保安官の車が通り過ぎたの見た?) - “Let’s ask the sheriff if we need help with finding the lost dog.”
(迷子の犬を探すのに助けが必要なら保安官に相談してみよう。)
ビジネスでの例文
- “We need to notify the sheriff’s department about the security breach on our property.”
(私たちの敷地内で起きたセキュリティ侵害を保安官事務局に知らせる必要があります。) - “The sheriff will be joining us at the community safety meeting to discuss local crime rates.”
(保安官が地域の安全対策会議に参加して、地元の犯罪発生率について議論する予定です。) - “Please coordinate with the sheriff’s office before scheduling the company’s event.”
(会社のイベントの日程を組む前に、保安官のオフィスとの連携をお願いします。)
学術的 / 公式な文脈での例文
- “According to historical records, the sheriff played a crucial role in medieval law enforcement.”
(歴史的記録によると、中世において保安官は法執行に極めて重要な役割を果たしていた。) - “This paper examines the evolution of the sheriff’s authority in English common law.”
(本論文は、イングランドのコモン・ローにおける保安官の権限の変遷を考察する。) - “Statistical data suggests that counties with elected sheriffs have varied approaches to law enforcement.”
(統計データによると、選挙で選ばれる保安官を擁する郡では法執行の手法がさまざまに異なることが示唆されている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- marshal (マーシャル)
- アメリカ合衆国連邦保安官のことを指す場合や、軍の階級を指す場合もある。
- ニュアンス: 連邦レベルや特定の分野での法執行官、または軍階級。
- アメリカ合衆国連邦保安官のことを指す場合や、軍の階級を指す場合もある。
- constable (巡査)
- イギリスなどで、警察官や治安職に就く下位の役職。
- ニュアンス: 小規模エリアの警官職。
- イギリスなどで、警察官や治安職に就く下位の役職。
- police chief (警察署長)
- 市や町の警察署長を指す。
- ニュアンス: 地元の警察組織を指揮する立場。
- 市や町の警察署長を指す。
反意語
「sheriff」の直接的反意語は存在しませんが、あえて言えば「criminal(犯罪者)」「outlaw(無法者)」が対極の存在といえます。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記
- アメリカ英語: /ˈʃerɪf/
- イギリス英語: /ˈʃerɪf/
アクセント
- 最初の “she” の部分にアクセントがあります。
- “sheriff” の “e” は「エ」と「ア」の中間くらいの発音を意識すると自然になります。
よくある発音の間違い
- しばしば “シェリフ” を “シェリフ” (she-ri-ff) と強調せずに、末尾を弱く “シェリフ” と上手く繋げない場合があります。
- アクセントを “ri” において “she-RIFF” のように発音する学習者もいますが、正しくは “SHE-riff” です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “sherif” や “sherrif” と間違えやすいです。正しくは “sheriff” (r が1つ、f が2つ)。
- 同音異義語は特にありませんが、 “serif”(フォントのセリフ)とスペルが似ているので紛らわしく感じられることがあります。
- TOEICや英検で直接「sheriff」が頻出問題になる可能性は低いですが、ニュース記事や長文読解で出てきた際に文脈から役職の意味を把握することが必要になります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Sheriff” は “Shire + Reeve” が由来という覚え方で、イギリスの「州(shire)の役人(reeve)」だったところから“sheriff”になった、と頭に置くと印象に残りやすいです。
- スペリングは “s-h-e-r-i-f-f” と“r”が1つ、“f”が2つ。そこを強く意識して書いてみるのがコツです。
- 西部劇のイメージ(荒野や小さな町で星形のバッジをつけた「保安官」が活躍)を連想しながら覚えると印象に残りやすいでしょう。
以上が名詞「sheriff」の詳細解説です。保安官という役職のイメージとあわせて学習すると覚えやすい単語です。ぜひ参考にしてください。
(州(county)または都市の)長官(行政のほか儀式的な仕事もする)
《米》保安官(郡(county)で法の施行権限を持つ首席役人)