元となった辞書の項目
imaginary
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: imaginary
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
英語での意味
- “Not real, existing only in the mind or imagination.”
日本語での意味
- 「想像上の、架空の」という意味です。現実には存在せず、頭の中だけで思い描かれているものを指します。たとえば「imaginary friend(想像上の友達)」など、実際にはいないけれど想像の中で存在するものに対して使えます。
派生形・活用形
- 基本的に形容詞なので変化はありませんが、他の品詞としては “imagination(名詞)[想像力]” や “imagine(動詞)[想像する]” など以外に、 “imaginary” はそのまま形容詞として用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “imagin” (ラテン語由来の “imagin-” = image (像、イメージ))
- 接尾語: “-ary”(形容詞を作る接尾語で「~の、~に関する」を意味する)
関連する単語や派生語
- imagine (動詞): 想像する
- imagination (名詞): 想像力、想像すること
- imaginative (形容詞): 想像力に富んだ
- imaginable (形容詞): 想像できる
よく使われるコロケーション・関連フレーズ10選
- imaginary friend
┗(想像上の友達) - imaginary world
┗(想像上の世界) - imaginary line
┗(架空の線 / 想像上の境界線) - imaginary boundary
┗(仮定上の境界・想像上の境界) - purely imaginary
┗(まったくの想像上の) - imaginary scenario
┗(想定上のシナリオ・仮定の状況) - imaginary problem
┗(実際には存在しない問題) - imaginary solutions
┗(想定された解決策・仮説的な解決策) - imaginary universe
┗(想像の中にある宇宙) - imaginary threat
┗(実在しない脅威)
3. 語源とニュアンス
語源: ラテン語の “imaginarius” (像・イメージを示す “imago” から派生)。もともと「像・イメージに関連する」という意味があり、現実でなく心の中のイメージを表す内容へと発展しました。
使用時の微妙なニュアンスや感情的な響き:
- 「現実にはない」というニュアンスがあり、物語や子どもの想像遊びなどでよく登場します。
- カジュアルな日常会話でも使えますが、「仮定上の」や「理论上の」という文脈で学術的・ビジネス上にも登場することがあります。
使用シーン:
- 砕けた会話(カジュアル): 子どもが話す「想像上の友達」など。
- ビジネス/フォーマル: 仮設やシナリオ分析での「imaginary scenario」「imaginary threat」など。
- 学問/専門: 数学での「imaginary number(虚数)」のように、専門用語として登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞なので、名詞を修飾します。通常は “This is an imaginary [名詞]” や “[名詞] is imaginary.” の形で用いられます。
- 比較級や最上級は、意味的にあまり使われません(実際には “more imaginary” / “most imaginary” と言えなくはありませんが、あまり一般的ではありません)。
- 可算・不可算の区別は、名詞ではないのでありません。
- フォーマル/カジュアルともに使えますが、対象が「存在しない}{架空である}」という性質を示すため、必ず現実でないことを強調したいときに用います。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Don’t worry, the monster under your bed is imaginary.”
- 「心配しないで、ベッドの下のモンスターは想像上のものだよ。」
- “My younger sister talks to her imaginary friend all the time.”
- 「妹はいつも想像上の友達とおしゃべりしてるんだ。」
- “He kept describing an imaginary place that he dreamed about last night.”
- 「彼は昨夜夢で見たという想像上の場所をずっと説明してた。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Let’s not waste energy on imaginary problems; we need to focus on real challenges.”
- 「架空の問題にエネルギーを費やすのはやめましょう。現実的な課題に集中が必要です。」
- “We need to evaluate whether this risk is real or merely imaginary.”
- 「このリスクが実際のものか、ただの仮定上のものか評価する必要があります。」
- “Creating an imaginary worst-case scenario can help us prepare contingency plans.”
- 「想定上の最悪のシナリオを作るのは、緊急時対策を立てるのに役立ちます。」
(3) 学術的な文脈での例文
- “In mathematics, an imaginary number is defined as a complex number with a zero real part.”
- 「数学では、虚数は実部がゼロの複素数として定義されます。」
- “The concept draws on both real and imaginary components to form a complete theory.”
- 「その概念は理論を完全なものにするために、実在と仮想の要素を総合しています。」
- “Her dissertation discusses the role of imaginary constructs in modern literature.”
- 「彼女の論文は、現代文学における想像上の構成物の役割について論じています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fictitious (フィクティシャス)
- 「虚構の、架空の」という意味。やや文語的で、法律やビジネス文脈では「偽りの」といったニュアンスもある。
- 「虚構の、架空の」という意味。やや文語的で、法律やビジネス文脈では「偽りの」といったニュアンスもある。
- fictional (フィクショナル)
- 「小説の、作り話の」というニュアンス。物語や文学で用いられることが多い。
- 「小説の、作り話の」というニュアンス。物語や文学で用いられることが多い。
- unreal (アンリアル)
- 「現実ではない」という直接的な表現。
- 「現実ではない」という直接的な表現。
- mythical (ミシカル)
- 「神話の中の、架空の」というニュアンスが強く、ややファンタジー色を帯びる。
- 「神話の中の、架空の」というニュアンスが強く、ややファンタジー色を帯びる。
反意語
- real (リアル)「現実の、実際の」
- actual (アクチュアル)「実際の、事実の」
両者とも現実的な存在や、確かな事実を指す際に使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪˈmædʒ.ɪ.ner.i/(米音) /ɪˈmædʒ.ɪ.n(ə)ri/(英音)
- アクセント(強勢)は “-mag-” の部分: i-MAG-i-nar-y
- アメリカ英語とイギリス英語では母音の発音が若干異なる場合があります。
- よくある間違いとして、 “imaginary” の “-ary” を “-ery” としてしまうスペルミスに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「imaginery」と書いてしまうなど、余分な “e” を入れる誤りが多いです。
- 同音異義語との混同: “imaginable” (想像できる、可能性のある) と誤って使うケースがあるので区別しましょう。
- TOEICや英検での出題: 読解文やリスニングで、「架空の状況」や「想定上の条件」を表す文脈で登場する可能性があります。特に長文読解問題で出ることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「イマジネーション (imagination) と一緒」と覚えると良いでしょう。語幹が “imagin” になっているので、「想像に関係がある形容詞」として “imaginary” を結びつけると覚えやすいです。
- 「-ary」は「~の、~に関する」という接尾語であることを思い出すと、 “imagin + ary” = 「想像に関する → 想像上の」という連想がおすすめです。
- 「頭の中に“image(イメージ)”を作る」→ “imaginary” は「頭の中だけにある」というストーリーで記憶するとわかりやすいでしょう。
上記を参考に、「imaginary」は「実在しないが、頭の中でイメージされるもの」に関係した形容詞としてしっかり押さえてください。
意味のイメージ
意味(1)
想像[上]の,仮空の,実在しない