元となった辞書の項目
hurt
IPA(発音記号)
解説
以下では、形容詞 “hurt” を中心に、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: hurt
品詞: 形容詞(*ただし同じ形で動詞・名詞でも使われます)
CEFRレベル: B1(中級)
- 理由: 日常会話で比較的よく使われる語で、身体的・精神的な「傷」や「痛み」を表現する頻度が高いためです。
意味(英語・日本語)
- 英語: injured, harmed, or upset
- 日本語: けがをしている、傷ついている、痛みを感じている、心を傷つけられている
- たとえば「I’m hurt.(私はけがをしている/傷ついている)」のように、身体・心の両方の痛みを表現できる単語です。状況に合わせて、「物理的な傷」または「感情的に傷ついている状態」を表すニュアンスをもつ形容詞としてよく使われます。
活用形
- 形容詞: hurt(変化なし)
- 動詞: hurt – hurt – hurt(原形・過去形・過去分詞すべて同形)
- 名詞: hurt(「痛み」や「苦痛」「害」を意味することがありますがややフォーマル/文語的)
他の品詞例
- 副詞形: 直接「hurt」を副詞化した形はありませんが、似た機能として “hurtfully” を使う場合があります(“hurtful”〔形容詞〕+ “-ly”〔副詞〕:「傷つけるように」)。
- 形容詞形: hurtful(「相手を傷つけるような」)
2. 語構成と詳細な意味
この単語は接頭語や接尾語を含まない、単独の形です。ただし以下の関連語があります:
- hurtful(形容詞): 傷つけるような、痛ましい
- hurtfully(副詞): 傷つけるように
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- hurt feelings(傷ついた気持ち)
- deeply hurt(深く傷ついている)
- physically hurt(身体的にけがをしている)
- emotionally hurt(精神的に傷ついている)
- feel hurt(傷ついたと感じる)
- get hurt(けがをする / 傷つく)
- sound hurt((声の様子から)傷ついているように聞こえる)
- look hurt((表情などから)傷ついていそうに見える)
- hurt pride(傷ついたプライド)
- hurt severely(深刻なけがをする / 深く傷つく)
3. 語源とニュアンス
語源
- “hurt” は中英語(Middle English)を経由して、古フランス語の “hurter”(ぶつける、衝突する)に由来すると言われています。もともとは物理的な衝突や打撃によるダメージを表すことが中心でした。
ニュアンス・使用時の注意点
- 物理的な痛みだけでなく、感情的に傷つくことを表すのにも使われます。文脈によってどちらの「傷つき」かを判断する必要があります。
- 口語でも文章でも頻繁に使われます。カジュアルな場面からフォーマルな場面まで幅広く使われるため、日常会話でもビジネス文章でも違和感なく使用できます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての “hurt”: 状態を表します。「I feel hurt.(傷ついていると感じる)」など、人の感情や身体的状態を説明する際に使われます。
- 可算・不可算: 形容詞としては可算/不可算の区別はありません。名詞の “hurt” は不可算名詞として用いられることがありますが、日常では頻度が低いです。
- 動詞(他動詞・自動詞): “hurt” は「~を傷つける」(他動詞)や「(体・心が)痛む」(自動詞)としても使われます。形容詞とは区別が必要です。
- イディオム:
- “get hurt” = 「けがをする / 傷つく」
- “be hurt” = 「傷を負う / 傷ついている」
- “hurt one’s feelings” = 「(人)の気持ちを傷つける」 ※こちらは動詞構文
- “get hurt” = 「けがをする / 傷つく」
5. 実例と例文
ここでは形容詞としての “hurt” を中心に示します。
日常会話での例文
- “Are you okay? You look hurt.”
(大丈夫? なんだかけがしているように見えるよ。) - “I feel really hurt by what she said.”
(彼女の言ったことに本当に傷ついているんだ。) - “He seemed hurt when I didn’t invite him.”
(私が彼を招待しなかったとき、彼は傷ついているようだった。)
ビジネスでの例文
- “She was hurt by the harsh feedback from her boss.”
(彼女は上司からの厳しいフィードバックに傷ついていました。) - “We need to check if anyone is hurt in the warehouse accident.”
(倉庫での事故で、けがをした人がいないか確認が必要です。) - “His pride was a bit hurt after the negotiation didn't go well.”
(交渉がうまくいかなかったことで、彼のプライドは少し傷ついていました。)
学術的・フォーマルな文脈での例文
- “Several participants reported feeling hurt during the experimental section.”
(実験セクションの間に、複数の参加者が傷ついた感覚を報告しました。) - “The athlete was severely hurt and had to withdraw from the competition.”
(その競技選手は深刻なけがを負い、大会からの棄権を余儀なくされました。) - “Research indicates that when individuals feel hurt, they may become more defensive.”
(研究によると、人は傷ついたと感じると、より防衛的になる傾向があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- injured(けがをしている)
- “hurt” とほぼ同じく身体的なけがを表すが、医療的な文脈では “injured” のほうがややフォーマル。
- “hurt” とほぼ同じく身体的なけがを表すが、医療的な文脈では “injured” のほうがややフォーマル。
- wounded((主に刃物・銃などで)傷を負った)
- 一般に外傷のイメージが強いが、心の傷にも比喩的に使われることがある。
- 一般に外傷のイメージが強いが、心の傷にも比喩的に使われることがある。
- offended(感情を害した、気分を害した)
- 心が傷ついた、侮辱されたというニュアンスに特化。
反意語
- uninjured / unharmed(けがをしていない)
- 身体的・精神的損傷がない状態を表す。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /hɜːt/(イギリス英語), /hɝːt/(アメリカ英語)
- 1音節で、最初の “h” の後に強めの “ɜː(r)” の音を入れます。
- アメリカ英語では “r” がやや強めに発音されます。
- イギリス英語では “r” は控えめか、母音的に発音されることも多いです。
- “heart” (/hɑːrt/ /hɑrt/) と綴りが似ていますが、発音は異なるので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「heart」と“hurt” のスペリング・発音の混同
- “heart” は「ハート」、“hurt” は「ハート」の母音が変わったイメージ。“u” の音に注意しましょう。
- “heart” は「ハート」、“hurt” は「ハート」の母音が変わったイメージ。“u” の音に注意しましょう。
- 動詞 “hurt” の活用形(hurt-hurt-hurt)は変わらないので、過去形のつづりミスに注意。
- 「be hurt」と「get hurt」の使い分け
- “be hurt” は状態を示す(「傷ついている状態」)
- “get hurt” は動作・変化に焦点がある(「(結果的に)けがをする/傷つく」)
- “be hurt” は状態を示す(「傷ついている状態」)
試験対策(TOEIC・英検など)
- 感情表現(feel hurt)や身体的損傷(get hurt)を述べる文章問題によく出る傾向があります。
- “hurt someone’s feelings” のようなフレーズもよく登場するので覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “heart” から “a” を取ったら “hurt” になると覚えると、感情的な痛みを含むイメージがしやすいです。
- 短い単語なので動詞・名詞・形容詞で形が同じことを一気に覚えてしまうのも手です(“hurt-hurt-hurt” で動詞活用もバッチリ)。
- 口に出して練習する際は “ハー(r)ト” (アメリカ英語)に近いイメージで発音のブレを減らしましょう。
以上が、形容詞 “hurt” の詳細な解説です。身体的・精神的どちらの「傷」をも表し、文脈によって意味合いが異なる点に注目して、場面に応じて正しく使えるようになりましょう。
意味のイメージ
意味(1)
けがをした