最終更新日:2025/10/19
(病人・赤ん坊などが)『自分の始末ができない』,自分で用が足せない / (人・努力などが)『役に立たない』,無力な / (人が)救い(助け,保護)の得られない / (表情などが)当惑した,途方に暮れた
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元となった辞書の項目
helpless
IPA(発音記号)
形容詞
(病人・赤ん坊などが)『自分の始末ができない』,自分で用が足せない / (人・努力などが)『役に立たない』,無力な / (人が)救い(助け,保護)の得られない / (表情などが)当惑した,途方に暮れた
解説
以下では、英単語 “helpless” について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “helpless” … “unable to do anything to help yourself or anyone else; lacking power or ability to remedy or correct a situation”
- 日本語: 「無力な、どうすることもできない」
「周りからの助けがないと、自分自身では操作や対処ができない状態」を表す形容詞です。
人が自分の力だけでは対処しきれない場面で使われるほか、追い詰められて何もできない様子を表現します。
品詞
- 形容詞 (adjective)
活用形
- 原級: helpless
- 比較級: more helpless
- 最上級: most helpless
「-less」が付いているため、他の形容詞形への直接的な変化はあまりありませんが、文脈によって、「even more helpless(さらに無力な / さらにどうにもできない)」という形で比較級として使われることがあります。
他の品詞になったときの例
- help (動詞・名詞): “to assist” (助ける) / “aid” (助け)
- helper (名詞): “someone who helps”(助ける人)
- helpful (形容詞): “useful or willing to help”(助けになる、有用な)
- helpless (形容詞): “unable to help oneself”(助けられない / どうにもできない)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
- 日常会話で十分に使う単語ですが、感情や状況をやや抽象的に表現する必要があるためB2程度と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- help(助ける、助力) + -less(〜がない)
→ “helpがない状態” というニュアンスを持ちます。
関連語
- help / helper / helpful / helpline など、すべて“help”をベースにしています。
よく使われるコロケーション(10個)
- feel helpless(無力だと感じる)
- be left helpless(無力な状態に置かれる)
- a helpless victim(無力な被害者)
- absolutely helpless(完全にどうしようもない)
- helpless situation(どうすることもできない状況)
- render someone helpless(人を無力な状態にする)
- look helpless(無力そうに見える)
- helpless laughter(止められない笑い)
- helpless tears(抑えきれない涙)
- feel totally helpless(完全に手の施しようがないと感じる)
3. 語源とニュアンス
語源
- helpは古英語の“helpan”に由来し、「助ける、手伝う」の意味をもつ語でした。
- -lessは同じく古英語に由来し「~がない」「~できない状態」を示す接尾辞です。
つまり「help + less」で「助け(あるいは助ける力)のない状態」という意味になり、後に「自力で何もできない状態」を表す語として広まりました。
ニュアンス・注意点
- 「助けが必要であるほど無力な状態」をネガティブに強調します。
- 日常会話でも文章表現でも使われますが、やや感情表現が入る言葉なので、カジュアルなシチュエーションでは「I just feel helpless right now.」のように感傷的に使われることが多いです。
- フォーマルな文章でも、事態の深刻さや無力感を強調するために使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 「helpless」は形容詞として、名詞を修飾したり、補語として使われたりします。
- 主語 + be + helpless の形で用いると、「(主語が)無力な状態である」と説明します。
- 他の一般的なパターンとしては、seem / feel / become + helpless など、状態動詞や変化を表す動詞とよく組み合わせます。
使用シーン
- カジュアル: 会話で「I feel helpless...」などの感情表現に。
- フォーマル: 報告書などで「The victims were left helpless after the disaster.」のように、被害者の無力感を表現。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
- “I felt helpless when my computer suddenly froze during the live stream.”
(配信中にパソコンが急にフリーズして、どうしようもなく感じたよ。) - “She looked so helpless that I had to step in and help her.”
(彼女があまりにも無力そうに見えたので、助けに入らざるを得なかった。) - “I’m totally helpless in the kitchen unless someone guides me.”
(誰かが教えてくれないと、キッチンではまったく手も足も出ないんだ。)
ビジネスシーンでの例文
- “Our clients felt helpless when the system went down unexpectedly.”
(システムが予期せずダウンしたとき、顧客は何もできないと感じていました。) - “The manager tried to motivate her team, but she admitted feeling helpless in boosting morale.”
(マネージャーはチームをやる気にさせようとしたが、士気を高めることに関しては自分が無力に感じていると認めた。) - “In the face of sudden market changes, many employees felt helpless and uncertain about their future.”
(急な市場の変化に直面し、多くの従業員は無力で先行きがわからないと感じていた。)
学術的な文脈での例文
- “Researchers observed that patients who believed in their treatment reported fewer helpless feelings.”
(研究者たちは、自分の治療を信じている患者ほど無力感をあまり感じなかったと報告しています。) - “A growing sense of helplessness often contributes to long-term stress and depression.”
(強まる無力感は、長期的なストレスやうつ病を引き起こすひとつの要因となることが多いです。) - “In social psychology, ‘learned helplessness’ is a phenomenon where repeated failures lead individuals to assume they have no control.”
(社会心理学では「学習性無力感」と呼ばれる現象があり、繰り返される失敗によって、自分にはコントロールできないと思い込んでしまうことを指します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- powerless(力がない)
- 「物理的・権力的な力がない」場合にも使われる。
- 「物理的・権力的な力がない」場合にも使われる。
- vulnerable(弱々しい、傷つきやすい)
- 物理的・精神的に攻撃や困難にさらされやすい状態。
- 物理的・精神的に攻撃や困難にさらされやすい状態。
- defenseless(防御手段がない)
- 攻撃や脅威に対して防衛できない状態。
- 攻撃や脅威に対して防衛できない状態。
反意語 (Antonyms)
- capable(有能な)
- powerful(力強い、影響力のある)
- able(~ができる)
「helpless」は自分でコントロールできない状態を強調するのに対し、「capable」や「able」はタスクをこなす能力がある様子を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈhɛlpləs/
- アクセント(強勢)は最初の “help” の部分に置かれます。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “help” の “e” をやや短くはっきり発音する傾向があります。
- つづりの中で “p” と “l” が続くため、 “help-ləs” のように発音するとスムーズです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “helpless” の “-less” を “-les” と書き漏らしたり、語尾が “-less” か “-ful” かを取り違えるエラー。
- 似た単語の混同: “helpful”(助けになる)と逆の意味なので、覚える際は反対の意味であることを意識しましょう。
- 試験対策: TOEICや英検などでも、感情や状況を説明する問題で「helpless」が問われる可能性があります。文脈から「無力感」を表す表現として覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “help + less” → “助けがない状態” と分解して考えると覚えやすいです。
- “helpful” と対比して「役立つ/助かる」⇔「助けがない/どうにもできない」とセットで覚えると混同を防ぎやすいです。
- スペリングでは「help」の後に「-less」が直接付くことを意識し、「helpless」と一気に書けるように何度か練習すると良いでしょう。
以上が、形容詞 “helpless” の詳細解説です。無力感やどうすることもできない委ねられた状態を表したいときに、便利な語彙ですので、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人・努力などが)役に立たない,無力な
意味(2)
(人が)救い(助け,保護)の得られない
意味(3)
(病人・赤ん坊などが)自分の始末ができない,自分で用が足せない
意味(4)
(表情などが)当惑した,途方に暮れた