元となった辞書の項目
hatch
IPA(発音記号)
解説
名詞「hatch」の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: hatch
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語):
- An opening in a floor, roof, or deck of a ship or aircraft.
- A door or covering for such an opening.
意味(日本語):
- 床や屋根、船や飛行機の甲板(デッキ)などにある小さな開口部のことです。
- その開口部をふさぐ蓋や扉のことも指します。
「hatch」は、「開け閉めするための小さな扉・口」や「点検口」といったニュアンスの単語です。船の甲板上のハッチや、屋根裏部屋がある家の天井の点検口などに使われます。
活用形・他の品詞
- 名詞としての「hatch」は可算名詞です(複数形: hatches)。
- 動詞では「(卵から雛が)かえる」「計画などを企む」などの意味がありますが、ここでは名詞に注目します。
- 例: 動詞形の
to hatch
→hatching
(現在分詞),hatched
(過去形・過去分詞)
- 例: 動詞形の
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
英語学習者にとっては、中上級レベルで覚えておきたい単語です。専門用語的な場面(船、航空機、建築)から日常表現(イディオムなど)まで幅広く使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「hatch」には明確な接頭語や接尾語はなく、単独の語です。
- 近縁語としては「hatchway」(ハッチウェイ: ハッチを通じた通路)が挙げられます。
派生語・類縁語
- hatchway: ハッチが設けられた通路または空間
- escape hatch: 緊急脱出口
- hatch cover: ハッチを覆うカバー
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- open the hatch → ハッチを開ける
- close the hatch → ハッチを閉める
- climb through the hatch → ハッチを通り抜ける
- cargo hatch → 貨物用のハッチ
- escape hatch → 緊急脱出用ハッチ
- hatch door → ハッチの扉
- engine hatch → エンジン点検口
- floor hatch → 床の点検口
- roof hatch → 屋根裏への点検口
- hatch mechanism → ハッチの開閉機構
3. 語源とニュアンス
語源
- 「hatch」は、中英語 (Middle English) の “hacche” に由来し、「扉」「引き戸」を意味していました。さらに古英語 (Old English) の “hæc(g)” に遡るともいわれます。
- 歴史的には「仕切りのためのドア」→「上から開け閉めができる窓や扉」→「点検口や船・航空機の開口部」などの用途に変化してきました。
微妙なニュアンス・使用時の注意
- 「hatch」はそこまで感情的な響きはなく、物理的な「開口部」という意味が中心です。
- カジュアルからフォーマルまで、比較的幅広い文章で使えます。
- イディオムで「down the hatch!」といえば、飲み物を「さあゴクッと飲もう」というニュアンスでカジュアルな場面に使います。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun) なので、通常は「a hatch」「two hatches」のように数を表せます。
- 文法的には「the hatch is open」や「I climbed through the hatch」のように主語や目的語として使われます。
イディオム・定型表現
- Down the hatch.
「飲み干そう」/「一気に飲むぞ」というスラング的表現(カジュアル)。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you open the attic hatch? I need to store some boxes.”
(屋根裏のハッチを開けてくれる?箱をいくつか収納したいんだ。) - “Careful! The hatch on the floor is broken.”
(注意して!床のハッチが壊れてるよ。) - “Hold the hatch while I pass this bag through.”
(このバッグを通すから、ハッチを押さえておいて。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “We need to update the safety procedures for the engine hatch.”
(エンジンのハッチに関する安全手順を更新する必要があります。) - “Check that the cargo hatch is securely locked before we depart.”
(出発前に貨物ハッチがしっかり施錠されているか確認してください。) - “The maintenance team inspected the roof hatch during the annual building check.”
(年次点検の際、メンテナンスチームが屋根のハッチを調べました。)
学術/技術的な文脈での例文(3つ)
- “In aerospace engineering, the design of the hatch must account for extreme pressure differences.”
(航空宇宙工学では、ハッチの設計は極端な気圧差を考慮しなければなりません。) - “A watertight hatch is crucial for submarine operations.”
(潜水艦の運用において、防水性のハッチは不可欠です。) - “Researchers studied the thermal insulation properties of the hatch in polar expeditions.”
(研究者たちは、極地探検におけるハッチの断熱特性を調査しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- trapdoor (トラップドア)
- 床や天井に作られた隠し扉のようなニュアンス。劇場の舞台装置などにも使われる。
- 床や天井に作られた隠し扉のようなニュアンス。劇場の舞台装置などにも使われる。
- panel (パネル)
- 取り外し可能な板状の部分を指し、「点検口」としても使われることがある。
- 取り外し可能な板状の部分を指し、「点検口」としても使われることがある。
- door (ドア)
- 一般的な扉。垂直についた大きな扉をいい、必ずしも小さな開口部とは限らない。
反意語
- 明確な反意語は存在しませんが、「opening」に対して「closing」という対立概念はあり得ます。ただし、特定の単語での反意語はありません。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- 米英・英英共通: /hætʃ/
アクセント・強勢
- 「hatch」は1音節なので、語全体にアクセントがきます。
アメリカ英語とイギリス英語の発音の違い
- 大きな差はなく、どちらも /hætʃ/ ですが、地域差による微妙な母音の発音の違いはあります。
よくある発音の間違い
- /hæʧ/ と /haʧ/ を混同することはあまりありませんが、子音の「tʃ (ch)」を「sh /ʃ/」に誤って発音しないように気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルを “hatch” ではなく “hacth” と書いてしまうミスに注意。
- 同音異義語 “hatch” (動詞: 卵がかえる) と混同することが多いですが、名詞として使う場合は「開口部」を意味します。文脈で区別しましょう。
- ビジネスや技術文書、試験(TOEICなど)で「hatch」の意味を聞かれたら、しっかり「扉/点検口」と答えられるようにしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ハッチが開いたり閉じたりするイメージを思い浮かべると覚えやすいです。
- 「Down the hatch!」というカジュアルなフレーズで「飲み干す」を連想すると、「hatch=開口部」→「口に入れる入れ口」のようにイメージが結びつきやすいでしょう。
- スペルは「h + atch」で、
h
が動作の始まりを連想させ、扉を開ける様子をイメージすると覚えやすいです。
以上が名詞「hatch」の詳細解説です。小さな開口部や点検口としての意味がメインですが、イディオムや比喩表現などさまざまな場面で活躍する単語です。しっかり覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(上下に仕切ったドアの)半戸,下とびら
意味(2)
(またhatchway)(船・飛行機の)昇降口,ハッチ
意味(3)
(壁に取りつけた)配膳窓,格子口