元となった辞書の項目
fancy
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: fancy
品詞: 名詞 (他に動詞・形容詞としても使われる)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- ただし、日常会話でも耳にするため、文脈によってはB1(中級)レベルでも学習可能です。
意味(英語)
- Imagination or fantasy.
- A sudden or passing liking (for someone or something); a whim or inclination.
意味(日本語)
- 想像や空想のこと。
- 誰かや何かに対する一時的な好みや思いつき、気まぐれ。
「fancy」は「空想」や「気まぐれな好み」を表す名詞です。たとえば、「He took a fancy to that new café.」であれば、「彼はあの新しいカフェがなんとなく気に入った。」というニュアンスになります。一般的に「一時的な好み」や「空想の世界」を表現する際に使われる単語で、少し文学的な響きや上品な雰囲気のニュアンスがあります。
活用形
- 名詞形: fancy (複数形: fancies)
- 動詞形: fancy (fancy - fancied - fancied / fancying)
- 形容詞形: fancy (例: fancy clothes)
他の品詞になったときの例
- 動詞: “I fancy a cup of tea.”(紅茶が飲みたいな)
- 形容詞: “That restaurant is quite fancy.”(あのレストランはとてもおしゃれだ)
2. 語構成と詳細な意味
“fancy” はもともと “fantasy” が短くなった形で、直接的な接頭語や接尾語を含む形ではありません。語幹 (fanc-) は “fantasy” と同源です。
派生語・類縁語
- fantasy (空想、幻想)
- fantastic(素晴らしい、素敵な)
- fanciful(空想的な、幻想的な)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- take a fancy to ~ …「~を気に入る」
- catch one’s fancy …「(何かが)人の好みに合う、興味を引く」
- flight of fancy …「突飛な思いつき、空想」
- passing fancy …「一時的な興味や好み」
- indulge in fancy …「空想にふける」
- nurse a fancy for …「~に対する思いを秘めている」
- fancy-free …「(恋愛・義務などの)束縛がない状態」
- fancy goods …「装飾品、雑貨」
- fancy dress …「仮装」 (ただし形容詞的用法が一般的)
- take a (sudden) fancy …「急に~したくなる、急に~が好きになる」
3. 語源とニュアンス
- 語源: 14世紀ごろに “fantasy” が中英語化し、そこから綴りや発音が変化して
fancy
という形が発達しました。“fantasy” や “imagination” を短く日常的に使った湯合いです。 - 歴史的変遷: 当初は「空想」「幻想」を指す意味で使われましたが、形容詞として「凝った」「おしゃれな」などの意味をもつようになり、名詞としては「好み」や「気まぐれ」のニュアンスも加わりました。
- 使用上の注意点 / ニュアンス:
- 元々「空想」の意味があり、少し文学的な雰囲気をもつことがあります。
- 「ちょっと好きになった」や「なんとなく気にかかる」というニュアンスで、フォーマルというよりはカジュアル寄りの表現ですが、イギリス英語圏ではいまでも広く日常的に使われます。
- 堅苦しい文脈よりも、会話や軽めの文章でよく見かける単語です。
- 元々「空想」の意味があり、少し文学的な雰囲気をもつことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (C) / 不可算名詞 (U): もともとは可算名詞として扱うことが多いですが、文脈によっては抽象的な概念を表す場合に不可算的に扱われることもあります。
例: “It’s just a fancy of mine.”(これは私の気まぐれにすぎない) → 可算名詞 - 一般的な構文例:
- “to take a fancy to someone/something” → 気に入る
- “to have a fancy for something” → ~が好き
- “to take a fancy to someone/something” → 気に入る
- イディオム:
- “caught one’s fancy” → 気に留まる(興味を引く)
- “caught one’s fancy” → 気に留まる(興味を引く)
フォーマル / カジュアル:
- フォーマルな文書ではあまり多用しない表現ですが、一部文学的な文章では「空想」として使われることがあります。会話では「気まぐれ」や「ちょっと好き」というニュアンスで頻出します。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I’ve taken a fancy to baking lately. It’s so relaxing!”
- 「最近お菓子作りが気に入ってるんだ。すごくリラックスできるよ!」
- “It’s just a passing fancy, but I want to learn the guitar.”
- 「ただの一時的な思いつきだけど、ギターを習いたいんだよね。」
- “Don’t mind me; that was just a flight of fancy.”
- 「気にしないで。ただの思いつきだから。」
ビジネス (ややフォーマル〜中立)
- “His new proposal seemed more like a fancy than a practical plan.”
- 「彼の新しい提案は、実用的な計画というより単なる空想のように思えました。」
- “We can’t rely on mere fancy; we need concrete data.”
- 「単なる想像だけに頼るわけにはいきません。具体的なデータが必要です。」
- “Although it caught my fancy at first, the idea proved too costly for our budget.”
- 「最初は気に入ったのですが、そのアイデアは予算的に高くつきすぎました。」
学術的・専門的 (フォーマル)
- “In literary studies, the distinction between fancy and imagination is crucial for understanding Romantic poetry.”
- 「文学研究においては、『fancy』と『imagination』の区別はロマン派詩を理解する上で非常に重要です。」
- “The concept originated in 17th-century philosophy, where fancy was seen as a lower form of mental image processing.”
- 「この概念は17世紀の哲学に起源があり、『fancy』はより低次元の心的イメージプロセスとして扱われました。」
- “Her analysis suggests that fancy functions as a transitional stage between perception and invention.”
- 「彼女の分析によると、『fancy』は知覚と創造の間の移行段階として機能すると示唆されています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
imagination(想像力)
- より広い概念としての「想像力」。学術的・創造的な意味合いにも使われる。
- 例: “Her imagination knows no bounds.”(彼女の想像力は際限がない。)
- より広い概念としての「想像力」。学術的・創造的な意味合いにも使われる。
whim(気まぐれ)
- 短期的な「気まぐれ」「衝動」を強く表現。少しくだけた印象。
- 例: “On a whim, he booked a trip to Paris.”(彼は気まぐれでパリ旅行を予約した。)
- 短期的な「気まぐれ」「衝動」を強く表現。少しくだけた印象。
notion(考え、概念)
- 「考え」「概念」「思いつき」だが、必ずしも気まぐれではなく真剣なアイデアにも使われる。
- 「考え」「概念」「思いつき」だが、必ずしも気まぐれではなく真剣なアイデアにも使われる。
反意語
- reality(現実)
- “fancy” が空想や気まぐれを指すのに対して、“reality” は実際に存在する事実や現実を指す。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記:
- イギリス英語: /ˈfæn.si/
- アメリカ英語: /ˈfæn.si/
アクセント(強勢)は最初の音節 “fan” に置かれます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- 大きな違いはありませんが、イギリス英語では “a” が若干短く、アメリカ英語ではやや広めに発音されることがあります。
- /fæn/ の部分をあいまいに /feən/ と発音してしまう学習者がいますが、正しくは /fæn/(「ファン」に近い音)です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “fancy” は “fancie” や “fancey” と間違えないように注意。
- 他の単語との混同: “fantasy”(ファンタジー)と混同しやすいが、意味や使い方が少し差異あり。
- 動詞・形容詞との区別: 文脈によって “I fancy a drink.”(動詞)や “a fancy dress” (形容詞)など用法が異なるので注意。
- 試験対策: TOEICや英検などでは、文脈によって「空想」か「好み」かの意味を取り違えないように。特に読解問題で “take a fancy to” が出てきたときに「気に入る」という意味を知らないと解釈がずれる場合がある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Fancy” = “ファン + シー” → 直感的に「なんとなくファッショナブルなイメージ」「空想的・気まぐれ」なイメージを思い浮かべると覚えやすいです。
- 「Fancy」は「Fantasia (幻想曲)」や「Fantasy」(空想)ともつながるため、「ちょっとした空想/気まぐれな好み」としてイメージすると理解しやすいでしょう。
- 勉強テクニック:
- 「take a fancy to ~」のフレーズごと覚えると、実践的に使いやすくなります。
- 自分が最近「急に好きになったもの」「なんとなくハマったこと」をメモし、その横に “take a fancy to” や “passing fancy” などを書き添えて、イメージと結びつけましょう。
- 「take a fancy to ~」のフレーズごと覚えると、実践的に使いやすくなります。
「fancy」は、空想や気まぐれを表す独特な名詞です。同時に動詞や形容詞としても幅広い意味を持っているため、文脈での使い方をイメージしながら学習するとスムーズです。ぜひ、実際の英語表現の中で積極的に使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
空想(力),想像(力)
意味(2)
夢,幻想
意味(3)
気まぐれ, 思い付き
意味(4)
(気まぐれで一時的な)好み,
(しっかりした)鑑識眼,判断力