元となった辞書の項目
despair
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: despair
品詞: 名詞 (不可算名詞が基本)
英語の意味: the complete loss or absence of hope
日本語の意味: 絶望、希望を完全に失った状態
「despair」は、何かの望みや希望を完全に失ってしまう状態を表す単語です。たとえば、大きな困難に直面して、「もうどうしようもない…」と思ってしまうときに使います。落ち込んでしまい、抜け出せない暗い感情を表すニュアンスがあります。
- 活用形: 名詞としては「despair」のみで数えられない場合が多いですが、限定的に「despairs」と使うこともあります(文学的表現など)。
- 他の品詞:
- 動詞形「to despair」(自動詞): 絶望する
- 形容詞形「despairing」: 絶望的な
- 動詞形「to despair」(自動詞): 絶望する
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常会話以上のちょっと抽象的なシチュエーションで使いやすい語彙。ニュアンスを突き詰めて理解するとより豊かな表現ができるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- despairはラテン語由来で、形式上「de- (下へ、否定)」と「sperare (希望をもつ)」から成り立ちます。
- ただし、現在の英単語としては、接頭辞「de-」が明確に切り離される形ではあまり意識されません。
派生語や関連語
- desperate (形容詞): 絶望的な、必死の
- desperation (名詞): 絶望、やけくそになるような状態
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- fall into despair (絶望に陥る)
- be driven to despair (絶望に追いやられる)
- the depths of despair (絶望のどん底)
- in utter despair (完全なる絶望の中で)
- a sense of despair (絶望感)
- overcome despair (絶望を乗り越える)
- sink into despair (絶望の淵に沈む)
- an air of despair (絶望の雰囲気)
- despair turns to hope (絶望が希望に変わる)
- cry out in despair (絶望のあまり叫ぶ)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語「dēspērāre(de- + spērāre)」が起源です。中英語や中期フランス語を経て「despair」として定着しました。
ニュアンス・使用上の注意
- 「despair」は非常に強い感情を表し、感情面の落ち込み度合いをかなり強調します。
- シリアスで悲観的な響きがあるため、スピーチや文学的表現、正式な文章でも使われやすい単語です。日常会話で使うときは強めのインパクトがあります。
- 口語では「I’m in despair.」のように使うと、かなり深刻な状態を示すことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (不要算名詞) としての使い方: 「in despair」のように前置詞とともに用いて、「絶望の状態で」という表現が多いです。
- 動詞 (自動詞)「to despair」: 「of + 名詞/名詞節」を目的語に取ることがあります。例: “I despair of ever seeing him again.”(もう彼に会えないんじゃないかと絶望する)
- 形式: フォーマル/カジュアルどちらでも使えますが、日常会話で使う場合は状況がかなり深刻なときが多いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I felt total despair when I lost my job.”
- 仕事を失ったとき、本当に絶望を感じたんだ。
- 仕事を失ったとき、本当に絶望を感じたんだ。
- “She looked at me with despair in her eyes.”
- 彼女は目に絶望の色を浮かべて私を見た。
- 彼女は目に絶望の色を浮かべて私を見た。
- “Don’t fall into despair—there’s still a chance.”
- 絶望するなよ。まだチャンスは残っているんだから。
(2) ビジネスシーンでの例文
- “The team was on the verge of despair due to repeated project failures.”
- チームは度重なるプロジェクト失敗で絶望状態に陥りかけていた。
- チームは度重なるプロジェクト失敗で絶望状態に陥りかけていた。
- “He spoke of the company's loss with a sense of despair.”
- 彼は会社の損失を、絶望感をもって語った。
- 彼は会社の損失を、絶望感をもって語った。
- “Rather than succumbing to despair, we should brainstorm new strategies.”
- 絶望に屈するのではなく、新しい戦略をブレインストーミングしましょう。
(3) 学術・文芸的文脈での例文
- “The protagonist’s descent into despair symbolizes the collapse of moral values.”
- 主人公が絶望に落ちていく様は、道徳的価値の崩壊を象徴している。
- 主人公が絶望に落ちていく様は、道徳的価値の崩壊を象徴している。
- “His poetry vividly captures the despair of war-torn societies.”
- 彼の詩は、戦争で荒廃した社会が抱える絶望を鮮明に描き出している。
- 彼の詩は、戦争で荒廃した社会が抱える絶望を鮮明に描き出している。
- “Philosophers have long debated the role of despair in personal growth.”
- 哲学者たちは、個人の成長における絶望の役割について長年議論を重ねてきた。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- hopelessness(希望を持ち得ない状態)
- 「despair」よりやや一般的・平叙的に「望みがない」感じを表す。
- 「despair」よりやや一般的・平叙的に「望みがない」感じを表す。
- desperation(自暴自棄に近い絶望)
- 「despair」よりも「やけくそ」や「必死さ」を感じさせることがある。
- 「despair」よりも「やけくそ」や「必死さ」を感じさせることがある。
- gloom(憂うつ、沈んだ気分)
- 「despair」ほど完全な絶望ではないが、暗く塞ぎ込んだ状態。
- 「despair」ほど完全な絶望ではないが、暗く塞ぎ込んだ状態。
- misery(苦痛や悲惨)
- 苦しみや不幸を主に強調。絶望感を伴うことも多い。
反意語
- hope (希望)
- 「despair」と真逆の概念で、明るい見通しや期待を表す。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米音): /dɪˈspɛr/
- IPA(英音): /dɪˈspeə/
アクセントは第二音節「-spair」の部分に置かれます。「ディ・スペア」のように読むイメージです。
- アメリカ英語: 母音が[r]の影響を受けて「ディスペア(r)」と「r」をはっきり発音します。
- イギリス英語: 「ディスペア(ア)」のように、語尾の「r」はあまり発音されません。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: “despair” と “desperate” は形容詞と名詞で似ていますが、つづりが異なります。
- 同音異義語: 目立った同音異義語はありませんが、「despair」と「desperate」の混同に注意。
- TOEIC・英検などの試験: 深刻な感情や失望を表す場面で、「despair」は読解問題や長文などに出やすい単語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源から覚える: “de-” (下へ、否定) + “spair” (sperare=希望)。つまり「希望が下がる・否定される」→完全に希望がなくなる。
- “Spear”とのスペリングの違い: “Spea*r” ではなく “spai*r”; 「i」が入っている。頭の中で “des-pair”= “(状態が)ペアじゃなくなる”などのイメージで覚えるのも一案。
- 感情的イメージ: 「暗い闇の中にストンと落ち込む感じ」を思い浮かべると記憶に残りやすい。
以上が名詞「despair」の詳しい解説です。使う際には、その強い絶望感をしっかり表すニュアンスを踏まえて使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉絶望,失望
意味(2)
〈C〉絶望のもと;見放されたもの