最終更新日:2025/10/06

(人・行動が)『残酷な』,無慈悲な / 『悲惨な』,むごい

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元となった辞書の項目

cruel

IPA(発音記号)
形容詞

(人・行動が)『残酷な』,無慈悲な / 『悲惨な』,むごい

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彼は飼い犬に対して残酷だった。

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解説

1. 基本情報と概要

単語: cruel

品詞: 形容詞 (adjective)

英語での意味:

・intentionally causing pain or suffering to others without feeling guilt or remorse

(他者に苦痛や苦しみを与えても罪悪感や悔悟がないような、意図的な残酷さ)

日本語での意味:

・「残酷な」「冷酷な」「むごい」「残忍な」のように、人や行為が冷淡であることや人の痛みを考慮しない様子を表す言葉です。相手の痛みをあまり気にせず、まるで他者への思いやりを欠いた態度に使われます。

「相手に対してひどい扱いをするような、心の優しさが感じられないニュアンス」の単語です。

活用形


  • 比較級: crueller / more cruel

  • 最上級: cruellest / most cruel


    • イギリス英語のスタイルでは「crueller」「cruellest」もよく見られますが、アメリカ英語では比較級・最上級の形に「more/most」を用いる方が一般的です。


他の品詞形・派生語


  • cruelly (副詞): 残酷に、冷酷に

  • cruelty (名詞): 残酷さ、虐待行為

CEFRレベル目安


  • B2(中上級)

    日常会話ではそこそこ登場する単語であり、やや文章的にも使われます。Context(文脈)を理解しにくい学習初期では頻度が高くないですが、中上級レベルでは自然に目にする・耳にする単語です。


2. 語構成と詳細な意味

語構成:


  • 接頭語・接尾語として明確な区分が見られない単語です。ラテン語系の語根をもとにしており、接頭語や接尾語がはっきりと切り離せる構成ではありません。

派生語や関連語:


  • cruelty (名詞): 「残酷さ」あるいは「虐待行為」

  • cruelly (副詞): 「残酷に」「冷酷に」

よく使われるコロケーション(共起表現)10選


  1. cruel joke


    • 「残酷な冗談・悪い冗談」


  2. cruel twist of fate


    • 「運命の残酷ないたずら」


  3. cruel punishment


    • 「残酷な処罰」


  4. cruel intention


    • 「悪意ある意図・残酷な意図」


  5. cruel reality


    • 「過酷な現実」


  6. cruel remark


    • 「冷酷な発言」


  7. cruel world


    • 「残酷な世界」


  8. be cruel to someone


    • 「〜に対して残酷である」


  9. cruel and unusual


    • 「残酷で異常な(慣用的表現で、法律や倫理上問題ある残酷さを指す際に使われる)」


  10. cruel fate/destiny


    • 「残酷な運命」



3. 語源とニュアンス

語源:


  • ラテン語の「crudelis(rough, hardhearted)」に由来し、古フランス語「cruel」を経て英語に取り入れられました。ラテン語の“crudus”が「生の、荒々しい」を意味し、その派生形として「他人に対して思いやりを欠くさま」を表すようになったとされています。

歴史的な使われ方:


  • 中世ヨーロッパの文献でも、戦や処罰・迫害などの冷酷さを表す表現として古くから見られます。

ニュアンス・使用上の注意:


  • 「残酷な」という意味合いは強く、ネガティブな感情を伴います。

  • 人に向けて言う場合は相当きつい響きがあり、相手を強く非難する表現になります。

  • 文章でも会話でも使われますが、感情を直接表現する口語ではやや強め。公のスピーチや報道などでも「行為の厳しさ」を強調するときに使用されます。


4. 文法的な特徴と構文


  • 形容詞 (adjective)なので、名詞を修飾したり、補語(補足説明)として使われたりします。

    例:


    • That was a cruel thing to say. (名詞・thingを修飾)

    • He is cruel to animals. (補語・叙述)


  • 他動詞や自動詞としての用法はなく、形容詞なので、名詞の前やbe動詞の後、あるいは感情を表す構文で使われることが多いです。


  • フォーマル/カジュアル両方の文脈で使われますが、意味が重いので、日常会話で軽々しく「cruel」を使うと攻撃的な印象を与える場合があります。



5. 実例と例文

日常会話


  1. “That joke was so cruel—it really hurt her feelings.”

    (その冗談は本当に残酷だったよ。彼女をひどく傷つけたんだ。)

  2. “Don’t be cruel to your little brother like that.”

    (そんなふうに弟に冷たいことをしちゃダメだよ。)

  3. “Life can be cruel sometimes, but we have to keep going.”

    (人生は時に残酷だけど、それでも進み続けなきゃいけないね。)

ビジネス


  1. “His criticism was unnecessarily cruel, undermining the team’s morale.”

    (彼の批判は必要以上に冷酷で、チームの士気をくじいてしまいました。)

  2. “A cruel decision like this could damage the company's reputation.”

    (このような残酷な決定は会社の評判を傷つけるかもしれません。)

  3. “I understand it’s a tough market, but we don’t have to be cruel to our competitors.”

    (市場が厳しいのはわかるけれど、競合他社に対して残酷に振る舞う必要はありません。)

学術的な文脈


  1. “Historical records indicate the king was known for his cruel methods of punishment.”

    (歴史記録では、その王は残酷な処罰方法で知られていたことが示唆されています。)

  2. “These experiments were condemned as cruel and unethical.”

    (これらの実験は残酷で非倫理的だと非難されました。)

  3. “Cruel behavior in primate species has been observed under stress conditions.”

    (霊長類がストレス下で残酷な行動をとることが観察されています。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)


  1. merciless(無慈悲な)


    • 慈悲や情けをかけないという点で共通。しかし“merciless”はより相手に対する容赦の無さを強調。


  2. brutal(残忍な)


    • 肉体的・暴力的な面での残忍さを強調した語。


  3. heartless(冷酷な)


    • 心がないほど思いやりがないイメージ。感情のなさを強調。


  4. harsh(厳しい)


    • 「厳しい」という意味合いが強く、人や態度が厳格すぎる場合などに使う。必ずしも「残酷」とは限らない。


  5. savage(獰猛な、どう猛な)


    • 獣のように激しく残酷な行為、文明的でない乱暴さを強調。


反意語 (Antonyms)


  • kind(優しい)

  • compassionate(思いやりのある)

  • gentle(優しい、穏やかな)

例) “Being kind is the direct opposite of being cruel.”

(優しくあることは、残酷であることの正反対です。)


7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA):


  • アメリカ英語: /ˈkruːəl/, (/ˈkruːl/ のように2音節をつぶして発音する場合もあります)

  • イギリス英語: /ˈkruːəl/

強勢(アクセント)の位置:


  • “cru” の部分にストレスがあり、 “-el” 部分は短めに発音。

  • アメリカ英語では「クルー(ル)」、イギリス英語では少し「クルー・アル」に近い音になることがあります。

よくある発音の間違い:


  • “r” を巻き舌にしすぎる、あるいは “cru-el” と2音節ではなく1音節のように発音しすぎて「クル」のように短くしてしまうことなど。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: 「curl(カーリーヘアのcurl)」と混同してしまうことがあるので注意が必要です。

  • 同音異義語ではありませんが、“cruel” と “crew(乗組員)” の一部の音の似ているところで混同を起こす学習者もいます。

  • TOEICや英検などでは、感情や性格を描写する問題で出る可能性があります。また、長文読解やリスニングで「人物評価」「行為の評価」に関する文脈で登場することがあるので注意してください。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「クルー(Cruel)=クール(Cool)じゃない、もっと激しく冷たい」というイメージで覚えると、冷淡で痛々しいイメージが湧きやすいです。

  • 語源の “cru-” は「荒々しい」「野蛮な感じ」というイメージ。 “crudus”(生、未熟)から来ているという話を思い出して、「火を通さないようなむき出しの残酷さ」をイメージすると記憶に残りやすいです。

  • スペリングでは“u”と“e”をしっかり意識して書くようにし、「cru-el」の2つのまとまりをきちんと意識しましょう。


以上が形容詞 “cruel” の詳細解説です。人の心情や行動がいかに酷いか、痛ましいかを表す強い表現である点が大きな特徴です。感情抜きの冷たい態度や言動を指すため、使うときには相手への響きに注意してください。

意味(1)

悲惨な,むごい

意味(2)

(人・行動が)残酷な,無慈悲な

和英選択問題 / 中級英単語(CEFR-J B1)

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