元となった辞書の項目
courage
解説
1. 基本情報と概要
単語: courage
品詞: 名詞 (不可算名詞)
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
英語での意味:
The ability to do something that frightens one; bravery.
日本語での意味:
「怖いと思っても、それを乗り越えて行動できる力」、いわゆる「勇気」を指します。
「心配や恐れがあってもやり抜こうとする強い気持ち」を表す単語で、日常会話からフォーマルな文脈まで幅広く使われます。
活用形:
courage は名詞なので、動詞のように時制で変化しません。形容詞形は “courageous” (勇気のある)、動詞形では “encourage” (勇気づける)、その反対の “discourage” (落胆させる) などが派生語として挙げられます。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: “cour-” (古フランス語 “corage” に由来し、さらにラテン語 “cor” = 「心」にさかのぼる)
- 接尾語: “-age” (状態や結果を表す英語の接尾語)
「courage」は「心(臓)」を語源とした言葉で、「心(臓)からくる強さ」というイメージです。
派生語や類縁語
- courageous (形容詞): 勇気のある
- discourage (動詞): 落胆させる、やる気を失わせる
- encourage (動詞): 勇気づける、励ます
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- have courage(勇気を持つ)
- summon (up) courage(勇気を奮い起こす)
- lose courage(勇気を失う)
- tremendous courage(途方もない勇気)
- moral courage(道徳的な勇気)
- physical courage(身体的な勇気)
- lack of courage(勇気の欠如)
- show/display courage(勇気を示す)
- the courage to do something(〜する勇気)
- with courage in one’s heart(心に勇気を抱いて)
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の “cor” (心) → 古フランス語 “corage” → 中英語を経て “courage” へ。
- 歴史的背景: 「心から湧き上がる強さ」として、古くから美徳の一つとされてきました。
- ニュアンス / 使用時の注意点:
- 「強い気持ち」「踏み出す勇気」を表すため、肯定的で力強い印象を与えます。
- 口語でも文章でも幅広く使われますが、「私は勇気を持って〜する」というフォーマルなスピーチから、カジュアルに「もう少し勇気が欲しい」という日常会話まで、度合いを変えて使えます。
- 「強い気持ち」「踏み出す勇気」を表すため、肯定的で力強い印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 文法上のポイント: 不可算名詞 (数えられない名詞) なので、
a courage
とは言いません。通常はsome courage
やa lot of courage
のように量を表す表現と共に使われます。 - 一般的な構文例:
- “It takes courage to do 〜.” → 「〜するには勇気がいる」
- “I admire your courage.” → 「あなたの勇気を称賛します」
- イディオム:
- “take heart” (勇気を出す) - ただし “heart” という別の言葉を使っており、意味的に「勇気を奮い起こす」ニュアンスのイディオムです。
5. 実例と例文
以下に示す例文はいずれも自然な英語表現を意識しています。
日常会話での例文
- “I need a bit more courage to speak in front of everyone.”
(みんなの前で話すには、もう少し勇気が必要なんだ。) - “She finally mustered the courage to ask her boss for a raise.”
(彼女はついに上司に昇給をお願いする勇気を奮い起こしたよ。) - “You showed a lot of courage standing up for your friend.”
(友達をかばうなんて、かなりの勇気を示したね。)
ビジネスでの例文
- “It took courage to propose a new strategy in front of senior management.”
(経営陣の前で新しい戦略を提案するには勇気がいりました。) - “We commend your courage in taking responsibility for the team’s mistake.”
(チームのミスの責任を引き受けたあなたの勇気を高く評価します。) - “He demonstrated great courage when he accepted the challenging role.”
(彼はその困難な役割を引き受けるとき、大きな勇気を示しました。)
学術的な文脈での例文
- “Research on moral courage examines how individuals stand up for ethical principles.”
(道徳的な勇気に関する研究では、人が倫理的な原則を支持する方法を調べています。) - “Philosophers have debated the nature of courage for centuries.”
(哲学者たちは何世紀にもわたり、「勇気」の本質について議論してきました。) - “Courage is often portrayed as a key virtue in literary works.”
(文学作品ではしばしば、勇気は主要な美徳として描かれています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- bravery (勇敢さ) - “bravery” は行動面の「勇ましさ」を強調
- boldness (大胆さ) - 「大胆であること」に重きを置く
- valor (勇猛さ) - 主に戦闘など危険な状況での勇気を強調
- fortitude (不屈の精神) - 困難に直面しても耐える気丈さを表現
- bravery (勇敢さ) - “bravery” は行動面の「勇ましさ」を強調
反意語:
- cowardice (臆病さ) - 行動できずに逃げ腰になる態度
同じ「勇気」を表す表現でも、文脈で微妙にニュアンスが異なります。たとえば “fortitude” は長期的な試練に耐える「根気強さ」が強調されるなど、使い分けが必要です。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈkʌr.ɪdʒ/
- アクセント: 最初の “cur-” に強勢を置きます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では [kʰə.rɪdʒ]、イギリス英語ではややはっきり [kʌ.rɪdʒ] と発音される傾向があります。
- よくある間違い:
- “cou-rage” のように真ん中を伸ばしすぎてしまう
- “corage” のように “u” を落とすスペルミス
- “cou-rage” のように真ん中を伸ばしすぎてしまう
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “courage” の “u” を抜かして “corage” と書いてしまうなど。
- 同音/類似単語と混同: “encourage” (動詞) と混同することがありますが、意味も品詞も異なるので注意が必要です。
- 試験対策: TOEIC や英検で、心情・態度を問う設問で “courage” が登場することがあります。「人が何をしたことにより勇気を示したか」などの文脈で聞かれることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “courage” はラテン語の “cor” (心) に由来し、まさに「心から湧き出る力」。
- 勉強テクニック: 「心臓の鼓動を思い出す」と覚えるとイメージしやすいかもしれません。
- スペリングのポイント: 「cou + rage」で切って覚えると混同しにくいです (co-u-rage)。
- 音で覚える: 「カレッジ (college)」と似ていますが、意味は全く違うので混同しないように注意。
少し勇気を持つだけで、英語学習の世界も広がっていきます。ぜひ “courage” をキーワードとして、自分の英語力を一歩前に進めてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
勇気,度胸