chemist
以下では、名詞「chemist」について、学習者の方が理解しやすいように、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: chemist
品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
意味(英語)
• A person who studies or practices chemistry.
• (Especially in British English) a person who prepares and sells medicines; a pharmacist.
意味(日本語)
• 化学者(化学を研究・実験・活用する人)
• (特にイギリス英語で)薬剤師
「chemist」は英語圏では「化学者」を指す場合が多いですが、イギリス英語では「薬局の薬剤師」の意味でも日常的に使われています。日本語でも「化学者」として理解されることが多いですが、文脈や地域によって「薬剤師」のニュアンスを含むことを覚えておくと便利です。
主な活用形
- 単数形: chemist
- 複数形: chemists
品詞変化の例
- chemistry (名詞):「化学」という学問名
- chemical (形容詞):「化学の」「化学的な」
- chemically (副詞):「化学的に」
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: chem-
- 「化学」に関わる要素を示唆する語幹
- 「化学」に関わる要素を示唆する語幹
- 接尾語: -ist
- 「〜を専門にする人」「〜に携わる人」を意味する接尾語
派生語・類縁語
- chemistry (名詞):「化学」
- chemical (形容詞 / 名詞):「化学の」「化学物質」
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10選)
- research chemist(研究職の化学者)
- industrial chemist(産業化学者)
- analytical chemist(分析化学者)
- pharmaceutical chemist(薬品化学者/薬剤師)
- consult a chemist(薬剤師に相談する)
- chemist’s shop(薬局:イギリス英語特有の表現)
- qualified chemist(有資格の薬剤師・化学者)
- lead chemist(主任化学者)
- senior chemist(上席化学者)
- chemist on duty(当番薬剤師)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「chemist」は、古フランス語の“alchimiste(錬金術師)”が変化してできた「alchemist(アルケミスト)」から「al-」が落ちた形に由来します。要するに、もともとは「錬金術師(alchemist)」が「化学者」へと意味発展を遂げたという歴史があります。
ニュアンス・使用時の注意
- アメリカ英語では主に「化学者」を指し、薬剤師は“pharmacist”と呼びます。
- イギリス英語では「化学者」の他に、「薬剤師・薬局」という意味合いでも非常に一般的に使われます。
- 口語では「I’m going to the chemist’s.」(薬局に行く)という表現がよく使われますが、これは特にイギリス英語特有の言い方です。
- フォーマルな文脈で「化学者」として使う場合、単に“chemist”と言えば問題ありません。
4. 文法的な特徴と構文
- 「chemist」は可算名詞なので、単数形・複数形の区別があります (chemist / chemists)。
- 文法上は「職業・役割」を表す名詞なので、文中で主語・補語・目的語として問題なく使用できます。
例
- He is a chemist. (主語補語)
- They hired a chemist. (目的語)
イディオムや構文
- go to the chemist’s (英) : 薬局へ行く
- consult with a chemist : 薬剤師・化学者に相談する
フォーマル / カジュアル
- 研究職を紹介する際などのフォーマルな場面でも、口語で「薬剤師」に言及する際でも使えます。
5. 実例と例文
5.1 日常会話(カジュアル)
“I need to pick up some medicine. I’ll stop by the chemist’s on my way home.”
(薬を受け取らないといけないから、帰り道に薬局に寄るよ。)“My brother works as a chemist in a drugstore downtown.”
(私の兄は、街の中心部のドラッグストアで薬剤師として働いています。)“You should ask the chemist if this ointment is safe for children.”
(この軟膏が子どもに安全か、薬剤師に聞いてみるといいよ。)
5.2 ビジネスシーン(ややフォーマル)
“We hired a senior chemist to develop new materials for our product line.”
(新製品ラインの材料開発のために、上席化学者を雇いました。)“The chemist presented the results of her research at the conference.”
(その化学者は研究の成果を学会で発表しました。)“Our lead chemist is responsible for ensuring all chemical processes meet safety standards.”
(当社の主任化学者は、すべての化学工程が安全基準を満たしていることを確認する責任があります。)
5.3 学術的・専門的
“Dr. Smith is a renowned chemist specializing in nanoparticles.”
(スミス博士はナノ粒子に特化した有名な化学者です。)“A research chemist typically works in a laboratory setting, analyzing chemical compounds.”
(研究化学者は通常、実験室で化学化合物を分析する仕事をします。)“The chemist’s findings could revolutionize battery technology.”
(その化学者の発見はバッテリー技術を革新するかもしれません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- pharmacist(薬剤師)
- アメリカ英語で「薬剤師」を指す際に使われる。イギリス英語の“chemist”と同義。
- アメリカ英語で「薬剤師」を指す際に使われる。イギリス英語の“chemist”と同義。
- scientist(科学者)
- 化学者を含む科学者全般。chemistはあくまで化学を専門に扱う人。
- 化学者を含む科学者全般。chemistはあくまで化学を専門に扱う人。
- druggist(薬剤師)
- 少し古い表現や地域によっては使われる言い方。
反意語 (Antonyms)
- 特定の厳密な「反対語」はありませんが、「chemist」の対義としては職業や専門性が異なるもの(e.g., biologist, physicist)が挙げられます。
- 実質的には「非化学者」のような意味になり、明確な一語での反意語は存在しません。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈkem.ɪst/
- アクセントの位置: 先頭の “kem” の部分に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語
- 大きな差はありませんが、母音の音の若干の違いが出ることがあります。
- アメリカ英語: [ˈkɛmɪst]
- イギリス英語: [ˈkɛmɪst]
- 大きな差はありませんが、母音の音の若干の違いが出ることがあります。
- よくある発音ミス
- “-ist”を [ɪst] ではなく [ist] と硬く発音しすぎるなど。
- “ch” を [ʃ] や [tʃ] などと混乱しないように注意(ここでは [k] + [em])。
- “-ist”を [ɪst] ではなく [ist] と硬く発音しすぎるなど。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: chemist の “ch-” を “k-” と書いてしまう等。
- 同音異義語との混同: 直近で似た音の単語はさほどありませんが、「chemistry」と混同しないように(chemist は「人」、chemistry は「学問」)。
- イギリス英語では“chemist”が「薬剤師・薬局」を意味する点
- アメリカ英語学習者がイギリスで戸惑う場合があります。
- アメリカ英語学習者がイギリスで戸惑う場合があります。
- 試験での出題傾向: 英検やTOEICでは「薬剤師を指す用法」を文脈問題として出題する場合があります。イギリス英語とアメリカ英語の違いを問う問題に注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「chemist」は、元は「alchemist(錬金術師)」から来ている、というストーリーで覚えると印象に残りやすいです。
ch
で始まる“chemical”や“chemistry”と「化学」というテーマで一括りにして単語帳を作ると覚えやすいでしょう。- イギリス旅行の際には「chemist’s = 薬局」というイメージを持つと役に立ちます。
以上が名詞「chemist」についての詳細な解説です。研究職の「化学者」としても、日常で使われる「薬剤師」としても大切な単語なので、ぜひ覚えて使い分けられるようにしてください。
化学者
《英》=pharmacist