元となった辞書の項目
wash
解説
以下では、名詞としての wash
を、学習者の方にもわかりやすい形で詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
英語:
1) The act or process of washing clothes, dishes, etc. (洗濯・洗浄という行為やプロセス)
2) The residue or water left after washing (洗った後に残る水や汚れ)
3) The movement or sound of water (波や水の動き・音を指すこともある)日本語:
「洗濯」「洗浄」「洗ったあとに残る水や汚れ」「水が寄せる音」などを指す名詞です。
「I did the wash today.(今日、洗濯をしました)」のように、洗濯や皿洗いなど“洗う行為や洗い物”をまとめて指す言い方です。
ほかにも「the wash of the waves(波の寄せる音や動き)」のように、水の動きを比喩的に表す場合もあります。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 名詞なので、基本的に複数形は “washes” となります。
例) One wash / Two washes
他の品詞になった時の例
- 動詞 (to wash): “I wash my clothes every weekend.”
- 形容詞 (洗うための、洗浄力のある) は直接 “wash” が変形した形ではなく、他の単語を組み合わせて “washable” などと表現されます。
難易度目安(CEFR レベル)
- B1(中級): 基本的な動詞「洗う (wash)」はA1〜A2レベルでもよく登場しますが、名詞として “the wash” を使う表現は、少し慣れが必要なのでB1(中級)あたりの目安といえます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語・接尾語: 特にありません。
- 語幹: wash
派生語・類縁語
- wash → washable(形容詞: 洗濯可能な)
- washcloth(名詞: 洗顔や拭き用の布)
- car wash(名詞: 車の洗車場)
- washing machine(名詞: 洗濯機)
よく使われるコロケーション(共起表現)例 10 個
- do the wash → 洗濯をする
- dirty wash → 汚れた洗濯物
- pile of wash → 山積みになった洗濯物
- quick wash → 短時間の洗濯(短い洗いのサイクル)
- gentle wash → 優しく洗う機能(デリケート洗い)
- the sound of the wash → 波の寄せる音
- wash water → 洗い水
- wash basin → 洗面器(ただし、こちらは名詞 “basin” とセット)
- after the wash → 洗濯・洗浄後
- wash cycle → 洗濯機の洗いサイクル
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “wascan” に由来し、ゲルマン語派の同系語からきています。動詞形の “wash(洗う)” と共通の語源です。名詞としての用法は、「洗浄」という行為や残り水などを指すようになりました。
ニュアンス・使われ方
- 「洗濯物」「お皿洗い」「波の音」のように、生活感のある、わりとカジュアルな場面でよく使われます。
- 文語よりも日常会話やカジュアルな文章で登場しやすいです。
- ただし、「the wash of the waves」のように詩的・比喩的な表現で、文章でも使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使う場合は可算名詞 (a wash / washes) としても不可算名詞(概念としての洗濯や洗浄)としても文脈によって使えます。
- 例: “I have a lot of wash to do.”(洗濯物がたくさんある)
- 例: “The wash of the waves was soothing.”(波の音が心地よかった)
- 例: “I have a lot of wash to do.”(洗濯物がたくさんある)
イディオム・構文例
- “come out in the wash” → 「結局うまく解決する、結果オーライになる」のイディオム
- 例: “Don’t worry about the small mistakes; they’ll come out in the wash.”
- 例: “Don’t worry about the small mistakes; they’ll come out in the wash.”
- “wash something away” (動詞的用法のイディオムなので参考まで) → 「(水が)洗い流す」
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術的な文脈でそれぞれ 3 例ずつ挙げます。
日常会話
- “I need to do the wash today before I run out of clean clothes.”
(今日、洗濯をしないと着る服がなくなっちゃう。) - “Can you hang up the wash once it’s done?”
(洗濯が終わったら干してくれる?) - “The wash of the waves helped me relax on the beach.”
(ビーチで波の音を聞くとリラックスできた。)
ビジネス
- “I’m sorry I’m late. I had a quick wash of the dishes this morning.”
(遅れてすみません。今朝、急いでお皿を洗っていました。)
※ ビジネスで直接「洗い物」の話をするのは少ないかもしれませんが、チーム内リラックス会話などの文脈ならありえます。 - “We need to ensure the wash area in the workshop is kept clean.”
(作業場の洗浄エリアはきれいに保たなければなりません。) - “The new product must undergo a final wash before packaging.”
(新製品は梱包前に最終的な洗浄を行う必要があります。)
学術的な文脈
- “The chemical wash removes any metal residues from the apparatus.”
(化学洗浄によって装置に付着した金属残留物がすべて取り除かれます。) - “Researchers recorded the wash of the waves to study coastal erosion.”
(研究者たちは海岸浸食を調べるために波の動きや音を録音した。) - “A thorough wash of the samples is required to ensure accurate results.”
(正確な結果を得るためには、サンプルを完全に洗浄する必要がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “laundry” (洗濯物・洗濯)
- 「洗濯物そのもの」をより直接的に指す言葉です。家事としての洗濯行為を指す場合もあります。
- 例: “I need to do the laundry.(洗濯をしないといけない)”
- 「洗濯物そのもの」をより直接的に指す言葉です。家事としての洗濯行為を指す場合もあります。
- “rinse” (名詞:すすぎ、動詞:すすぐ)
- 「すすぎ」の工程・行為にフォーカスを当てた言葉です。
- 「すすぎ」の工程・行為にフォーカスを当てた言葉です。
- “cleaning” (洗浄・清掃)
- 「洗う」以外にも掃除全般を含む広いニュアンス。
- 「洗う」以外にも掃除全般を含む広いニュアンス。
- “washwater” (洗浄水)
- 名詞同士の組み合わせや複合語として特定の「洗い水」を指す表現。一般的にはやや専門的。
反意語
- 「wash」の名詞として明確な反意語はありませんが、汚れを意味する “dirt” や “stain” が逆のイメージになります。
- 例: “stain” (名詞:汚れ、シミ)
7. 発音とアクセントの特徴
IPA:
- イギリス英語 (BrE): /wɒʃ/
- アメリカ英語 (AmE): /wɑːʃ/ または /wɔːʃ/ (地域によっては /wɒʃ/ と似た音になる場合もあり)
- イギリス英語 (BrE): /wɒʃ/
強勢(アクセント)の位置:
- “wash” の 1 音節目(最初の部分)にアクセントがあります(実質 1 音節語なので、強勢は全体にかかります)。
よくある発音の間違い:
- “woosh” /wuːʃ/ と混同する場合があるので気をつけてください。
- 「ウォッシュ」よりも「ワッ(ウォ)シュ」に近い響きになります(米音ではやや「あ〜」と伸ばす傾向も)。
- “woosh” /wuːʃ/ と混同する場合があるので気をつけてください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 名詞として使うか動詞として使うかの混同
- “I need to wash.” → 動詞 “wash”
- “I need to do the wash.” → 名詞 “the wash”
- “I need to wash.” → 動詞 “wash”
- スペルミス
- “wash” の
a
とo
を間違えて “wosh” と書いてしまうケースがあるので要注意。
- “wash” の
- 同音異義語との混同
- “watch” (見る)とスペルが似ているので注意。発音も異なります(watch /wɒtʃ/ vs. wash /wɒʃ/)。
試験対策
- TOEIC や英検でも、「家事」「洗い物」の話題で “laundry” と合わせて “wash” が選択肢やリスニングに出てくることがあります。
- 名詞と動詞の用法を区別できるようにしておくと、穴埋め問題などで役に立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “wash” を「ウォッシュ」とカタカナにして覚えがちですが、アメリカ英語の感覚なら「ワーシュ」にも近い音です。
- 「洗う (wash)」とセットで覚えると名詞用法の理解が早いかもしれません。
- “laundry” = “wash” のイメージを関連づけて覚えると、家事洗濯全般の語彙としてまとめて使いやすくなります。
- “come out in the wash” というイディオムをイメージすると、洗えばきれいになる、転じて「最終的にうまくいく」と覚えやすいでしょう。
以上が、名詞 “wash” の詳細解説です。動詞としてのイメージが強い単語ですが、名詞形としても「洗濯物(洗浄物)」「洗い物」「波の動きや音」など幅広く使われます。日常でもビジネスでも、また学術的にも「洗浄」として使える単語なので、しっかり押さえておきましょう。
意味のイメージ