元となった辞書の項目
practice
解説
以下では、英単語 practice
(名詞)について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語)
- Practice (noun): The act of doing something regularly or habitually; a usual or customary action or exercise; the professional business or place of work for certain occupations (e.g., a doctor’s or lawyer’s practice).
意味(日本語)
- 「練習」「実践」「慣習」「業務(医師や弁護士の事務所・営業所)」などを表す名詞です。
- 例: 「ギターの練習をする」時の「練習」や、「医師が開業しているクリニック」=「医師の開業医業務」のように幅広い意味で使われます。日常的な習慣、職業としての業務形態や事務所、社会的・文化的に根付いた行動様式などを示唆する単語です。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 名詞のため動詞のような活用はありません。
ただし、イギリス英語では動詞形を「practise(s, d, ing)」とつづり分けることがあります(名詞は「practice」)。アメリカ英語では、動詞でも名詞でも「practice」です。
他の品詞形
- 動詞形(英): practise (主にイギリス英語で使用)
- 動詞形(米): practice (アメリカ英語では名詞と同形)
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
→ 一般的に「練習」や「実践」として英語学習中でも比較的早い段階から目にする単語ですが、社会的・専門的な文脈の「業務」という意味はややレベルが上がります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語・接尾語として明確な区切りはなく、語幹として「pract-」 (行動・実践に関連) が含まれます。
関連する派生語・類縁語
- practitioner (名詞): 開業医、弁護士などの開業専門家
- to practise / to practice (動詞): 練習する、実行する、習慣的に行う
- practicable (形容詞): 実行可能な
よく使われるコロケーション(10個)
- “daily practice” –「毎日の練習」
- “regular practice” –「定期的な練習」
- “common practice” –「一般的な慣習」
- “best practice” –「最善の方法(慣行)」
- “medical practice” –「医療業務、医療事務所」
- “law practice” –「法律事務所、弁護士業務」
- “in practice” –「実際には、実際の運用上は」
- “practice session” –「練習セッション」
- “put into practice” –「実行に移す」
- “out of practice” –「練習不足で腕がなまっている」
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “practica”(実践)やギリシャ語 “praktikē”(行動、実践)に由来します。もともと「実践・行為をすること」を示しており、そこから「反復して身につける行動」「慣習」といった意味へと発展しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「練習」「実践」の意味では比較的カジュアルな文脈でも使いやすいですが、「医師や弁護士のpractice」などの表現はややフォーマルまたは専門的です。
- 「practice makes perfect(練習は完璧を作る)」といった決まり文句がありますが、フォーマル・カジュアルどちらにも対応できる柔軟な単語です。
- イギリス英語とアメリカ英語で動詞形のスペルが異なる点にも注意します(英: practise、米: practice)。
4. 文法的な特徴と構文
名詞
practice
は可算・不可算どちらの用法もあり、文脈によって区別されます。- 可算名詞: 「特定の練習」「特定の業務・事務所」など具体的に数えられるもの
- 例: “three practices a week” (週3回の練習)
- 例: “a law practice” (弁護士事務所)
- 例: “three practices a week” (週3回の練習)
- 不可算名詞: 「練習(という概念)」「慣習(という概念)」など抽象的な場合
- 例: “Practice makes perfect.” (練習は完璧を生む)
- 例: “Practice makes perfect.” (練習は完璧を生む)
- 可算名詞: 「特定の練習」「特定の業務・事務所」など具体的に数えられるもの
一般的な構文・イディオム例
- put (something) into practice: 「~を実行に移す」
- out of practice: 「腕がなまっている、ブランクがある」
- in practice: 「実際には、実践レベルでは」
- put (something) into practice: 「~を実行に移す」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I need more guitar practice to play this song smoothly.”
- 「この曲をスムーズに弾くにはもっとギターの練習が必要だな。」
- 「この曲をスムーズに弾くにはもっとギターの練習が必要だな。」
- “Daily practice is crucial if you want to improve your cooking skills.”
- 「料理の腕前を上げたいなら、毎日の練習が大事だよ。」
- 「料理の腕前を上げたいなら、毎日の練習が大事だよ。」
- “I’m out of practice with speaking French, so I worry about my trip to Paris.”
- 「フランス語は練習不足だから、パリへの旅行が心配だわ。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “It is common practice to confirm meeting agendas in advance.”
- 「事前に会議のアジェンダを確認するのは一般的な慣習です。」
- 「事前に会議のアジェンダを確認するのは一般的な慣習です。」
- “Our office follows best practices to ensure data security.”
- 「当社はデータの安全を確保するため、最善の慣行を採用しています。」
- 「当社はデータの安全を確保するため、最善の慣行を採用しています。」
- “She joined a renowned law practice right after passing the bar exam.”
- 「彼女は司法試験に合格後、評判の良い法律事務所に加入しました。」
(3) 学術的・専門的な文脈での例文
- “Current research explores how reflective practice can enhance teaching quality.”
- 「最近の研究では、内省的実践がいかに教育の質を高めるかが探究されています。」
- 「最近の研究では、内省的実践がいかに教育の質を高めるかが探究されています。」
- “In medical practice, patient confidentiality is of utmost importance.”
- 「医療業務においては、患者のプライバシー保護が最も重要です。」
- 「医療業務においては、患者のプライバシー保護が最も重要です。」
- “He published a paper on ancient cultural practices in Southeast Asia.”
- 「彼は東南アジアにおける古代文化的慣習に関する論文を発表しました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “training”(トレーニング)
- より体系的・長期的な練習や訓練を指す。
- より体系的・長期的な練習や訓練を指す。
- “exercise”(エクササイズ / 練習問題)
- 練習問題や運動としての「練習」。よりスポット的・学習的な意味が強い。
- 練習問題や運動としての「練習」。よりスポット的・学習的な意味が強い。
- “rehearsal”(リハーサル)
- 演劇やパフォーマンスの本番前のリハーサルを指す場合に多用。
- 演劇やパフォーマンスの本番前のリハーサルを指す場合に多用。
→ 「practice」は“training”や“exercise”よりも幅広い意味をもつため、単に「筋トレ」以外の慣習や業務にも使われる点が特徴。
反意語
- 「concept」(概念、理論)など「頭の中や理論上だけで実践していない」ニュアンスの単語が対照的となる場合がありますが、はっきりした反意語というよりは「practice(実践)」と「theory(理論)」がよく対比されます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (アメリカ英語 / イギリス英語 共通): /ˈpræk.tɪs/
- アクセントは第1音節 “prác-” にあります。
- アメリカ英語では「プラ(プ)ラックティス」のように発音し、比較的「t」の破裂音が弱めに発音される場合もあります。イギリス英語では「プラクトィス」に近い音が出る傾向があります。
- よくある間違い: 「pra→par」と発音してしまうなど、母音の「æ(アとエの中間)」がきちんとできず、「pruhctice」のようになってしまう場合があるので注意です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 動詞として使う場合のイギリス英語スペル “practise” と名詞 “practice” の混同。アメリカ英語ではどちらも “practice” のため混乱しがちです。
- 同音異義語: “practice” (名詞) と “practise” (動詞) はイギリス英語ではスペルが違うのに発音が同じ。試験で区別を問われることがあります。
- TOEICや英検でも、ビジネス文書・メールの中で “practices” が “慣行” の意味合いで出題される場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「practice makes perfect(練習すれば完璧になる)」という有名なフレーズで覚えると定着しやすいです。
- スペルの最後は “-ice” で、アメリカ英語では名詞も動詞も同じ “practice”。イギリス英語では名詞が “-ice”、動詞が “-ise”。「名詞はアイス、動詞はアイズ」とイメージして区別すると覚えやすいでしょう。
- 「実際に行動する」= “practice” と理解すると、理論(theory)だけではなく、手を動かしてみるイメージがわきます。
以上が名詞 practice
の詳細解説です。反復する「練習」から日常の「慣習」や専門職の「業務」まで、多義的に使える便利な単語なので、状況に応じて適切に使えるよう習得してください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉(絶えず繰り返す)練習,けいこ
意味(2)
〈C〉〈U〉(1回の)練習の時間
意味(3)
〈U〉(練習で得た)熟練,腕前
意味(4)
〈U〉(理論に対して)(…の)実行,実施,実際《+of+名(do*ing*)》
意味(5)
〈C〉(…の)習慣,しきたり《+of+名(do*ing*)》
意味(6)
〈U〉(医師・弁護士などの)開業
意味(7)
〈C〉(医師・弁護士の)業務,仕事