元となった辞書の項目
around
解説
1. 基本情報と概要
単語: around
品詞: 主に前置詞(場合によっては副詞としても用いられる)
意味(英語・日本語の両方)
- 英語: “Around” generally means “in the area surrounding something,” “here and there,” or “approximately.”
- 日本語: 「周囲に」「あちこちに」「おおよそ」という意味を持ちます。何かを取り囲むイメージや、具体的な数字ではなく「だいたいこのくらい」といったアバウトな感覚を示すときに用いる単語です。
用法のニュアンス
- 物理的に「周りにある」という意味で使われたり、時間や数量について「およそ」「だいたい」といったニュアンスで使われます。カジュアルからフォーマルまで幅広い場面で使われる、とても頻出度の高い単語です。
活用形
- around は前置詞や副詞としてそのままの形で使われます。動詞のように変化形はありません。
他の品詞形
- 副詞としては “He walked around” のように「周囲を歩き回る」という用法があります。
CEFRレベル
- B1:中級
日常的によく使われるため、多くの学習者が早い段階で覚える単語ですが、使いこなし方が多岐にわたるため中級レベルに位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- a + round
厳密には「a」という接頭的要素と「round(円、周囲)」が組み合わさってできたとされています。現代では一語 “around” として機能し、接頭語・接尾語としては意識されなくなっています。
派生語や類縁語
- round: 前置詞・副詞・名詞・形容詞として、「丸い」「円形」や「近くに」「回っている状態」を表す。
- about: 「おおよそ」「約」「~について」といった意味を持ち、類似するニュアンスを持つ語。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- around the world (世界中で)
- around the corner (角を曲がったところに、もうすぐ)
- hang around (ぶらぶらする)
- move around (動き回る)
- look around (見回す)
- travel around (あちこち旅する)
- pass around (回覧する、回して渡す)
- gather around (周りに集まる)
- revolve around (…を中心に回転する/…を中心に展開する)
- all around (あちこちで/全体的に)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語や中英語の “arund,” “on round” などが変化して “around” となったと言われています。
- 元々は “round” という語の前に「a-」が付け足され、「円周を囲む」「周りにある」イメージが確立されました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「近く」や「ぐるりと」という物理的な空間を強調する使い方から、「約~」といった数値の目安を伝える使い方まで、幅広く利用できます。
- 口語でも文章でも幅広く使われますが、ビジネス文書などでは “approximately” や “about” を使う方がフォーマル度が高くなる場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
前置詞としての “around”
- 名詞の前に置き、「~の周囲に」「~の周辺で」という意味を表します。
例: “People gathered around the table.”(人々はテーブルの周りに集まった)
- 名詞の前に置き、「~の周囲に」「~の周辺で」という意味を表します。
副詞としての “around”
- 単体で使われて、動作が周辺を動き回るイメージを表します。
例: “They wandered around.”(彼らはあちこちをさまよった)
- 単体で使われて、動作が周辺を動き回るイメージを表します。
可算・不可算、他動詞・自動詞
- 前置詞として使う場合、名詞(可算・不可算を問わず)の周囲や空間的範囲を表します。
- 動詞の他動・自動の違いは “around” とは直接関係しませんが、目的語を伴う動詞に “around” が付くと、句動詞的に意味が変わることがあります (例: “pass around the document” = 書類を回覧する)。
フォーマル/カジュアル
- 比較的カジュアル寄りですが、フォーマルな文章にも問題なく使えます。ただし、「おおよそ」の意味としてビジネスや学術的に厳密性を必要とする場合は “approximately” を使うことが多いです。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I’ll meet you around 3 p.m.”
(午後3時ごろに会いましょう。) - “Do you want to walk around the park?”
(公園をぶらぶら歩かない?) - “Is there a grocery store around here?”
(この辺りに食料品店はありますか?)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Could you send the report around to everyone in the team?”
(レポートをチーム全員に回してもらえますか?) - “We are aiming for a budget around $50,000.”
(予算は約5万ドルを目指しています。) - “The manager wants to discuss ideas around improving efficiency.”
(マネージャーは効率改善に関するアイデアを話し合いたがっています。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “The discussion around this theory has been ongoing for decades.”
(この理論についての議論は数十年にわたって続いています。) - “Research around renewable energy focuses on sustainable solutions.”
(再生可能エネルギーに関する研究は持続可能な解決策に焦点を当てています。) - “We observed changes in behavior around different stimuli.”
(私たちはさまざまな刺激に対する行動の変化を観察しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- about (およそ/~について)
- “around” とほぼ同じ意味で使えることが多いですが、「~について詳しく言及する」といったときは “about” の方が自然です。
- “around” とほぼ同じ意味で使えることが多いですが、「~について詳しく言及する」といったときは “about” の方が自然です。
- approximately (おおよそ)
- よりフォーマルで正確さに重きを置きたいときに使われます。
- よりフォーマルで正確さに重きを置きたいときに使われます。
- near (近くに)
- 空間的意味が強調されるが、「おおよそ」の意味では使えません。
反意語
- 「正確に」を意味する明確な反意語としては直接はありませんが、ニュアンス差でいうと:
- exactly (正確に)
- 「おおよそ」を表す “around” とは対照的に、「ぴったり、正確に」を意味します。
- 「おおよそ」を表す “around” とは対照的に、「ぴったり、正確に」を意味します。
- exactly (正確に)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /əˈraʊnd/
- アクセント: 「a-round」の “-round” 部分に強勢が置かれます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語の方が /r/ が強めに発音される傾向があります。
- よくある間違い: “arround” のように “r” を重ねてしまうスペリングミスに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “arround” や “aroud” など、rやoを一つ増やしたり減らしたりしがちなので注意。
- “about” との混同
- 意味や使い方は近いが、「~について」の文脈では “about” が自然な場合が多い。
- TOEICや英検などでの出題傾向
- “around the corner” や “hang around” といったイディオムやコロケーションとして頻出。時制や品詞の判別を問われることもある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “circle (円)” をイメージ: “round” のイメージから、「何かをぐるりと囲む円を思い浮かべる」と覚えやすいです。
- 音での覚え方: “a-round” => 「アラウンド」と日本語でそのまま引っかかりやすいので、スペルだけは間違えないように意識するとよいでしょう。
- 勉強テクニック: “around” を含むイディオムをまとめて覚えると、様々な文脈で思い出しやすくなります。(例:“look around,” “turn around,” “stick around,” など)
以上が前置詞(および副詞)「around」の詳細な解説です。空間的な「周りに」、時間的・数量的な「およそ」といった使い方をバランスよくマスターすると、英語表現の幅がぐっと広がります。
意味のイメージ
意味(1)
《米・英話》どこか…のあたりに,の付近に(《英》about)
意味(2)
《米・英話》…を回って,回ったところに(《英》about)
意味(3)
…を中心として
意味(4)
《米・英話》およそ,約
意味(5)
周りに,ぐるりと,一周して
意味(6)
《米》あちこちに(と)(《英》about)
意味(7)
《米》周辺に,あたりに,付近に(《英》about)
意味(8)
《米・英話》《be, lieなどの状態を表す動詞と共に》…のあちこちに,《移動を表す動詞と共に》…のあちこちを,…をぐるっと回って(《英》about)
意味(9)
《beなどの状態を表す動詞,また動作を表す動詞と共に》…の周りに(を),…の周囲に(を),…をぐるっと取り巻いて