given that
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): “given that”
品詞: 接続詞句(コンジャンクションフレーズ)
英語での意味: “considering that”, “taking into account that”, “because”
日本語での意味: 「〜であることを考えると」「〜という事実を踏まえると」「〜だから」「〜なので」
例えば「Given that it’s raining, the event will be moved indoors.」は「雨が降っていることを考えると、イベントは屋内に移されます。」という意味です。状況や事実を前提として、それを踏まえて話を進めるニュアンスで使われます。
活用形・他の品詞例
- given (形容詞): 「与えられた」「所与の」(e.g. “a given condition” = 「所与の条件」)
- to give (動詞): 「与える」
- gave (動詞の過去形), given (動詞の過去分詞形), giving (動名詞/現在分詞形) など
“given that” はあくまで「接続詞的表現」で、活用というよりはフレーズとして覚えましょう。
CEFRレベル
- B2(中上級) 以上
ネイティブスピードの会話や文章で比較的よく目にする表現です。文法的には難しくないですが、論理的な文章やプレゼン、アカデミックな場面で多用されるのでB2レベルから上級学習者が使うとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- given: 動詞“give”の過去分詞形から来た形容詞・分詞
- that: 接続詞として機能
本来、「given」は「与えられた」という意味ですが、そこに “that” が続くことで、「〜であることを考慮すると」「〜を前提として」という接続詞句を形成します。
関連する派生表現や類縁語
- give(動詞)
- given (形容詞)
- given the fact that(よりフォーマルな言い方)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- Given that situation – 「その状況を踏まえると」
- Given that we have limited time – 「時間が限られていることを考えると」
- Given that resources are scarce – 「資源が乏しいことを考えると」
- Given this information – 「この情報を踏まえると」
- Given that he has no prior experience – 「彼に事前の経験がないことを考えると」
- Given the evidence – 「その証拠を考えると」
- Given that it’s urgent – 「急を要するため」
- It’s reasonable, given that... – 「〜であることを考慮すると、それは妥当です」
- Given that she’s an expert – 「彼女が専門家であることを踏まえて」
- Given the circumstances – 「その状況を踏まえて」
3. 語源とニュアンス
語源
- “given” は古くから “give” の過去分詞形として存在しており、英語では「与えられた状態」という意味を持つ形容詞としても使われます。そこから「前提」として捉えられる事柄を指すようになり、「Given that ~ (…であることを前提として)」という接続詞句が生まれました。
ニュアンス・使用上の注意
- 論理的・説明的な文脈で頻用: プレゼンテーションや論文など、正式な文章でもよく用いられます。
- 口語でもOK: ネイティブの会話でも出てくることがありますが、やや“考慮する・前提にする” といった論理的なトーンを感じさせます。
- 感情的な響きはあまりなく、客観的・論理的に事実や条件を提示するときに向いています。
4. 文法的な特徴と構文
- 位置: 通常文頭または句を導入する形で用いられます。
例) “Given that it’s late, we’d better go home.” - 意味的機能: 「…ということを考慮して」を示す従属接続詞の役割を果たします。
- フォーマル/カジュアル: 論文・レポート・ビジネス文書でもよく見られるフォーマル寄りの表現ですが、日常会話にも浸透しています。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “Given that she’s already left, I’ll call her later.”
(彼女はすでに出発しているから、後で電話するよ。) - “We ordered pizza, given that nobody wanted to cook tonight.”
(今夜は誰も料理をしたがらなかったから、ピザを注文したよ。) - “Given that the store closes early on Sundays, we should hurry.”
(その店は日曜は早く閉まるから、急ごう。)
ビジネスシーン(ややフォーマル)
- “Given that our budget is tight this quarter, we need to prioritize spending.”
(今期は予算が厳しいので、支出に優先順位をつける必要があります。) - “Given that the client requires a quick turnaround, let’s finalize the design by Friday.”
(顧客が迅速な対応を求めているので、金曜日までにデザインを確定しましょう。) - “Given that sales have been falling, we should reconsider our marketing strategy.”
(売上が落ちていることを考慮すると、マーケティング戦略を再考すべきです。)
学術的・フォーマルな文脈
- “Given that previous research has shown similar trends, we can hypothesize that…”
(先行研究が同様の傾向を示していることを踏まえると、私たちは…という仮説を立てられます。) - “Given that the sample size is limited, further investigation is required.”
(サンプル数が限られていることを考慮すると、さらなる調査が必要となります。) - “Given that climate change poses significant risks, policymakers must take urgent action.”
(気候変動が重大なリスクをもたらすことを踏まえ、政策立案者は迅速な行動を取らなければなりません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- considering (that) – (〜を考慮すると)
- “Considering it’s already late, let’s call it a day.”
- “Given that” ほどフォーマルではないが、意味は近い。
- “Considering it’s already late, let’s call it a day.”
- in light of – (〜を考えると/〜を踏まえると)
- “In light of recent events, we will postpone the event.”
- ややフォーマルで、書き言葉でよく使われる。
- “In light of recent events, we will postpone the event.”
- in view of – (〜を踏まえると)
- “In view of the new evidence, we should re-examine the case.”
- フォーマル度は“in light of”に近い。
- “In view of the new evidence, we should re-examine the case.”
反意語
- 明確な反意語はありませんが、「前提にしない」「〜を考慮しない」などを表したければ “without considering” や “regardless of” という表現が使えます。
- 例) “Regardless of the data, he insisted on proceeding with the plan.”(そのデータを無視して、彼は計画を進めると主張した。)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- “given” /ˈɡɪv.ən/
- “that” /ðæt/ (米国英語), /ðæt/ or /ðət/ (文脈や発音の連結による)
- “given” /ˈɡɪv.ən/
アクセント: “GI-ven” と最初の音節に強勢が来やすいです。 “that” は弱く発音されがちです。
アメリカ英語とイギリス英語の違い: 発音そのものに大きな違いはないですが、/ən/ の部分がやや /ɪn/ ぽくなったり、弱音化されたりする場合があります。
よくある間違いとしては “give” と “given” の発音を混同すること。 “given” は “ギヴン” です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “Given” のスペリングは “give” + “n”: “givin” や “givven” と間違えないように。
- “Given that” の “that” を忘れない: 特に会話で「Given it’s raining」と言う人もいますが、文法的には “that” を入れるほうがより正確です。
- “giving that” との混同: “giving” は現在分詞形で「与えている」の意味。“Given that” とは別物です。
- 試験対策(TOEIC, 英検など): 読解問題やビジネスメールで接続詞として登場する可能性があります。文の流れを説明する文脈で使われることが多いので、意味をしっかり理解しておくと長文読解に役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 目の前に「与えられた(given)条件(that)」がある、という感覚。論理的に「その条件を踏まえて次の話をする」というイメージを持つと覚えやすいでしょう。
- 語呂合わせ: “Given that 〜” = “Given (与えられた)→ それを考えると…” の順番。
- 覚え方としては、「“Given that” = 〜を踏まえると、という前置きフレーズなんだ」と意識すると、自然に使えるようになります。
以上が “given that” の詳細解説です。状況や事実を前提として話を進めたい時に、とても便利な表現なので、ぜひ活用してみてください。
...を考えると, ...を考慮すると,だとすれば