元となった辞書の項目
in case
解説
1. 基本情報と概要
表現: in case
品詞: 慣用表現(主に接続詞的に使われる)
CEFR レベル (目安): B1(中級)
「in case」は、何か起こる可能性に備えて「万が一の場合に備えて」「もし〜の場合には」という意味を表す英語表現です。
日常会話では「もし雨が降ったら困るから傘を持っていく」など、リスク回避や事前準備のニュアンスでよく使います。
活用形や関連表現
- “in case” は複数形や時制変化などの文法的な活用は基本的にありません。
- 似た表現に “in case of 〜” がありますが、こちらは前置詞句として “In case of emergency, …”(緊急事態の場合は…)のように用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
- in: 前置詞で「〜の中に」を表す語。
- case: 「状況」「場合」「出来事」などを意味する名詞。
「in case」は、本来 “in + case” の組み合わせで、「ある事態の中に入ったとき、もしそうなったときに備えて」というニュアンスを持ちます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ10選
- “Take an umbrella in case it rains.”
- (雨が降るといけないから傘を持っていって)
- (雨が降るといけないから傘を持っていって)
- “Lock the door in case of intruders.”
- (不審者が入ってくる可能性があるからドアに鍵をかける)
- (不審者が入ってくる可能性があるからドアに鍵をかける)
- “Prepare extra food in case of guests.”
- (来客があるかもしれないので、食べ物を多めに用意する)
- (来客があるかもしれないので、食べ物を多めに用意する)
- “Make a copy in case you lose the original.”
- (オリジナルを失くすかもしれないからコピーを作っておく)
- (オリジナルを失くすかもしれないからコピーを作っておく)
- “Check the forecast in case of bad weather.”
- (悪天候の可能性があるから天気予報を確認する)
- (悪天候の可能性があるから天気予報を確認する)
- “Carry your ID in case of emergency.”
- (緊急時に備えて身分証を持ち歩く)
- (緊急時に備えて身分証を持ち歩く)
- “Bring a jacket in case it gets cold.”
- (寒くなるかもしれないから上着を持っていく)
- (寒くなるかもしれないから上着を持っていく)
- “Leave early in case there is traffic.”
- (渋滞があるかもしれないから早めに出発する)
- (渋滞があるかもしれないから早めに出発する)
- “Take notes in case you forget.”
- (忘れるかもしれないからメモを取る)
- (忘れるかもしれないからメモを取る)
- “Save your data frequently in case of a power outage.”
- (停電に備えてこまめにデータを保存する)
3. 語源とニュアンス
- 語源: “case” はラテン語の “casus(出来事、事象)” に由来し、古フランス語を経て英語に取り入れられました。
- 歴史的背景: 古くから「状況・出来事」を意味する “case” を「in(その状況の中に)」と組み合わせることで「もしそのような状況になったら」に備える、といったニュアンスが生まれました。
- ニュアンスや注意点:
- 「in case」は「本当に起こるかは分からないけれど、起こる可能性を想定して準備する」という気持ちを表します。日本語でいう「〜するといけないから」「〜の場合に備えて」に近いです。
- 口語でも書き言葉でもよく使われますが、あくまで「想定外の出来事への備え」という意味のため、単純な「もし〜ならば (if)」とは少し違った使い分けが必要です。
- 「in case」は「本当に起こるかは分からないけれど、起こる可能性を想定して準備する」という気持ちを表します。日本語でいう「〜するといけないから」「〜の場合に備えて」に近いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 接続詞的用法: “In case it rains, take an umbrella.”(もし雨が降ったら困るから/降る可能性があるから傘を持っていって)
- “if (もし〜ならば)” とは異なり、「もし〜する可能性があるから準備をする」というニュアンス。
- “if (もし〜ならば)” とは異なり、「もし〜する可能性があるから準備をする」というニュアンス。
- 前置詞的用法(in case of 〜): “In case of fire, call 911.”(火事の場合には 911 に電話する)
- “in case of” は “〜の場合には” として、主節の前に置いて使われるパターンです。
- “in case of” は “〜の場合には” として、主節の前に置いて使われるパターンです。
- フォーマル / カジュアル:
- 日常会話からビジネス文書まで幅広く使われます。フォーマルすぎる表現ではありませんが、“in case of an emergency” のように堅めの文脈でも馴染みます。
5. 実例と例文
日常会話例 (3つ)
- “Bring your sunglasses in case it’s sunny later.”
- (後で晴れるかもしれないからサングラスを持って行って)
- (後で晴れるかもしれないからサングラスを持って行って)
- “I’ll set my alarm early in case I oversleep.”
- (寝坊するかもしれないから、早めにアラームをセットする)
- (寝坊するかもしれないから、早めにアラームをセットする)
- “Let’s write down the directions in case our phone battery dies.”
- (スマホのバッテリーが切れるかもしれないから、道順を書き留めておこう)
ビジネスシーン例 (3つ)
- “Please keep a backup of all files in case of a system failure.”
- (システム障害に備えて、すべてのファイルのバックアップを取ってください)
- (システム障害に備えて、すべてのファイルのバックアップを取ってください)
- “We should prepare additional chairs in case more attendees show up.”
- (もっと参加者が来るかもしれないから、椅子を追加で用意しておきましょう)
- (もっと参加者が来るかもしれないから、椅子を追加で用意しておきましょう)
- “I’ll draft an alternative proposal in case our main plan is rejected.”
- (メインの計画が却下されるかもしれないから、代わりの提案を下書きしておきます)
学術・フォーマルシーン例 (3つ)
- “Researchers should always have a control group in case the initial hypothesis proves inconclusive.”
- (研究者は初期仮説が結論を得られない場合に備えて、常にコントロール群を用意しておくべきだ)
- (研究者は初期仮説が結論を得られない場合に備えて、常にコントロール群を用意しておくべきだ)
- “In case of any unforeseen complications, additional data analysis methods must be considered.”
- (予期しない問題が発生した場合に備えて、追加のデータ分析手法も検討する必要がある)
- (予期しない問題が発生した場合に備えて、追加のデータ分析手法も検討する必要がある)
- “Have a contingency plan in case the primary experiment cannot be conducted.”
- (主たる実験が行えない場合に備えて、代替手段を用意しておく)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- “if”(もし〜ならば):ただし「条件が起こった場合のみ」を比定するニュアンスが強く、準備や備えの意識は薄い。
- “just in case”(念のため): “in case” よりカジュアルに「念のため」と言う場合によく使う。
- “in the event that”(万が一〜の場合には):よりフォーマルで、法的文書などでは “in the event ofX” と書くことも多い。
- “if”(もし〜ならば):ただし「条件が起こった場合のみ」を比定するニュアンスが強く、準備や備えの意識は薄い。
反意語:
- 明確な反意語というより、“without any preparation(何の準備もせずに)” が逆の状況になるでしょう。
- 直接的に反意を示す単語は少ないものの、“no matter what happens(どうなろうとも)” のような表現は「備えない」ニュアンスに映ることがあります。
- 明確な反意語というより、“without any preparation(何の準備もせずに)” が逆の状況になるでしょう。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪn keɪs/
- アメリカ英語 / イギリス英語: 発音の違いはほとんどありません。両方とも [イン ケイス] のように発音されます。
- アクセント(強勢): “in” は弱く発音し、 “case” のほうを強く発音するイメージです。
- よくある発音ミス: “case” を /kəs/ や /kæs/ のように曖昧にしてしまうことがあるので、しっかり /keɪs/ と発音しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “in case” と “if” の混同
- “if” は「もし〜したら」という条件節。
- “in case” は「〜するといけないから」「〜の可能性に備えて」という準備のニュアンス。
- 例)“Take an umbrella if it rains.”(雨が降ったらそのときに傘を持って行く)
“Take an umbrella in case it rains.”(雨が降ったら困るから、あらかじめ傘を持って行く)
- “if” は「もし〜したら」という条件節。
- “in case of 〜” と “in case (S+V)” の違い
- “in case of” は前置詞句で、その後ろに名詞。例) “In case of fire …”
- “in case (S+V)” は接続詞的用法で、その後ろに節が続きます。例) “In case you need help …”
- “in case of” は前置詞句で、その後ろに名詞。例) “In case of fire …”
- スペルミス: “case” を “cace” や “casse” にしてしまうミスに注意。
- 資格試験での出題傾向:
- TOEIC や英検などで、 “in case” と “if” の使い分けを問う問題が出ることがあります。
- TOEIC や英検などで、 “in case” と “if” の使い分けを問う問題が出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「箱(case)の中に備品を入れるイメージ」で、「起こるかもしれないことを箱に入れて用意しておく」。
- 覚え方のコツ:
- “Just in case” という表現があるので、「何かが起こる場合(case)の中に入って対策する」と覚えると定着しやすいです。
- “in the event that” のような類似表現とセットで覚えておくと、テストや実務でも役立ちます。
- “Just in case” という表現があるので、「何かが起こる場合(case)の中に入って対策する」と覚えると定着しやすいです。
以上が「in case」の詳細解説です。日常会話からビジネス、学術シーンまで幅広く使える便利な表現なので、ぜひ使い方をマスターしてください。
意味のイメージ
意味(1)
【接】万一…するといけないので, …する場合に備えて
意味(2)
もし…の場合には
意味(3)
【副】 万一のために