元となった辞書の項目
take advantage
解説
以下では「take advantage」という表現について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語・日本語での意味
- 「take advantage (of ...)」
英語: to make use of a situation or resource to gain benefit
日本語: (…を)利用する、有利な点を活かす、時には他人や状況をうまく利用する
「take advantage of 〜」という形で使われることが多いです。
「いい機会を活かす」「お買い得を利用する」「他人の善意につけ込む」など、状況によって「ポジティブにもネガティブにも」使われます。
品詞
- 「take advantage」は「take」という動詞 + 「advantage」という名詞からなるフレーズ動詞 (phrasal verb) のようにも扱われる表現です。
- 主な形は「take advantage of + 名詞/代名詞」です。
活用形
- take advantage of → 現在形 (例: I take advantage of…)
- took advantage of → 過去形 (例: I took advantage of…)
- taken advantage of → 過去分詞形 (例: I have taken advantage of…)
他の品詞形
- advantage (名詞):有利、利点
- advantageous (形容詞):有利な
- advantageously (副詞):有利に
CEFRレベル目安
- B2(中上級)
日常からビジネスシーンまで幅広く使われ、この表現を知っていると、自分の意図をより的確に表現できるようになります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- take(動詞)+ advantage(名詞)
「take」は「取る」、 「advantage」は「利点」というニュアンスなので、「利点を取る(=利用する)」とイメージできます。
他の単語との関連性
- advantage(名詞)
- 「benefit」(利益、恩恵)、 「profit」(利益) とよく似た意味を持ちますが、「advantage」は「有利さ」「優位性」や「好機」という点が強調されます。
- 「benefit」(利益、恩恵)、 「profit」(利益) とよく似た意味を持ちますが、「advantage」は「有利さ」「優位性」や「好機」という点が強調されます。
- advantageous(形容詞):「有利な」「都合の良い」
- disadvantage(名詞):「不利」「デメリット」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- take advantage of an opportunity(機会を利用する)
- take advantage of a sale(バーゲンやセールを活用する)
- take advantage of someone’s kindness(誰かの親切につけ込む)
- take full advantage of the situation(状況を最大限に利用する)
- take advantage of new technology(新技術を活用する)
- be taken advantage of(利用される、損をする)
- give someone an advantage(誰かに有利な立場を与える)
- gain the advantage(優位に立つ)
- have an advantage over 〜(〜より有利である)
- lose one’s advantage(有利な立場を失う)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「advantage」はもともと古フランス語の “avantage” に由来し、「前方への進展」「利点」を意味していました。
- 英語に取り入れられ、「利点」「優位性」を指すようになりました。「take advantage」はその有利性を「取る」=「利用する」という意味合いで使われています。
ニュアンス
- ポジティブ:チャンスや好機を逃さずに「活かす」
- ネガティブ:他人の気持ちや状況に「つけ込む」「搾取する」
- カジュアルかフォーマルか:会話やビジネス文書でも幅広く使われますが、人から見ると悪い印象を与えかねない場合は注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- take advantage of + 名詞/代名詞
- 例: I took advantage of the discount.(割引を利用した。)
イディオム・関連表現
- “don’t let anyone take advantage of you”
(誰にもつけ込まれないようにしなさい。)
フォーマル/カジュアル
- フォーマルでもカジュアルでもよく使われます。ビジネスメールなどでは「活用する」の意味合いで比較的フォーマルに使われることが多いです。
文法上のポイント
- ほとんどの場合「of」を伴うので、単に「take advantage」だけで終わらせない点に注意が必要です。
- 動詞としては「他動詞」的に使われ、目的語を導入するために前置詞「of」がセットになるイメージです。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的な文脈ごとに例文をいくつか挙げます。
日常会話の例文
I always take advantage of sunny weekends to go hiking.
(晴れた週末をいつも逃さずにハイキングに行きます。)She took advantage of the summer sale to buy a new laptop.
(彼女は夏のセールを活用して新しいノートパソコンを買った。)Don’t let him take advantage of your kindness.
(彼にあなたの優しさにつけ込まれないようにね。)
ビジネスシーンの例文
We should take advantage of our existing customer data to boost sales.
(販売を促進するために、既存顧客データを活用すべきです。)They took advantage of the market gap and introduced a new product.
(彼らは市場の隙間をうまく利用して新製品を投入しました。)I recommend taking advantage of this networking event.
(このネットワーキングイベントを活用することをおすすめします。)
学術的・フォーマルな場面の例文
Researchers took advantage of recent technological advances to conduct more accurate studies.
(研究者たちは最近の技術的進歩を活用して、より正確な研究を行った。)Students can take advantage of the university’s online library resources.
(学生は大学のオンライン図書館資源を活用することができます。)By taking advantage of historical data, analysts have forecasted future trends.
(過去のデータを活用することで、アナリスト達は将来の傾向を予測しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- make use of(〜を利用する・活用する)
- 「take advantage of」よりも中立的で、ややフォーマル。
- 「take advantage of」よりも中立的で、ややフォーマル。
- capitalize on(〜を資本化する・活かす)
- ビジネス寄りのニュアンスが強く、「チャンスを最大限活かす」というイメージ。
- ビジネス寄りのニュアンスが強く、「チャンスを最大限活かす」というイメージ。
- exploit(〜を搾取する[ネガティブも含む])
- 「take advantage of」のネガティブニュアンスがより強調された表現。
- utilize(〜を利用する・活用する)
- フォーマルな文脈で多用される。
反意語
- miss an opportunity(チャンスを逃す)
- overlook(見落とす)
- forgo(自発的に放棄する)
7. 発音とアクセントの特徴
- アメリカ英語(IPA)
/teɪk ədˈvæn.t̬ɪdʒ/ - イギリス英語(IPA)
/teɪk ədˈvæn.tɪdʒ/
アクセントは「ad*van*tage」の「van」の部分にあります。
- “take”→ /teɪk/(テイク)
- “advantage”→ /ədˈvæn.tɪdʒ/(アドヴァンティッジ)
よくある間違いとして、「advantage」で “ad-van-tage” の最後を /-tage/(タージ)ではなく /-tɪdʒ/(ティッジ)と発音する点に注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「of」を入れ忘れる
- ×
I took advantage the discount.
→ ○I took advantage of the discount.
- ×
- 「advantage」のスペルミス
- × advant*ege, × advanti*ge など。
- × advant*ege, × advanti*ge など。
- 「exploit」との混同
- 「exploit」は悪い意味合いが強くなる場合が多いので、誤解を招かないように注意が必要です。
試験対策
- TOEICや英検などでも「take advantage of」という熟語が穴埋め問題などで出題されることがよくあります。
- ビジネス英語でも非常に頻出のフレーズですので、覚えておくと得点につながります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「有利 (advantage) を自分の手に――'take' する」イメージで覚えましょう。
- 「take advantage of」を「TAO(タオ)」と頭文字で覚える人もいます。
- 「手に(take)利益(advantage)を取る(of)」の順番が大事だと頭にイメージすると、前置詞「of」を入れ忘れるミスを減らせます。
「take advantage」は、ポジティブにもネガティブにも使える柔軟な表現です。上手に使いこなして、英語の表現力をさらに広げてください。
意味のイメージ
意味(1)
《機会・状況・利点・成果などを》利用する《of ...》
意味(2)
《失敗・無知・厚意などに》付け込む《of ...》