元となった辞書の項目
with regard to
解説
1. 基本情報と概要
英語表現: with regard to
意味(英語): concerning; in connection with; about
意味(日本語): 「~に関して」「~について」
「with regard to」は、主にフォーマルな文脈で「~に関して」「~について」を意味する英語表現です。カジュアルに言うと「about」とほぼ同じ意味ですが、より書き言葉やビジネス文書、学術文献などで見られる少し改まった表現です。
- 品詞: 句(定型表現 / 慣用的な前置詞句)
- 活用形: 単語ではなくフレーズのため、活用形としては変化しません。
- 他の品詞形: このフレーズ自体が他の品詞形になることはありませんが、「regard」が名詞・動詞で使用される場合があります。例:
- 動詞: regard (~をみなす)
- 名詞: regard (配慮、尊敬)
- 動詞: regard (~をみなす)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 日常的には少しフォーマルな場で使う表現で、大学レベルの文書やビジネス文書でも見かけるため、B2程度と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
- with: 前置詞(「~と一緒に」などの意味を持つが、ここではフレーズを形成する一部)
- regard: 名詞(「注目」「考慮」「関心」など)
- to: 前置詞(方向・対象を示す)
これらの単語が組み合わさり、「with regard to」で「~に関して」「~について」という慣用表現になります。
関連語
- regarding: 「~に関して」
- in regard to: 「~に関して」
- as regards: 「~に関しては」
いずれも同じ意味合いを持ちますが、微妙に文体の好みやフォーマル度が異なります。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ 10選
- with regard to your request
- (あなたの要望に関して)
- (あなたの要望に関して)
- with regard to the policy
- (その方針に関して)
- (その方針に関して)
- with regard to the meeting
- (会議に関して)
- (会議に関して)
- with regard to our current situation
- (現在の状況に関して)
- (現在の状況に関して)
- with regard to the budget
- (予算に関して)
- (予算に関して)
- with regard to your inquiry
- (あなたの問い合わせに関して)
- (あなたの問い合わせに関して)
- with regard to this matter
- (この件に関して)
- (この件に関して)
- with regard to the contract
- (契約に関して)
- (契約に関して)
- with regard to the issue at hand
- (目下の問題に関して)
- (目下の問題に関して)
- with regard to future prospects
- (将来の見通しに関して)
3. 語源とニュアンス
- regard は古フランス語の “regarder” = 「見る」「注意を払う」を語源とし、さらにラテン語の要素 “re-” + “guarder” にも遡れます。
- 「with regard to」は「注意を払ってそれに向き合う」というニュアンスから、「~に注目(配慮)しているがゆえ、~に関して」という意味に発展しました。
使用時の注意点
- フォーマル度: 「with regard to」はカジュアルな会話よりもフォーマルな書き言葉、ビジネス文書、学術的文章などでよく使われます。
- ニュアンス: 「about」よりも丁寧・改まった響きを持つため、相手に対して敬意や配慮を示しているような印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 品詞上の扱い: 前置詞句として機能します。「with regard to + 名詞/代名詞/動名詞」の形をとります。
- 使い方:
- 通常、文頭や文中で、「With regard to X, …」のように導入句として使用。
- もしくは、文中で「…, with regard to X, …」のように挟む形で使われることもあります。
- 通常、文頭や文中で、「With regard to X, …」のように導入句として使用。
一般的な構文例
- With regard to [名詞], [主語 + 動詞 + 補語].
- [文] with regard to [名詞/~ing].
例:
- With regard to your question, I’ll gather more information.
- We need to make a decision with regard to hiring new staff.
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 社内文書、レポート、学術論文など
- カジュアル: 日常会話の場合はやや堅いので、あまり多用しません。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3例)
- With regard to tonight’s movie, do you have any preference?
- (今夜の映画についてだけど、何か希望はある?)
- (今夜の映画についてだけど、何か希望はある?)
- I have no concerns with regard to our weekend plans.
- (週末の予定については特に問題ないよ。)
- (週末の予定については特に問題ないよ。)
- With regard to the party, let’s decide on the menu together.
- (パーティーについては一緒にメニューを決めよう。)
ビジネスシーンでの例文 (3例)
- With regard to your proposal, we will discuss it at the next meeting.
- (あなたの提案に関しては、次の会議で議論します。)
- (あなたの提案に関しては、次の会議で議論します。)
- I'm writing with regard to the recent changes in company policy.
- (最近の会社方針の変更についてお知らせします。)
- (最近の会社方針の変更についてお知らせします。)
- Could you provide more details with regard to the budget allocation?
- (予算配分に関して、詳しい情報をいただけますか?)
学術的な文脈での例文 (3例)
- With regard to the methodology used in this study, further research is required.
- (本研究で使用した方法論に関しては、さらなる研究が必要です。)
- (本研究で使用した方法論に関しては、さらなる研究が必要です。)
- Several theories have been proposed with regard to human cognitive development.
- (人間の認知発達に関しては、いくつかの理論が提案されています。)
- (人間の認知発達に関しては、いくつかの理論が提案されています。)
- With regard to the results presented, the sample size should be expanded for accuracy.
- (提示された結果に関しては、正確性を高めるためにサンプルサイズを増やすべきです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
about(~について)
- 最も一般的でカジュアルに幅広く使える。
- 最も一般的でカジュアルに幅広く使える。
regarding(~に関して)
- 意味はほぼ同じ。「with regard to」よりもやや短く、ややカジュアル。
- 意味はほぼ同じ。「with regard to」よりもやや短く、ややカジュアル。
concerning(~に関して)
- 若干フォーマル。否定的な文脈(「心配」という意味のconcerning)と混同されることがある。
- 若干フォーマル。否定的な文脈(「心配」という意味のconcerning)と混同されることがある。
in relation to(~に関連して)
- 「関係性」にフォーカスした用法。
- 「関係性」にフォーカスした用法。
as regards(~に関しては)
- 主に文章語で、文頭で使われることが多い。
反意語
- 直接的な「対義語」は存在しませんが、話題を「変える」表現として、
aside from
(~はさておき)などがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /wɪθ rɪˈɡɑrd tuː/
- イギリス英語: /wɪð rɪˈɡɑːd tʊ/ (地域により差異あり)
- アメリカ英語: /wɪθ rɪˈɡɑrd tuː/
強勢(アクセント): 「re*gard*」の第2音節に強勢があります。
よくある発音の間違い:
- 「with」の /θ/ を /s/ や /t/ と発音してしまう。
- 「regard」の /rɪˈɡɑrd/ で /r/ が巻き舌になりすぎる、あるいは /ɡ/ の音を弱めすぎる。
- 「with」の /θ/ を /s/ や /t/ と発音してしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
with reguard to
など、regard
のスペルをreguard
と書いてしまうミスがよくあります。 - 同音異義語との混同:
regard
とregards
(結びの言葉など)を混同することがある。 - 試験対策:
- TOEICや英検などのビジネス文書、少しフォーマルな長文を取り扱う問題で登場しやすい。
- 文頭の挨拶表現と混同しないように注意(”Best regards,” などの結びフレーズは別物)。
- TOEICや英検などのビジネス文書、少しフォーマルな長文を取り扱う問題で登場しやすい。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「何かを見る(re + gard)ときに注目している対象に焦点を当てる」→「それに関して」
- 勉強テクニック:
- 「re- = 再び・注意」「gard = 見る・見ること」を連想すると、「注意を払って見る→注目する→~に関して」と覚えやすい。
- 「regard」単体も「respect」「attention」のイメージがあるので、そこに
with
「一緒に」+to
「~に向かって」が合わさっている、と整理すると良い。
- 「re- = 再び・注意」「gard = 見る・見ること」を連想すると、「注意を払って見る→注目する→~に関して」と覚えやすい。
- スペリングのポイント:
re**g**ard
のg
を入れ忘れないよう「re + g + ard」と分解して眺めるとよい。
以上、「with regard to」の解説でした。ややフォーマルなシーンで便利な表現ですので、ビジネスメールや論文執筆などでぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《かたく》 (人・物・事)に関しては, ...については