put up
1. 基本情報と概要
英単語(フレーズ): put up
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
活用形:
- 現在形:put up (主語が三人称単数の場合は puts up)
- 現在分詞:putting up
- 過去形 / 過去分詞:put up
「put up」は「何かを上げる・掲示する」「(建物や物)を立てる・設置する」「人を泊める・宿泊させる」「(値段など)を上げる」「我慢する(put up with の形)」など、状況に応じて多彩な意味を持つ句動詞です。
たとえば「put up a poster(ポスターを貼る)」「put up a tent(テントを張る)」「Could you put me up for the night?(一晩泊めてもらえますか?)」など、日常会話でよく耳にします。
「put up with」の形になると「我慢する」「耐える」という別の意味になるので要注意です。
CEFRレベル(目安):B1(中級)
日常生活で頻繁に使われる句動詞の一つであり、中級レベルで習得を意識する表現です。
2. 語構成と詳細な意味
- put:もともとは「置く」という意味の動詞
- up:方向・上昇や完了などを示す前置詞/副詞
これらが組み合わさることで、さまざまな意味へと派生します。
よく使われる意味の例
- 掲示・貼り出す
例:put up a poster(ポスターを貼り出す) - 建てる・立てる/組み立てる
例:put up a tent(テントを張る) - 泊める(宿泊を提供する)
例:put someone up for the night(人を一晩泊める) - 価格や数値を上げる
例:put up the price(値段を上げる) - 我慢する(with を伴う)
例:put up with someone/something(人・物事を我慢する / 耐える)
派生語・関連語
- put up with: 「耐える」「我慢する」
- put-down(名詞): 人を批判・侮辱する言葉(「put」と「down」の組み合わせ)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- put up a sign(掲示板や看板を立てる)
- put up a poster(ポスターを貼る)
- put up a fight(抵抗する、喧嘩腰になる)
- put up a tent(テントを張る)
- put up with noise(騒音を我慢する)
- put up the price(値段を上げる)
- put up decorations(飾り付けをする)
- put up funds(資金を提供する)
- put up a building(建物を建てる)
- put someone up for the night(誰かを一晩泊める)
3. 語源とニュアンス
語源
「put」は古英語の “putian” に由来する動詞で、「置く・推し進める」のような意味をもっていました。「up」は古英語 “úp” に由来し、「上に」「上方へ」の意味が中心です。これらが組み合わさり、「上げる」「上に置く」などのイメージが広がって、現代では「張る」「掲示する」「値段を上げる」「人を泊める(家に“引き上げる”イメージ)」「我慢する(負担を上に乗せる感覚)」と多義的に使われるようになりました。ニュアンス・使用上の注意
- 「put up with(我慢する)」は口語でも書き言葉でも頻繁に使われますが、少し「嫌だけど仕方なく受け入れる」というニュアンスがあります。
- 「put up a poster」「put up a notice」などは日常会話からビジネスまで幅広く使います。
- 「泊める」という意味合いは口語的ですが、フォーマルシーンでも“I’d be happy to put you up.”などで使えます。
- 「put up with(我慢する)」は口語でも書き言葉でも頻繁に使われますが、少し「嫌だけど仕方なく受け入れる」というニュアンスがあります。
4. 文法的な特徴と構文
自動詞 / 他動詞
「put up」は基本的に他動詞的に使われ、目的語をとることが多いです(例:put up a shelf, put up a sign など)。
一方で「put up with」は動詞+前置詞+目的語の形で使われ、目的語は「with」の後に置かれます。主な構文
- Put up + 名詞: put up a tent / put up a shelf / put up decorations
- Put + 目的語 + up: 場合によっては目的語が前にくることもあるが、「put up for the night」のように塊で覚えることが多いです。
- Put up with + 名詞/代名詞: ~を我慢する
- Put up + 名詞: put up a tent / put up a shelf / put up decorations
フォーマル/カジュアル
- 「put up」は比較的カジュアルな場面でも問題なく使えます。
- ビジネス文書などでは動詞そのものを「increase」「accommodate」「post」など言い換えることも。
- 「put up」は比較的カジュアルな場面でも問題なく使えます。
5. 実例と例文
日常会話の例(3つ)
- “Could you put me up for a few days?”
「数日泊めてもらえないかな?」 - “I’ll put up a poster about the event in the hallway.”
「廊下にイベントのポスターを貼るよ。」 - “I can’t put up with his complaining anymore!”
「彼の文句にはもう我慢できないよ!」
ビジネスシーンの例(3つ)
- “We need to put up a notice informing staff about the new policy.”
「新しい方針について従業員に知らせる掲示を貼る必要があります。」 - “Do you mind if we put you up in a hotel during the conference?”
「カンファレンスの間、ホテルに宿泊していただいてもよろしいですか?」 - “Given our budget constraints, we can’t put up the price without justification.”
「予算上の制約を考えると、正当な理由なしには値上げできません。」
学術的/フォーマルな文脈の例(3つ)
- “The university decided to put up additional dormitories to accommodate the growing number of students.”
「大学は学生数の増加に対応するため、追加の寮を建てることを決定した。」 - “He was kind enough to put me up in his residence while I was conducting research.”
「研究を行っている間、彼は私を親切にも自宅に泊めてくれた。」 - “We questioned whether we should put up with the unreliable data source any longer.”
「私たちはこれ以上不確かなデータソースに耐えるべきかどうかを検討した。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- erect(建立する)
- 主に建物やモニュメントなど大型のものを「建てる」イメージ。フォーマル寄り。
- 主に建物やモニュメントなど大型のものを「建てる」イメージ。フォーマル寄り。
- install(設置する)
- 機器や設備を取り付ける、工事的イメージ。
- 機器や設備を取り付ける、工事的イメージ。
- accommodate(宿泊させる・収容する)
- フォーマルな言い回し。「(施設が)~人を収容できる」など。
- フォーマルな言い回し。「(施設が)~人を収容できる」など。
- tolerate(我慢する)
- 「put up with」と同じ「我慢する」の意味。フォーマル。
- 「put up with」と同じ「我慢する」の意味。フォーマル。
- endure(耐える)
- 苦しみなどを「長期間にわたってこらえる」ニュアンス。
反意語
- take down(取り下げる、掲示物などを外す)
- pull down(建物などを取り壊す)
- refuse / decline(人を泊めるのを断る)
- give up(我慢するのをやめる、降参する) ※文脈によっては対義的に使われる
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /pʊt ʌp/
- アクセント: シンプルに “put” と “up” をそれぞれはっきり発音します。
- アメリカ英語: [pʊt ʌp](/ʊ/ は「ウ」に近い短い音)
- イギリス英語: [pʊt ʌp](アメリカ英語とほぼ同じですが、イギリス英語の /ʊ/ はやや唇を丸めるイメージ)
- アメリカ英語: [pʊt ʌp](/ʊ/ は「ウ」に近い短い音)
- よくある間違い: “put” を /pʌt/ と発音してしまう場合があります。「プット(短い“ウ”の音)」と意識して発音するとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「put up」を「put on」「put off」などのほかの句動詞と混同しがち
- put on:身に着ける / put off:延期する / put away:片付ける など。意味が異なるので要注意。
- put on:身に着ける / put off:延期する / put away:片付ける など。意味が異なるので要注意。
- 「put up with」を間違えて「put with up」などと並べ替えない
- 英文法的に「put up with」で一つのまとまった句動詞です。
- 英文法的に「put up with」で一つのまとまった句動詞です。
- TOEICや英検などの試験
- 「put up with」などの句動詞はリーディングやリスニング問題で頻出。
- 「文脈に応じた意味の切り替え(建てる・貼る・泊める・我慢する)」を把握しておくと点数につながります。
- 「put up with」などの句動詞はリーディングやリスニング問題で頻出。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「put up」は「上へ(up)置く(put)」というイメージを持っておくと、「掲示する(ポスターを上に貼る)」「立ち上げる(テントを設置する)」「値段を引き上げる」「耐え(上に重荷を載せるイメージ)る」と、連想しやすいです。
- 「泊める」場合も「家や部屋に人を“引き上げる”」というふうにイメージすると覚えやすいでしょう。
- いろいろな意味があるため、フレーズや例文ごとに丸暗記するほうが効率的です。
「put up」は日常会話からビジネス、学術的な場面まで幅広く使われる重要な句動詞です。上に示した意味や用例をしっかり押さえれば、英語の理解・表現力がさらに豊かになります。
(見えるように)を取り付ける, (壁などに)を貼る
...を大目に見る《with ...》
を建てる,を置く