元となった辞書の項目
damage
IPA(発音記号)
解説
以下では、動詞 “damage” をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “damage”
- 日本語: 「損害を与える」「傷つける」「ダメージを与える」
「damage」は、何かを壊したり傷をつけたり、機能を低下させたりするときに使われる動詞です。人や物の状態を悪くしたり、自然環境などをだめにしてしまうようなニュアンスがあります。
品詞
- 動詞 (他動詞)
活用形
- 原形: damage
- 三人称単数現在形: damages
- 現在分詞/動名詞: damaging
- 過去形・過去分詞: damaged
他の品詞での例
- 名詞形: damage (例: “The storm caused a lot of damage.” 「その嵐は多大な被害をもたらした」)
- 形容詞形: damaging (例: “This policy could be damaging to small businesses.” 「この政策は小規模ビジネスにとって損害を与えるかもしれない」)
CEFRレベル目安
- B1(中級)
「damage」を使った表現はニュースや日常会話でもよく見かけるため、語彙としては中級レベルに該当します。
2. 語構成と詳細な意味
“damage”はラテン語系(古フランス語など)由来で、現代の英語では「損傷させる、被害を与える」といった意味で最も広く使われます。接頭語・接尾語があるわけではなく、単一語として成り立っています。
派生語・類縁語
- damaging (形容詞): 損害を与える、悪影響を与える
- damages (名詞の複数形): 損害賠償金
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- cause damage(被害を引き起こす)
- suffer damage(被害を受ける)
- inflict damage(ダメージを与える)
- repair the damage(被害を修復する)
- damage property(財産に損害を与える)
- damage the environment(環境を損なう)
- severely damage(ひどく損傷を与える)
- slight damage(軽い損傷)
- extensive damage(大きな被害)
- claim damages(損害賠償を請求する)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語 “damag(e)” は古フランス語 “damage”に由来し、さらにラテン語系にさかのぼります。元々は「罰金」や「損失」「損害」の意味が強かったとされています。
ニュアンス
- 「damage」は単に物理的な破損だけでなく、評判の毀損や環境への悪影響など抽象的な損害を表す場合にも使われます。
- ビジネス文書や公的なシーンから、カジュアルな日常会話まで幅広く使われる点も特徴です。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞(何かを“damage”する)として使われます。目的語が必要です。
例: “They damaged the car.”(彼らは車を傷つけた) - 「be damaged」の形で、受け身もよく用いられます。
例: “The car was damaged by the storm.”(その車は嵐によって被害を受けた) - 名詞として使うときには可算・不可算どちらにもなり得ますが、意味が異なります。
- 不可算名詞: 「損害(概念)」
- 可算名詞: 「損害賠償金(damages)」など
- 不可算名詞: 「損害(概念)」
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Don’t drop the glass! You might damage it.”
(グラスを落とさないで!壊しちゃうかもしれないから。) - “I accidentally damaged my phone by spilling water on it.”
(水をこぼしてスマホを壊しちゃったんだ。) - “Leaving your bike out in the rain can damage it over time.”
(自転車を雨ざらしにしておくと、だんだん傷んじゃうよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The shipment was damaged in transit and can’t be sold.”
(輸送中に荷物が損傷してしまい、販売できません。) - “If a customer’s order is damaged on arrival, we will replace it immediately.”
(お客様の注文品が到着時に破損していた場合は、すぐに交換いたします。) - “Our brand’s reputation was damaged by the negative publicity.”
(ネガティブな報道によって、私たちのブランドの評判が損なわれました。)
学術的・専門的文脈での例文(3つ)
- “Excessive exposure to UV rays can damage cellular DNA.”
(過度の紫外線曝露は細胞のDNAを損傷する可能性があります。) - “Research indicates that polluted water severely damages marine ecosystems.”
(研究によると、汚染された水は海洋生態系に深刻なダメージを与えることが示されています。) - “The flood damaged critical infrastructure, leading to a shutdown of essential services.”
(洪水が重要なインフラを破損し、不可欠なサービスの停止をもたらしました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- harm(害を与える)
- 「心身的な害を加えたり物や環境を損なう」ときに使います。より抽象的な “害” のニュアンス。
- injure(傷つける)
- 主に人や動物など生物への怪我を与える場合に使われやすい。
- spoil(台無しにする)
- 食べ物の腐敗や、雰囲気を壊すような場合に使われがち。
- impair(弱める、損ねる)
- 機能や能力を低下させる、というニュアンスで専門的文脈に多い。
- ruin(完全にダメにする)
- 回復できないレベルで台無しにする場合に使われます。
反意語
- repair(修理する)
- fix(直す)
- restore(復元する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈdæm.ɪdʒ/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “æ” の音がやや強めに発音される傾向があります。
- アクセントは第1音節 “dam-” に置かれます。
- よくある間違いとして、語尾が /-eɪdʒ/(デイジ)のように発音されることがありますが、正しくは /ˈdæm.ɪdʒ/ です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル: “damage” (g → /dʒ/) と発音し、 “damadge” などとつづり間違いしないように注意。
- 動詞・名詞の混同:
- 動詞 “damage” → (例: “Don’t damage it.”)
- 名詞 “damage” → (例: “The damage was extensive.”)
- 動詞 “damage” → (例: “Don’t damage it.”)
- 「damages」は「損害賠償金」の意味で使われることがあるため、ふだんの “damage”(損害)とは異なる用法に注意。
- TOEICや英検などでも比較的よく見かける語で、「被害に遭う・与える」などの表現の中で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “dam” + “age” と分解して、ダム(dam)の老朽化(age)で「壊れるイメージ」として覚える、というのはあくまで語呂合わせですが、損害を思い出すイメージにはなるかもしれません。
- “damage” と “image” はよく似たスペルですが、意味がまったく異なるので間違えないようにしましょう。
- 何かを「壊す」イメージを思い浮かべると記憶に残りやすいです。
以上が、動詞 “damage” の詳細解説です。損害や被害を与えるというイメージをしっかり頭に描きながら、コロケーションで覚えると実践的に使いやすくなります。