元となった辞書の項目
back
解説
1. 基本情報と概要
単語: back
品詞: 形容詞 (ほかに名詞、動詞、副詞としても使われます)
意味(英語): located at or near the rear; relating to a position behind something.
意味(日本語): 「後方の」「裏側にある」「奥まった」というように、何かの後ろや奥に位置していることを表す形容詞です。たとえば「back door(裏口)」「back seat(後部座席)」など、物の後ろ側・裏側を指す際に使われます。会話や文章の中で、「前ではなく後ろにある」というニュアンスを伝えるときに重宝する形容詞です。
主な活用形: 形容詞のため、形そのものは変化しません。
- 例: back door, back seat, back yard
- ただし、ほかの品詞(名詞・動詞・副詞)でも “back” は使われます。
- 名詞の例: “the back of the car” (車の後部)
- 動詞の例: “to back up” (後退する、バックアップする)
- 副詞の例: “go back” (戻る)
- 名詞の例: “the back of the car” (車の後部)
CEFRレベル目安: A2(初級)
- 理由: 「back」は日常会話で非常によく使われる基本的な単語で、初級レベルから頻繁に登場します。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- back は元々古英語 “bæc” に由来し、背中や後ろを意味していました。
- 接頭語や接尾語がついて拡張されるケースはあまり多くありませんが、ほかの単語と組み合わせて “backbone” や “backyard” などの複合語ができあがります。
派生語や関連語
- backbone (名詞): 背骨、中心的な支え
- backyard (名詞): 裏庭
- backward (形容詞/副詞): 後方の、遅れた/後ろ向きに
- back-up (名詞/形容詞): 代替要員、バックアップ
- fallback (名詞): 代替策
10個のよく使われるコロケーション(共起表現)
- back door(裏口)
- back seat(後部座席)
- back yard(裏庭)
- back alley(裏通り)
- back row(後列)
- back burner(優先度を下げる対象 → “put on the back burner”)
- back pocket(ズボンの後ろポケット)
- back issue(雑誌などの既刊号)
- back streets(裏通り、下町の小道)
- back entrance(裏口、裏側の入り口)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の “bæc” が、中世英語で “back” となり、背や後部を表す意味を持つようになりました。
- 歴史的用途: 元々は名詞として「背中」を指す語でしたが、物事の後方を示す形容詞としても使われるようになりました。
- ニュアンス: 「後ろ側にある」だけでなく、時には「目立たない場所にある」「メインではない所にある」というイメージを含むことが多いです。カジュアルな文脈からフォーマルな文脈まで幅広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての位置: 修飾する名詞の前に置くのが基本。「back door」や「back seat」のように使います。
- 可算・不可算: 形容詞のため数えられる・数えられないは関係ありませんが、名詞 “back” として使う場合は可算・不可算の両方の用法がありえます。
構文例:
- “He walked through the back entrance.”
- “Please sit in the back row.”
- “He walked through the back entrance.”
フォーマル/カジュアル: 基本的にどちらでも使われますが、特別にかしこまった表現というわけではないので、日常・ビジネス・公的文書など幅広いシーンで使われます。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Could you grab the snacks from the back seat?”
(後部座席からおやつを取ってくれる?) - “I left the keys at the back door.”
(鍵を裏口に置き忘れちゃった。) - “We can have a small party in the back yard.”
(裏庭で小さなパーティを開けるよ。)
ビジネス (ややフォーマル)
- “Make sure to check the back entrance for any deliveries.”
(裏口に荷物が届いていないか確認してください。) - “Our office has a back-up generator in case of power outages.”
(停電時に備えて、我々のオフィスにはバックアップ用の発電機があります。) - “Could you place these archives on the back shelf?”
(これらのアーカイブを奥の棚に置いてもらえますか?)
学術的・専門的 (フォーマル寄り)
- “The researcher stored the specimens in the back room of the laboratory.”
(研究者は標本を研究室の奥の部屋に保管した。) - “Please review the back issues of the journal for previous studies.”
(これまでの研究については、その学術誌の既刊号を確認してください。) - “The back pages of the publication contain supplementary materials.”
(その刊行物の末尾ページには付録資料が含まれています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- rear (形容詞)
- 「後部の」という意味。ややフォーマルな印象。
- 例: “rear door” (後部ドア)
- 「後部の」という意味。ややフォーマルな印象。
- behind (前置詞/副詞/形容詞的用法)
- 基本的に「後ろにいる状態」を表すが、形容詞としてよりは副詞や前置詞で使われることが多い。
- 基本的に「後ろにいる状態」を表すが、形容詞としてよりは副詞や前置詞で使われることが多い。
- posterior (形容詞)
- 「後部の」という意味。医学や生物学などの学術的文脈で多用。
反意語
- front (形容詞)
- 「前方の」「表側の」という意味。
- 例: “front door” (表口)
- 「前方の」「表側の」という意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /bæk/
- アクセント: 一音節なので特に強勢箇所の移動はありません。語頭の “b” をはっきり発音し、母音の “æ” は口を大きめに開けて短く発音します。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語のほうが “æ” をやや広く発音する傾向があります。
- よくあるミス: “buck” (/bʌk/) と混同しないように、「ア」に近い音で発音する点に注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bak” と書いてしまうミスに注意。必ず “back” と “c” を入れる。
- 同音異義語との混同: 同音異義語はほとんどありませんが、アクセントの違いによる “bag” (/bæg/) との混同に注意。
- 試験での出題傾向: TOEIC や英検など日常的な英語を問う試験では、前置詞や副詞の “back” との使い分けが出題される場合もあります。たとえば “go back” と形容詞 “back door” の違いを正しく理解しているかが問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “back” は、「背中」「奥」「裏」というイメージを常に思い浮かべると理解しやすくなります。
- “backpack” (バックパック) を思い出すと、荷物を「背負う」イメージ=後ろにあるイメージをリンクさせることで覚えやすいでしょう。
- 書き取り練習では、“b-a-c-k” と口に出しながら、「背中」をポンポンと叩くようなイメージで習得すると定着しやすくなります。
以上が形容詞の “back” についての詳しい解説です。「何かの後ろ側にある」という意味を軸に、会話からビジネスシーンまで幅広く使えるので、ぜひ覚えて活用してください。
意味のイメージ
意味(1)
《名詞の前にのみ用いて》後ろの,後部にある,裏の
意味(2)
後もどりする,逆の
意味(3)
遅れている,未払いの
意味(4)
(中心から)遠い,へんぴな,奥地の
意味(5)
(音声が)後舌音の