focus on

1. 基本情報と概要

単語・表現: “focus on”

品詞: 句動詞 (phrasal verb: focus + 前置詞 on)

意味 (英語): to give a lot of attention to one particular subject or thing

意味 (日本語): ひとつの特定の物事や話題に意識や注意を集中させること

「focus on」は「あるテーマや対象に意識を集中する」というニュアンスの表現です。使う場面としては、何かに専念したり、注目点をはっきりさせたいときに用いられます。日常会話では「今この点に集中しよう」というときに「Let’s focus on this point.」のように使われます。

活用形:

• “focus on” は句動詞のため、他の動詞のように時制によって形が変化するわけではありません。ただし、「focus」の部分は動詞として以下のように変化します。
  
  
  
  • 現在形: focus
    
  
  
  • 過去形: focused
    
  
  
  • 過去分詞: focused
    
  
  
  • 現在分詞: focusing
    
  
  

他の品詞形:

• 名詞形: “focus” (例: “The main focus of today’s meeting is budget cuts.”)
  

CEFRレベル目安: B2（中上級）

日常会話だけでなく、学術的やビジネスの場面でも広く使われますが、熟達度としてはやや中上級のレベルに位置します。

2. 語構成と詳細な意味

• focus: 中心・焦点を意味する単語
  


• on: 前置詞として、「〜に向かって」「〜に対して」のニュアンスを付与する

「focus on」は「（話題や興味を）ある対象に向ける、集中させる」という意味合いで、日常会話や学術的議論など、幅広い場面で使われます。

よく使われるコロケーション（共起表現）・関連フレーズ 10選

1. focus on the problem – 問題に集中する
   


2. focus on details – 細部に注意を向ける
   


3. focus on results – 結果に注目する
   


4. focus on quality – 品質にフォーカスする
   


5. focus on the customer – 顧客に重点を置く
   


6. stay focused on – (状態を保って) 集中し続ける
   


7. shift focus onto – フォーカスを(別のもの)に移す
   


8. narrow your focus on – (対象を絞って) 集中する
   


9. focus on core values – 中核となる価値観に集中する
   


10. laser-focus on – レーザーのように一点集中する（強調的表現）

3. 語源とニュアンス

• 語源: 「focus」はラテン語の “focus” (かまど、炉) に由来し、「中心となる場所」という意味が派生してきました。そこから「視点の中心」「注意の的」として英語に取り入れられました。
  


• ニュアンス: 一点集中を意味し、特定の対象に向けて意識を集めるイメージがあります。カジュアルな会話でもフォーマルなビジネス文書でも広く使える表現です。ただし、フォーマルな文章で「concentrate on」の方が好まれる場合もあります。

4. 文法的な特徴と構文

• 文法上のポイント:

  
  
  1. 他動詞的に目的語をとる場合は必ず “on + 目的語” という形になる。
     
     
     
     • 例: “He needs to focus on his studies.”
       
     
     
  
  
  2. 名詞としての “focus” は可算名詞としても使われるが、抽象的に「焦点」という意味で使われる際には不可算的にも扱われることがある。
     
     
     
     • 例: “He has a clear focus.” (可算) / “He needs more focus.” (不可算)
       
     
     
  
  



• 一般的な構文例:

  
  
  • “Focus on + (名詞/代名詞)”
    
  
  
  • “Focus on + V-ing + (名詞)”: “Focus on improving your English skills.”
    
  
  



• 口語/文章表現:

  
  
  • 口語でもビジネスライクな文書でも普通に使われます。硬い文書では「concentrate on」を使う場合も。
  
  

5. 実例と例文

(1) 日常会話での例文

1. “I need to focus on cooking dinner right now.”
   
   （今は夕食の準備に集中しなきゃ。）
   


2. “Let’s focus on what we can do instead of worrying.”
   
   （心配するより、何ができるかに集中しよう。）
   


3. “Could you please focus on driving? We’re almost there.”
   
   （運転に集中してくれる？ もうすぐ着くから。）

(2) ビジネスシーンでの例文

1. “Our team should focus on increasing customer satisfaction.”
   
   （私たちのチームは顧客満足度の向上に注力すべきです。）
   


2. “We need to focus on reducing costs next quarter.”
   
   （次の四半期はコスト削減に焦点を当てる必要があります。）
   


3. “Let’s focus on the most urgent tasks first.”
   
   （最も緊急のタスクをまずは優先的に進めましょう。）

(3) 学術的・研究シーンでの例文

1. “In this study, we will focus on the correlation between X and Y.”
   
   （本研究では、XとYの相関関係に注目する。）
   


2. “The paper focuses on the impact of climate change on polar regions.”
   
   （この論文は、気候変動が極地地域に与える影響に焦点を当てている。）
   


3. “Researchers are increasingly focusing on data-driven approaches.”
   
   （研究者たちはデータ駆動型の手法にますます注目している。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. “concentrate on” – （～に集中する）
   
   
   
   • 「focus on」と使い方はほぼ同じですが、ややフォーマルで学術的文脈で好まれることもあります。
     
   
   


2. “pay attention to” – （～に注意を払う）
   
   
   
   • 「聞き逃さないように気を配る」といったニュアンスが強い。
     
   
   


3. “center on” – （～を中心とする）
   
   
   
   • テーマや話題の「中心に据える」感じ。やや文語的な印象。
   
   

反意語

• 明確な反意語はありませんが、「divert attention」（気を散らす）、「ignore」（無視する）などが逆の概念として挙げられます。

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /ˈfoʊkəs ɑːn/ (米), /ˈfəʊkəs ɒn/ (英)
  
  
  
  • “focus” の第一音節 “fo-” /ˈfoʊ/ (米) /ˈfəʊ/ (英) に強勢があります。
    
  
  


• アメリカ英語: [フォウカス オン]
  


• イギリス英語: [フォウカス オン]（“o”の部分がやや「オウ」より「オウ/əʊ」になる感覚）
  


• よくある間違い: /foˈkus/ のように「クス」にアクセントを置いてしまうこと。または “foucus” のように綴りを間違えること。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス: “focus” を “foucs” と書いてしまう間違いが多いです。
   


2. 前置詞の誤用: “focus in” や “focus to” と間違えてしまうが、正しくは “focus on”。
   


3. 語尾の “-s” の有無: 単数・三人称単数形の動詞の場合は “He focuses on …” のように “focuses” と書く。
   


4. 試験対策: TOEIC や英検などでも「集中する」という表現として「focus on」は重要語彙としてよく出題されます。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「フォーカス（カメラのピント）+ on（そこに狙いを定める）」というイメージ： カメラのピントを合わせるように一つの対象に視線を集める感覚で覚えるとよいでしょう。
  


• スペリングのコツ: “focus” は “o” と “u” が逆転しないように、“fo + cus” と分けて覚えるとミスが減ります。
  


• イメージ: 「光を一点に集める虫眼鏡」のビジュアルを思い浮かべると、「focus on」のニュアンスが理解しやすいです。

以上が “focus on” の詳細解説です。何かに集中したいときや、話題を一つに絞りたいときに、ぜひ使ってみてください。