元となった辞書の項目
owing to
解説
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): owing to
品詞: 前置詞(句)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常会話やビジネスのやや複雑な英語表現に対応できるレベル
意味(英語)
“owing to” means “because of” or “due to”, indicating the reason or cause of something.
意味(日本語)
「owing to」は「〜が原因で」「〜のために」「〜のおかげで」という意味を持つ前置詞句です。主に理由や原因を示すときに使われます。フォーマルな文書でもよく用いられる表現で、「because of」や「due to」に近いニュアンスですが、少し文章調でかしこまった響きがあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「owing」(動詞 “owe” の現在分詞形) + 前置詞的要素「to」
動詞 “owe” の意味
- owe (動詞): 「〜に借りがある」「〜に恩がある」「〜を〜に負っている」など
- 例: “I owe him a favor.” (彼には借りがある)
“owing to” は「上記 owe の概念が背景にあって、感謝や原因の“負っている”を示す + to」というイメージですが、現在はもっぱら「〜のために」「〜のせいで」という原因を示す表現として定着しています。
派生表現・関連単語
- owe (v) → owing (現在分詞)
- due to
- because of
よく使われるコロケーション(10個)
- owing to a mistake(ミスが原因で)
- owing to the heavy rain(大雨のために)
- owing to the delay(遅延のせいで)
- owing to unexpected circumstances(予想外の事情により)
- owing to financial difficulties(財政的な困難のため)
- owing to traffic congestion(交通渋滞のせいで)
- owing to the new policy(新しい方針のために)
- owing to the lack of evidence(証拠不足のため)
- owing to his hard work(彼の熱心な努力のおかげで)
- owing to the COVID-19 outbreak(新型コロナウイルスの発生により)
3. 語源とニュアンス
- “owe” は古英語 “āgan” (所有する) に由来し、義務や負担を意味するようになりました。その派生形 “owing” は「〜を負っている状態」を示すため、結果として「〜が原因で(負う形)」というニュアンスを持つようになりました。
- “owing to” はフォーマルな文脈や文書でよく使われます。会話でも使うことはありますが、“because of” や “due to” のほうがくだけた場面では一般的です。
- 感情的な響きよりは事実や状況を淡々と説明するニュアンスが強いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 前置詞(句)の働き: “owing to + 名詞(句)” で「〜が原因で」「〜のために」という意味を構成します。
- 使用上のポイント:
- 文頭でも文中でも使用可能です。
- “due to” と「ほぼ同じ使い方」ですが、“owing to” のほうがややフォーマルに聞こえます。
- 文頭でも文中でも使用可能です。
一般的な構文例
- Owing to + 名詞(句), 主語 + 動詞…
- 主語 + 動詞… owing to + 名詞(句)
例:
- “Owing to the heavy snow, the flight was canceled.”
- “The flight was canceled owing to the heavy snow.”
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Owing to my schedule, I can’t join the party this weekend.”
- (スケジュールの都合で、今週末のパーティには参加できません。)
- (スケジュールの都合で、今週末のパーティには参加できません。)
- “Owing to a power outage, we had to eat dinner by candlelight.”
- (停電のせいで、ロウソクの明かりで夕食をとらなければなりませんでした。)
- (停電のせいで、ロウソクの明かりで夕食をとらなければなりませんでした。)
- “Owing to a sudden change in weather, let’s stay indoors today.”
- (天気の急変のせいで、今日は家の中にいましょう。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Owing to unforeseen circumstances, the meeting has been postponed.”
- (予期せぬ事情により、ミーティングは延期となりました。)
- (予期せぬ事情により、ミーティングは延期となりました。)
- “Our profits declined owing to increased competition.”
- (競合が増えたために、私たちの利益は減少しました。)
- (競合が増えたために、私たちの利益は減少しました。)
- “Owing to budget constraints, we have to reduce our marketing expenses.”
- (予算の制約のために、マーケティング経費を削減しなければなりません。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “Owing to the limited sample size, the results of this study may not be conclusive.”
- (サンプル数が限られているため、この研究結果は決定的なものではない可能性があります。)
- (サンプル数が限られているため、この研究結果は決定的なものではない可能性があります。)
- “The theory gained credibility owing to additional experimental data.”
- (追加の実験データによって、その理論は信頼性を高めました。)
- (追加の実験データによって、その理論は信頼性を高めました。)
- “Owing to ethical considerations, the research was conducted under strict supervision.”
- (倫理的な考慮のため、研究は厳重な管理下で行われました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- due to(〜が原因で)
- “The flight was canceled due to the heavy snow.”
- “due to” と “owing to” はほぼ同じ意味。やや “due to” のほうが口語的にも使われやすい。
- “The flight was canceled due to the heavy snow.”
- because of(〜のせいで)
- “Because of the heavy snow, the flight was canceled.”
- さらに口語的でカジュアル。
- “Because of the heavy snow, the flight was canceled.”
- on account of(〜が理由で)
- “On account of his injury, he couldn’t participate.”
- ややフォーマル〜文語調。
- “On account of his injury, he couldn’t participate.”
反意語
「原因」の反意語に該当する表現は明確にはありませんが、文脈で「むしろ〜のおかげで」などを表現したい場合は “thanks to” を使うこともあります。
- 例: “Thanks to his help, we finished on time.”(彼の助けのおかげで、時間どおりに終わった。)
7. 発音とアクセントの特徴
- アメリカ英語発音: [ˈoʊ.ɪŋ tuː]
- イギリス英語発音: [ˈəʊ.ɪŋ tuː]
強勢の位置
- “owing” の “ow” の部分が強調されます。
- “to” は短く発音され、あまり強勢は置かれません。
よくある発音の間違い
- “owing” を “owing” ではなく “owning” と濁らせたり、別の単語 “owning”(所有すること)と混同しないように注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “ow*ing” の部分を “owe*ing” と間違える。
- “owing to” と “due to” はほぼ同義ですが、文法書によっては使い分けを厳密に指示する場合もあります。試験英語でもフォーマルな理由表現として覚えておくと便利です。
- TOEICや英検などの資格試験で、原因・理由を示す前置詞句を選ぶ問題に出る場合があります。“owing to” や “due to” を含む選択肢の中で文脈に合ったものを選べるようにしておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「owe」から来ている → 「貸し借り」から「原因を負っている(=理由)」イメージ
- “Owning” ではない → “owe” に注目してスペルを固定する。
- because of / due to / owing to → いずれも「理由・原因」を示すが、”owing to” はややフォーマルで文書にも適する。
“owing to” は「借りている(owe)+…のせいで(to)」という連想で、何かが「影響を受けているイメージ」を持つとわかりやすいでしょう。文法・語彙問題の対策として、「目的や理由」を表す前置詞句として一緒に覚えておくと便利です。
意味のイメージ
意味(1)
《ややかたく》...のために, ...が原因で