元となった辞書の項目
stand up
解説
以下では、「stand up」という表現について、学習者の方にもわかりやすいようにできるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
単語(表現): stand up
品詞: 句動詞 (phrasal verb) / 慣用表現
CEFRレベルの目安: A2(初級)〜B1(中級)
- 「stand」は「立つ」、「up」は「上へ」というニュアンスを持ちます。そのため「stand up」は「立ち上がる」という意味が基本ですが、文脈によっては比喩的な意味も持ちます。
- 「「立ち上がる」という動作はもちろん、比喩的に「立ち向かう」「(主張などが)通用する」といった意味でも用いられます。主に会話や文章の両方でよく使われる表現です。
活用形
- 動詞は「stand」の変化を受けますが、句動詞の「stand up」は分離しない場合と分離する場合、両方があります。
- 現在形: stand up
- 過去形: stood up
- 過去分詞形: stood up
- 現在分詞形: standing up
- 現在形: stand up
他の品詞例
- stand (動詞): 立っている
- stand (名詞): 屋台・立ち場・立場(意見)など
- stand-up (形容詞): スタンドアップの、立った状態で行う (例: stand-up comedy, stand-up meeting)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- stand: 「立つ」を意味する動詞。古英語の “standan” に由来。
- up: 「上へ」「上方へ」という意味を持つ副詞/前置詞。
詳細な意味
- 立ち上がる (基本的な動作)
例: “Please stand up when the teacher enters the room.” - (比喩的に)立ち向かう、抵抗する
例: “We should stand up for our rights.” - (意見や主張が)有効である、通用する、崩れない
例: “Will this argument stand up in court?”
よく使われるコロケーション・関連フレーズ10選
- stand up for someone/something (〜のために立ち向かう)
- stand up to someone (〜に対抗する、〜に立ち向かう)
- stand up in court (法廷で通用する)
- stand up well (よく耐える・長持ちする)
- stand-up comedy (スタンドアップ・コメディ)
- stand up tall (背筋を伸ばして立つ)
- stand up and be counted (声を上げる、はっきりと意見を述べる)
- stand up (someone) (デートなどですっぽかす) ※「He stood me up.」
- stand up meeting (立ったまま行うミーティング)
- stand up to scrutiny (厳しく調べられても崩れない)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「stand」は古英語“standan”にさかのぼります。人が立ち上がる基本動作から、比喩的に「支える」「耐える」のような広い意味を派生してきました。
- 「up」は上方向を表す副詞/前置詞で、「立つ」という意味に付加されて「起き上がる」「上方へ動く」といったニュアンスが加わっています。
使用時の注意点・ニュアンス
- 「stand up」は日常会話でもよく使われる、カジュアルな表現です。 ただし、「stand up in court」のようにフォーマルな文脈でも「(証拠・主張などが)有効である」という意味で使われます。
- 「stand up for 〜」のように、「〜のために立ち向かう」といった強い意志や応援のニュアンスを含むことも多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞としての用法
- “Please stand up.”
→ 「立ち上がる」の動作にフォーカスしており、目的語を取らない。
- “Please stand up.”
- 他動詞的に目的語を取る時
- “He stood her up.”
→ デートの約束などをすっぽかす意味。「彼は彼女を(デートで)すっぽかした。」
- “He stood her up.”
- 比喩表現
- “stand up for one’s rights” (自分の権利を守る)
- “stand up to bullying” (いじめに対抗する)
- “stand up for one’s rights” (自分の権利を守る)
フォーマル/カジュアル
- カジュアル: “Stand up, please.” / “He stood me up yesterday!”
- フォーマル: “His argument may stand up in a court of law.”
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)例文
- “I can’t believe you just stood me up last night!”
(昨日すっぽかすなんて信じられない!) - “Please stand up when you greet the guests.”
(お客さんにあいさつするときは立ち上がってね。) - “I stood up too quickly and almost fell over.”
(急に立ち上がって、倒れそうになった。)
ビジネスシーン例文
- “We usually have a stand-up meeting every Monday morning.”
(私たちは毎週月曜の朝にスタンドアップミーティングを行います。) - “The proposal may stand up to further scrutiny by the board.”
(その提案は取締役会の精査にも十分耐えうるでしょう。) - “Be prepared to stand up for your ideas during the presentation.”
(プレゼンでは自分のアイデアをしっかり守る準備をしてください。)
学術的/フォーマル例文
- “This evidence might not stand up in court without additional proof.”
(追加の証拠がなければ、この証拠は法廷で通用しないかもしれません。) - “His theory continues to stand up despite recent criticisms.”
(最近の批判にもかかわらず、彼の理論は依然として通用しています。) - “In historical context, certain beliefs did not stand up over time.”
(歴史的観点で見ると、ある信念は時代を経て通用しなくなりました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- get up (起き上がる)
- 「寝ている/座っている状態から立ち上がる」の意味。“I got up from the chair.”
- 「stand up」と似ているが、主に座っている・横になっている状態から起きる動作を強調。
- 「寝ている/座っている状態から立ち上がる」の意味。“I got up from the chair.”
- rise (上昇する、立ち上がる)
- 文語的・フォーマルに「上がる」「昇る」イメージ。
- 文語的・フォーマルに「上がる」「昇る」イメージ。
- face up to (立ち向かう)
- 「困難や現実などに直面して受け止める」という意味合い。
- 「困難や現実などに直面して受け止める」という意味合い。
- defend (守る)
- 「弁護する」「防御する」のニュアンスが強い。
反意語
- sit down (座る)
- 文字通り、「立ち上がる」の反対の動作。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˌstænd ˈʌp/
- “stand”: /stænd/
- “up”: /ʌp/
- “stand”: /stænd/
- アクセント:
- “stand”の “a” は「短いア」(æ)の発音。
- “up”の “ʌ” はやや開け気味の「ア」。
- “stand”の “a” は「短いア」(æ)の発音。
- アメリカ英語とイギリス英語:
- 大きな違いはないが、イギリス英語の “stand” がやや短く鋭い発音になることが多い。
- 大きな違いはないが、イギリス英語の “stand” がやや短く鋭い発音になることが多い。
- よくある間違い:
- 「スタンド アップ」ではなく「スタン ダップ」に近い音になることが多い点。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- つづりの間違い: 「stand」の“a”を “u”と書いてしまうなど。
- 意味の混同: “He stood me up.” と聞いて「彼は私の前に立ち上がった」と勘違いしがちだが、ここでは「すっぽかす」という意味になる。
- 同音異義表現: “stand up” と “stand upon” など、前置詞/副詞が変わると意味が変化する。
- 試験(TOEIC・英検など)対策:
- Phrasal verb対策として、「stand up for / stand up to / stand up (someone)」などの用法の違いを覚えることが多い。
- 会話問題でも「約束をすっぽかす」の意味が問われやすい。
- Phrasal verb対策として、「stand up for / stand up to / stand up (someone)」などの用法の違いを覚えることが多い。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「stand up」は「立って上がる」イメージをまず押さえると、他の派生的な意味が理解しやすくなります。
- 「みんなのために立ち上がる」=「support / defend」のように、物理的な動作から精神的な「立ち向かう」イメージへと広げると覚えやすいです。
- 「up」の持つ「上へ」「より高い次元へ」というイメージを意識すると、比喩表現にもつながります。
以上が「stand up」についての詳しい解説です。「立ち上がる」ことから、守るべきものに「立ち向かう」という意味まで、多彩な使い方をする便利な表現です。ぜひ日常会話やビジネスシーン、さらにはフォーマルな文章でも活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
【句動】立ち上がる
意味(2)
表明する,堂々と言う,《~ to ...》《...に》恐れず立ち向かう