元となった辞書の項目
closure
解説
以下では、英単語「closure」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: closure
品詞: 名詞 (countable, uncountable どちらの場合もあります)
意味 (英語)
- The act or process of closing something.
- A feeling of finality or resolution, especially after an emotional or traumatic experience.
意味 (日本語)
- 何かを閉じること、または閉まること。
- 特に感情的な経験やトラウマを乗り越え、整理がついた状態、完結した感覚。
「closure」は、物理的に扉や会議などを「終わりにする」「閉じる」行為や状態を表すだけでなく、感情面や心理面で「けじめをつける」「気持ちの整理がつく」といったニュアンスでも使われる単語です。悲しみや後悔に区切りをつけるときに「I need closure.(心の整理が必要だ)」などと言ったりします。
- 活用形: 名詞につき、形そのものは変化しません (複数形:closures)。
- 他の品詞例: close(動詞/形容詞), closely(副詞), closure(名詞)など
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 新聞やニュース、ビジネス関連でも登場するが、初級学習者には少し抽象的かもしれません。中上級以上で使いこなしやすい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: clos(e)
- ラテン語 “claudere”(閉じる)に由来
- ラテン語 “claudere”(閉じる)に由来
- 接尾語: -ure
- 物事や行為の結果としての状態を表す接尾語
他の単語との関連性
- close (動詞): 「閉じる/近い」
- enclose: 「同封する/囲む」
- disclosure: 「開示、暴露」(dis- が否定ではなく「離す/分離」の接頭語として働き、情報を外へ「出す」ニュアンス)
- foreclosure: 「差し押さえ(すること)」(for- は「前へ」「先に進む」の接頭語で、特に法律や金融の文脈で使われる)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ (10個)
- “achieve closure” → 「整理をつける、完全に終結する」
- “gain closure” → 「心の区切りを得る」
- “seek closure” → 「心の整理を求める」
- “provide closure” → 「区切りを与える、決着をつける」
- “closure of a business” → 「事業の閉鎖」
- “road closure” → 「道路の通行止め」
- “factory closure” → 「工場の閉鎖」
- “closure meeting” → 「最終打ち合わせ会議」
- “closure due to circumstances” → 「何らかの事情による閉鎖(中止)」
- “lack of closure” → 「決着がつかない状態、もやもやした状態」
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の “claudere”(閉じる)を起源とし、フランス語“clôture”を経て英語に取り入れられたといわれています。
- 歴史的用法: もともとは物理的に「閉鎖」される状態を指していましたが、現代では心理的・精神的に「完結すること」という意味合いでよく使われます。
- ニュアンスと使用時の注意点:
- 感情面で使うときは「けじめをつける」のようなニュアンスが強いです。
- ビジネスやカジュアル、どちらの場面でも使われますが、ややフォーマルな響きもあるため、かしこまった文脈でも通用します。
- 感情面で使うときは「けじめをつける」のようなニュアンスが強いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(countable/uncountable)
- 「a closure」(具体的な閉鎖・終了案件を指す)
- 「closure」(抽象的な概念、不可算的に用いる場合も多い)
- 「a closure」(具体的な閉鎖・終了案件を指す)
- 一般的な構文例
- “Closure is needed for everyone involved.” (抽象名詞として)
- “They announced the closure of the plant.” (具体的な事柄として)
- “Closure is needed for everyone involved.” (抽象名詞として)
- イディオム・表現
- “bring something to closure”: 「何かを終結させる」
- “find closure”: 「気持ちに整理がつく」
- “bring something to closure”: 「何かを終結させる」
フォーマル・カジュアルの使い分け
- フォーマル: “The committee reached closure on the issue.”
- カジュアル: “I just need some closure.”
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I’m still upset about the breakup. I need some closure.”
- 「別れのことをまだ引きずっているんだ。気持ちの整理をしたいよ。」
- 「別れのことをまだ引きずっているんだ。気持ちの整理をしたいよ。」
- “After I talked to him, I finally found closure.”
- 「彼と話し合って、ようやく気持ちの区切りがついたんだ。」
- 「彼と話し合って、ようやく気持ちの区切りがついたんだ。」
- “Can we talk about what happened? I think it’ll give us closure.”
- 「この前のことについて話し合わない? きっとお互い気持ちがすっきりすると思う。」
ビジネス (ややフォーマル)
- “The CEO announced the closure of three branches due to budget cuts.”
- 「社長は予算削減のため、3つの支店を閉鎖すると発表した。」
- 「社長は予算削減のため、3つの支店を閉鎖すると発表した。」
- “We need to bring closure to this project by the end of the month.”
- 「今月末までにこのプロジェクトを完了させる必要があります。」
- 「今月末までにこのプロジェクトを完了させる必要があります。」
- “Let’s schedule a final meeting to achieve closure on the new policy changes.”
- 「新方針の変更について、最終確認会議を設定して結論を出しましょう。」
学術的 / 公的文脈
- “The research paper calls for closure regarding ethical concerns before publication.”
- 「その研究論文は、出版前に倫理面の懸念を解決する必要性を述べている。」
- 「その研究論文は、出版前に倫理面の懸念を解決する必要性を述べている。」
- “Official closure of the investigation was announced by the authorities.”
- 「当局により、その捜査は正式に打ち切られたと発表された。」
- 「当局により、その捜査は正式に打ち切られたと発表された。」
- “Psychologists emphasize the importance of closure in the grieving process.”
- 「心理学者は、悲嘆のプロセスにおける気持ちの整理の大切さを強調している。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- conclusion(結論)
- 「何かを終わらせる、結果としての結論」。ただし、「closure」よりも論理的・形式的要素が強い。
- completion(完成)
- 「作業やプロジェクトを完遂すること」。純粋に「終わりまでこなした」ことを指し、感情面での決着というよりは作業の完了イメージ。
- resolution(解決)」
- 「問題を解決して決着をつける」イメージで「closure」に近いが、より課題を解消するニュアンス。
反意語
- continuation(継続)
- 「続くこと、継続していること」。「終わる(closure)」の逆の概念。
- 「続くこと、継続していること」。「終わる(closure)」の逆の概念。
- inception(開始、発端)
- 「始まり」を示す単語で、「閉鎖」「終わり」の対極にある。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /ˈkloʊ.ʒɚ/
- イギリス英語: /ˈkləʊ.ʒə/
- アメリカ英語: /ˈkloʊ.ʒɚ/
- アクセント: 英語では最初の音節 “clo-” に強勢を置きます。
- よくある間違い: “clo-sure” の “-sure” を /ʃər/ や /ʒər/ と曖昧に発音しないよう注意。また、アメリカ英語とイギリス英語で母音の質に少し違いがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “closure” は“closer” (より近い) と間違えやすいです。
- 同音異義語的ミス: “closer”(形容詞・比較級)と混同しないように注意してください。発音もニュアンスも異なります。
- 試験対策: TOEICや英検などのリスニングやリーディングセクションで、文脈から「心理的な決着」か「物理的な閉鎖」かを判断する問題が出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “close” + “-ure” = (何かを閉じる行為や状態) → 「終わり・締めくくり」と関連付けると覚えやすいです。
- スペルの語尾は “-sure” と覚える(“-ure”の一種)。「secure(安全な)」や「ensure(確実にする)」などと同じ “-ure” 仲間をイメージするのも手です。
- 感情面で “closure” は「これ以上引きずらないためのドアをパタンと本当に閉める」イメージがあると覚えやすいでしょう。
以上が名詞「closure」の詳細な解説です。物理的な「閉鎖」と心理的な「区切り」の両方の意味があるのがポイントで、日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できます。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉閉鎖;閉店,休業
意味(2)
〈C〉《英》=cloture
意味(3)
〈U〉終止,終局