parallel
以下では、英単語 parallel
をできるだけ詳しく解説します。マークダウン表記で読みやすくまとめています。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
parallel
(adj.): being side by side and having the same distance continuously between them.
→ 「平行の、並行の、類似(対応)した」という意味の形容詞です。
例えば、数学で「平行線」と言うときに使い、また何かに「類似した動き」や「同時に起こる状況」を表すときにも使われます。parallel
(noun): something that is similar or analogous to something else; a line parallel to another line.
→ 「平行なもの」「類似するもの」の意味の名詞です。「相似点」を指す場合にも使われます。parallel
(verb): to be similar to something; to happen or exist at the same time or in a similar way.
→ 「~と平行する」「~と似通っている」という意味の動詞です。
品詞と活用形
形容詞 (adjective) → parallel / more parallel / most parallel
- 形容詞の場合、比較級や最上級を作ることはあまりありませんが、理屈上は可能です。
名詞 (noun) → parallel / parallels (複数形)
- 例: The parallels between these two stories are striking.
(これら2つの物語の類似点は顕著です。)
- 例: The parallels between these two stories are striking.
動詞 (verb) → parallel / parallels / paralleling / paralleled
- 例: This river parallels the highway.
(この川は高速道路に平行して流れています。)
- 例: This river parallels the highway.
他の品詞での例
- 副詞 (rare usage): parallely (まれに使われる形ですが、あまり一般的ではありません)
難易度 (CEFR レベル)
- B2 (中上級)
ある程度英語に慣れた学習者が、比喩的・抽象的な意味や専門的な文脈で学ぶ語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語 (prefix): なし
- 語幹 (root): 「parallel」
- 古代ギリシャ語の「parallēlos(並んでいる、平行の)」に由来します。
- 古代ギリシャ語の「parallēlos(並んでいる、平行の)」に由来します。
- 接尾語 (suffix): なし
派生語や類縁語
paralleled
(動詞の過去形 / 過去分詞形)parallelism
(名詞) 「平行関係、並行性、類似性」
コロケーション(よく使われる共起表現) 10選
- parallel lines → 平行線
- draw a parallel → 類似点を指摘する
- parallel universe → 平行世界(パラレルワールド)
- run in parallel → 同時進行する・平行して動く
- parallel structure → 平行構造 (文法・論理構造で)
- in parallel with X → Xと並行して/同時に
- parallel processing → 並列処理
- find a parallel → 類似点を見つける
- a close parallel → ごく近い類似点
- parallel paths → 並行する道筋・アプローチ
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の
parallelus
→ 古代ギリシャ語のparallēlos
(παράλληλος)
- 「para-(そばに)」 + 「allēlōn(互い)」の組み合わせで、「互いにそばにある」→「平行している」を意味しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「平行」の幾何学的な意味のほか、比喩的表現として「(2つのものの)類似性」「同時に起こる現象」を指すときにも使われます。
- カジュアルな会話でも「parallel universe(パラレルワールド)」のように使うことがありますが、論理的・フォーマルな文脈でも「There is a parallel between A and B.」(AとBには類似点がある)のように使われます。
- 文章でも会話でも、広く使われる語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として使う場合
- 例: Two roads are parallel.(2本の道は平行している)
- 形容詞の場合、後ろに名詞を伴うこともあります (parallel lines)。
- 例: Two roads are parallel.(2本の道は平行している)
- 名詞として使う場合
- 例: There is a parallel between these two cases.(この2つの事例には類似点がある)
- 可算名詞として扱われることが多い。
- 例: There is a parallel between these two cases.(この2つの事例には類似点がある)
- 動詞として使う場合 (他動詞)
- 例: The new policy parallels the previous strategy.(新しい方針は以前の戦略に似通っている)
- 「~と似通う」「~に平行する」という意味で目的語を必要とする。
- 例: The new policy parallels the previous strategy.(新しい方針は以前の戦略に似通っている)
イディオム
- draw a parallel (between A and B): AとBとの類似点を引き出す
- in parallel: 平行して、同時に
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
These two roads look parallel, but they actually meet far ahead.
(この2本の道は平行に見えるけど、実はずっと先で交わるんだよ。)I’ve been running my personal project in parallel with my job.
(仕事と同時並行で、自分のプロジェクトを進めているよ。)Let's not draw a parallel between our situations; they’re quite different.
(私たちの状況を同じだと捉えるのはやめましょう。かなり違うからね。)
(B) ビジネスシーンでの例文
We need to run these marketing campaigns in parallel to maximize exposure.
(最大限に露出を高めるため、これらのマーケティングキャンペーンを同時に進行させる必要があります。)His project closely parallels ours, so collaborating could be beneficial.
(彼のプロジェクトは私たちのと非常に似通っているので、協業することで利益につながるかもしれません。)It’s useful to draw a parallel between last quarter’s data and this quarter’s performance.
(前期のデータと今期の業績の類似点を比較することは有益です。)
(C) 学術の文脈での例文
The study draws a parallel between these historical events and modern social movements.
(その研究は、これらの歴史的出来事と現代の社会運動の類似点を導き出しています。)Parallel processing is essential in modern computing to handle large-scale data.
(大規模データを扱うためには、現代のコンピューティングで並列処理が不可欠です。)This linguistic phenomenon runs parallel with cultural shifts in the region.
(この言語現象は、その地域における文化的変化と同時並行して起こっている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- similar(類似の)
- parallel は特に「平行している・同時に存在している」というニュアンスがあり、similar は漠然と「似ている+」の意味。
- parallel は特に「平行している・同時に存在している」というニュアンスがあり、similar は漠然と「似ている+」の意味。
- analogous(類似した)
- academicな文脈でよく使う。「構造的に類似している」というニュアンスが強い。
- academicな文脈でよく使う。「構造的に類似している」というニュアンスが強い。
- comparable(比較できる)
- 「比較対象として適切である」という意味に近い。
反意語 (Antonyms)
- perpendicular(直交する)
- 幾何学的に 90 度で交わる場合に使う。
- 幾何学的に 90 度で交わる場合に使う。
- divergent(分岐する、異なる)
- 「平行にならない」「離れていく」という意味合い。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記
- アメリカ英語: /ˈpær.ə.lɛl/
- イギリス英語: /ˈpær.ə.lel/
- アメリカ英語: /ˈpær.ə.lɛl/
- アクセントは 最初の音節
par
に強勢が置かれます。 - 「パラレル」のように、日本語のカタカナ読みとやや似ていますが、英語では母音がはっきり区別される点に注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
paralell
とl
を二重に書き忘れる・間違えるケースが多い。正しくはparallel
です。 - 同音異義語は特にはありませんが、
parabellum
(拳銃弾の一種)など紛らわしい言葉で混同しないように注意。 - 試験対策: TOEIC・英検などで「図表の説明」や「データの比較」において “parallel” を使う表現が出題されやすいです。特に “draw a parallel” や “in parallel with” はビジネス英語でも頻出です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「パラレルワールド(parallel universe)」というSF的なイメージで覚えると楽しく覚えられます。
- スペルは「pa-ra-l-l-e-l」と、アルファベットが連続している2つの「l」に注目するとミススペルを防ぎやすいです。
- pa(ra) + ra(l) + l(e) + l →
parallel
- pa(ra) + ra(l) + l(e) + l →
- 物理的にも線が平行しているイメージ、比喩的には「似たような流れ」を表す言葉だと覚えておくと活用の幅が広がります。
以上が parallel
の詳細解説です。「平行」や「類似」という概念をイメージしやすく、論理的・比喩的にも幅広く使われる単語なので、ぜひ覚えて活用してみてください。
平行な,同じ方向の
対応する,同様な
(電気の接続が)並列の,並列接続の
〈C〉平行線(面)
〈C〉(…と)類似(匹敵)するもの(人);(…との)類似,対応(+to(with)+名》
(またparallel of latitude)UC〉偉[度]線
…‘に'平行している
〈二つ以上のもの〉‘を'平行に置く,平行にする
(…で)…‘と'対応する,‘に'匹敵する《+名+in+名(do*ing*)》