元となった辞書の項目
iron
解説
以下では、名詞としての「iron(アイアン)」を中心に解説していきます。
1. 基本情報と概要
英語表記: iron
品詞: 名詞 (noun)
日本語訳: 鉄、アイロン(衣類などを押しつけてしわを伸ばす道具)
鉄 (Fe) という金属のことを指す場合と、衣類をプレスするときの道具としての「アイロン」を指す場合があります。英語圏の日常でもよく聞かれる単語です。
「鉄」としての意味では、硬くて丈夫な金属を指し、「鉄の意志 (iron will)」のように、比喩的に「強い」「不屈の」といったニュアンスも出します。
「アイロン」として使われるときは、皆さんが普段シャツなどを伸ばすときに使う道具を示します。
難易度(CEFR レベル目安): A2(初級)
金属名としても道具名としても日常でよく使われるため、初級レベル(A2)程度で登場する単語です。
活用形・他の品詞形
- 名詞形: iron (単数)、irons (複数)
- 例:irons(「手錠」のように複数形で使われる場合もある)
- 例:irons(「手錠」のように複数形で使われる場合もある)
- 動詞形: to iron(アイロンをかける)
- 例:I need to iron my shirt.
- 例:I need to iron my shirt.
- 形容詞形: iron (iron determination のように「鉄の〜」=不屈の、頑固な)
- 例:He has an iron will.
- 例:He has an iron will.
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「iron」はラテン語やゲルマン語をルーツにもつ単語です。
接頭語・接尾語といった明確なパーツで分けられる言葉ではありませんが、
“ferrous(鉄の)”に共通する語源的要素が見られます。
関連する派生語や類縁語
- ironical / ironic (形容詞): 皮肉な(iron と langsung には語源上の直接なつながりは薄いですが、“irony” はギリシャ語由来で別系統)
- ironing (動名詞/形): アイロンがけ、アイロンがけの
- ferrous (形): 鉄を含んだ
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- cast iron → 鋳鉄
- iron ore → 鉄鉱石
- iron deficiency → 鉄分不足
- iron bar → 鉄の棒
- iron gate → 鉄門
- iron will → 鉄の意志(強い意志)
- ironing board → アイロン台
- pump iron → ウエイトトレーニングをする(俗)
- iron out wrinkles → しわを伸ばす
- iron rod → 鉄の棒(bar と近いが、rod は細長い棒を指す)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 英語の “iron” は古英語の “īren” に由来し、さらに古ドイツ語系・ゲルマン祖語をたどると “isarnan” などと関連があります。
- ラテン語の “ferrum”(鉄)とは別系統ですが、ヨーロッパ諸言語で似た発音の単語を持つところが多いです。
ニュアンス:
- 「堅い金属」「強靭さ」のイメージが強く、比喩的表現でも「強い意志」「決して曲がらない」のような印象を与えます。
- 「アイロン(衣類のしわを伸ばす道具)」の意味では、日常的でカジュアルな文脈でも使いやすい単語です。
使用されるシーン:
- 「鉄」としてはややフォーマルでもカジュアルでも使えます。学術分野(化学・物理)でも日常的に使います。
- 「アイロン(道具)」としてはごく日常的な会話に出てきます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算の違い:
- 「鉄」という物質としての iron は基本的に 不可算名詞 です。
- 「アイロン(道具)」としての iron は 可算名詞 で、複数形は irons となります。
例:I have two irons at home.(家に2つのアイロンがある)
- 「鉄」という物質としての iron は基本的に 不可算名詞 です。
- イディオム・熟語表現:
- “strike while the iron is hot” → 鉄は熱いうちに打て(好機を逃すな)
- “have several irons in the fire” → 複数の計画・仕事を同時に抱える
- “strike while the iron is hot” → 鉄は熱いうちに打て(好機を逃すな)
フォーマル/カジュアル:
- 「鉄」の意味では、フォーマルな文脈(論文やニュース)でもカジュアルでも幅広く使われます。
- 「アイロン(道具)」は基本的にカジュアルですが、ビジネスメールなどで「アイロンをかける」という表現が必要な場合にも堂々と使えます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Could you lend me your iron? My shirt is all wrinkled.”
(アイロンを貸してくれない? シャツがしわくちゃなんだ。) - “I need more iron in my diet, so I’m eating spinach.”
(食事からもっと鉄分を摂らなきゃいけないから、ほうれん草を食べてるんだ。) - “Don’t forget to iron your uniform before school.”
(学校に行く前に制服にアイロンをかけるのを忘れないでね。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Please iron your dress shirt for tomorrow’s conference.”
(明日の会議に向けてワイシャツにアイロンをかけてください。) - “We specialize in trading iron and steel in international markets.”
(当社は鉄鋼の国際取引を専門としています。) - “The factory processes iron ore to produce high-quality steel.”
(その工場は鉄鉱石を精製して、高品質の鋼を生産しています。)
(3) 学術・専門的な文脈での例文
- “Iron is essential for the formation of hemoglobin in red blood cells.”
(鉄は赤血球中のヘモグロビン形成に不可欠です。) - “The properties of iron change significantly when it is combined with carbon.”
(鉄は炭素と結合することで、性質が大きく変化します。) - “Researchers are studying iron nanoparticles for targeted drug delivery.”
(研究者たちは標的型ドラッグデリバリーのために鉄ナノ粒子を研究しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- steel(スチール、鋼)
- iron に炭素などを加えた合金。硬く錆びにくい特性がある。
- 「steel」は「鉄」とは異なり、より強度を高めたものを指す。
- iron に炭素などを加えた合金。硬く錆びにくい特性がある。
- metal(メタル、金属)
- 金属一般を指し、鉄だけを意味しないより広い範囲の語。
- 金属一般を指し、鉄だけを意味しないより広い範囲の語。
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、意味合いとして「non-metal」(非金属) は反対の分類となります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- イギリス英語 (UK): /ˈaɪən/
- アメリカ英語 (US): /ˈaɪɚn/ または /ˈaɪərn/
- イギリス英語 (UK): /ˈaɪən/
- 強勢(アクセント)の位置: 最初の音節 “I” の部分に強勢があります。
- 発音の注意点:
- スペリングは “iron” ですが、[r] が入るような音が省略気味になるため “アイアン” というカタカナ表記がそのまま通じないことが多いです。
- イギリス英語だと、r をほとんど発音しない /ˈaɪən/ に近い音になりやすいです。
- スペリングは “iron” ですが、[r] が入るような音が省略気味になるため “アイアン” というカタカナ表記がそのまま通じないことが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “irone” や “ion” と書いてしまう初学者がいます。
- 同音異義語との混同: “ion (イオン)” を書き間違える場合がありますが、発音もスペルも異なります。
- TOEIC・英検などでの出題傾向: 金属名・栄養素としての「iron」を理解しているか、または熟語 “strike while the iron is hot” を熟知しているかを問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アイアン」= ゴルフクラブでも同じ綴り → クラブが「鉄」でできていたことが始まりと覚えると、結びつけやすいです。
- 「アイロンをかける」と言いたいときは “iron my shirt” と動詞としても素直に使えると意識する。
- スペリングは “i-r-o-n” だが、あまり “r” の音をはっきり出さない発音に注意。
- 「鉄を熱いうちに打て (strike while the iron is hot)」ということわざから、「iron」は「牛耳る」「鍛錬する」といった強いイメージが残りやすいです。
以上が名詞としての “iron” の詳細な解説です。日常生活から学術分野まで幅広く使われる重要単語なので、上記ポイントを意識してぜひ覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉鉄
意味(2)
〈U〉鉄のように堅い(強い,冷たい)こと
意味(3)
〈C〉鉄製の器具
意味(4)
〈C〉[電気]アイロン
意味(5)
〈C〉アイアン(球を打つ部分が金属のゴルフクラブ)
意味(6)
〈C〉《複数形で》手かせ,足かせ