beat
(連続して)…をたたく,打つ(pound) / 《…に》…をたたきつける,打ちつける《against ...》 / 《…に》…をたたいて作る《into ...》;〈金属〉を打ち延ばす / …を勢いよくかき混ぜる / 〈リズム・拍子〉を手をたたいてとる / 〈道〉を踏み固めて作る / 《話》〈人〉を困らせる / 〈風・雨・波などが〉《…に》打ちつける《at, against,in,on ...》 / 〈心臓・脈が〉鼓動する,脈打つ / ドンドン鳴る / 〈船が〉風に逆らってジグザグに進む / 打ち負かす
1. 基本情報と概要
単語: beat
品詞: 動詞(他に名詞、形容詞の用法もあり)
意味(英語): to defeat someone in a competition, to strike repeatedly, to mix vigorously, etc.
意味(日本語): 「打ち負かす」「叩く」「(玉子などを)かき混ぜる」など、文脈によって多様な意味を持ちます。
「beat」は、誰かを試合や競争で勝つときに使われるほか、何かを強く叩く、または食材を混ぜるときなどにも使われる便利な動詞です。
活用形:
- 原形: beat
- 過去形: beat
- 過去分詞: beaten
- 現在分詞: beating
他の品詞への変化例:
- 名詞としての “beat”: 音楽の「ビート」(リズム)や心臓の鼓動、巡回(警察官の歩く警邏区間)など
- 形容詞としての “beaten”: 「打ちのめされた」「疲れ果てた」など
難易度(CEFR 推定): B1(中級)
- 「beat」は英語学習の中でもよく出てくる単語で、日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: beat
- 明確な接頭語や接尾語はなく、単一の語幹からできています。
- 明確な接頭語や接尾語はなく、単一の語幹からできています。
詳細な意味(主な意味の多義)
- (競争・試合などで)打ち負かす
例: “They beat the other team by two points.”(彼らは2点差で相手チームを打ち負かした。) - (棒などで)叩く・殴る
例: “He beat the drum loudly.”(彼は大きな音で太鼓を叩いた。) - (玉子やクリームを)かき混ぜる
例: “Beat the eggs until they’re fluffy.”(卵をふわっとなるまでかき混ぜてください。) - (リズムなどを)打つ・刻む
例: “The music’s beat is very fast.”(その音楽のビートはとても速い。) ※名詞用法に近い使い方 - (人・時計などが)鼓動する・刻む ※やや文芸的
例: “My heart was beating rapidly.”(私の心臓は激しく鼓動していた。)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- beat someone in a game – (試合で誰かに勝つ)
- beat the competition – (競争相手を打ち負かす)
- beat the clock – (時間に間に合う、時間に打ち勝つ)
- beat around the bush – (遠回しに言う、要点を避ける)
- beat up (someone) – (~を酷く殴る/痛めつける)
- beat the eggs – (卵をかき混ぜる)
- beat the cream – (クリームを泡立てる)
- beat him to it – (先手を打つ、先にやってしまう)
- can’t beat that – (それには勝てない、それ以上はない)
- dead beat – (へとへとに疲れた) ※形容詞的用法
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語の “bēatan” に由来し、中英語を経て現在の形 “beat” となりました。もともと「打つ、叩く」という身体的動作を中心に持つ言葉でしたが、そこから「(相手を)打ち負かす」「リズムを打つ」などの比喩的な意味へと広がっていきました。
ニュアンス・使用時の注意:
- 「勝つ」の意味で使うときは、シンプルに「競争で相手を上回る」という口語的でカジュアルな表現です。
- 「叩く」の意味はやや強いニュアンスを持ち、暴力的なニュアンスになる場合があるので注意が必要です。
- 料理のレシピなどでよく見る「beat the eggs」は、手早くかき混ぜるイメージです。
- フォーマルな場面でも「beat the competition」はビジネス文脈でよく使われますが、過度に攻撃的な響きはないため、自然に使用できます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞/自動詞:
- 「beat」は多くの場合「叩く対象」「勝つ相手」など目的語を取る他動詞として使われます。
- まれに「(心臓が)はねる」などの意味では自動詞として使われることがあります。
- 「beat」は多くの場合「叩く対象」「勝つ相手」など目的語を取る他動詞として使われます。
一般的な構文:
- “beat + 目的語”
例: “We beat our rivals.”(私たちはライバルに勝った。) - “beat + 目的語 + in + 競技/試合”
例: “They beat us in the finals.”(彼らは決勝戦で私たちに勝った。) - “S + be + beating” (現在進行)
例: “My heart is beating so fast.”(私の心臓はとても速く鼓動している。)
- “beat + 目的語”
イディオム:
- “beat around the bush” → 要点を遠回しに言う
- “beat a dead horse” → 無駄なこと/すでに決着のついたことを蒸し返す
- “beat around the bush” → 要点を遠回しに言う
5. 実例と例文
日常会話での例文(3文)
- “I can’t believe you beat me at chess again!”
(またチェスで私に勝つなんて信じられないよ!) - “Could you beat the eggs for the omelet?”
(オムレツ用に卵をかき混ぜてくれる?) - “Stop beating around the bush and tell me the truth.”
(遠回しに言うのはやめて、本当のことを教えて。)
ビジネスでの例文(3文)
- “We need a strong marketing strategy to beat our competitors.”
(競合他社に打ち勝つには効果的なマーケティング戦略が必要です。) - “Despite the tight deadline, we managed to beat the clock.”
(厳しい締め切りにもかかわらず、私たちは間に合わすことができました。) - “If we can beat last year’s sales record, we’ll receive a bonus.”
(もし昨年の売上記録を上回ることができれば、ボーナスがもらえます。)
学術的な文脈での例文(3文)
- “The heart beats approximately 100,000 times a day.”
(心臓は1日におよそ10万回鼓動します。) - “Researchers are trying to find a way to beat drug-resistant bacteria.”
(研究者たちは薬剤耐性のある細菌を打ち負かす方法を探しています。) - “This algorithm can beat the traditional method in terms of speed and accuracy.”
(このアルゴリズムは速度と正確性の点で従来の方法に勝ることができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- defeat(打ち負かす)
- 「beat」と似ていますが、ややフォーマル。スポーツや競争以外に、抽象的な状況(課題や問題など)に対しても使いやすい。
例: “We defeated the other team easily.”
- 「beat」と似ていますが、ややフォーマル。スポーツや競争以外に、抽象的な状況(課題や問題など)に対しても使いやすい。
- overcome(克服する)
- 「勝つ」というよりも「困難を克服する」というニュアンス。主に困難や障害を対象とする。
例: “She overcame many obstacles to succeed.”
- 「勝つ」というよりも「困難を克服する」というニュアンス。主に困難や障害を対象とする。
反意語
- lose(負ける)
- 試合や競争で相手に勝てなかったという意味。
例: “We lost the match yesterday.”
- 試合や競争で相手に勝てなかったという意味。
- surrender(降参する)
- 戦いや対立の場面で「降伏する」「屈服する」。
例: “The enemy eventually surrendered.”
- 戦いや対立の場面で「降伏する」「屈服する」。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /biːt/
- アクセント: 英語では一音節語なので特にアクセントが移動しません。/biːt/ の「b」の破裂音をはっきり出し、長音の「ee」を意識します。
- アメリカ英語とイギリス英語: アメリカ英語・イギリス英語どちらも /biːt/ でほとんど同じ発音です。
- よくある発音の間違い: 「bit /bɪt/」と混同しがちなので、「i」の音ではなく、長い「ee」の音をしっかり発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングの混乱: 「beat」と「beet(ビート、野菜のビーツ)」は同音異綴語で意味も違う。混同しないように注意。
- 過去形・過去分詞: 過去形が “beat” のまま、過去分詞が “beaten” となる特殊パターン。 “beat-beat-beaten” の順番を覚えましょう。
- 目的語の有無: 「beat」は多動詞の用法が多いですが、「心臓が鼓動する」など自動詞で使われる意味もあるので文脈で判断。
- TOEICや英検での出題: 「beat around the bush」などイディオムとしての熟語がよく出題されるので注意してください。また、過去形・過去分詞の穴埋め問題なども頻出です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “beat” の「長い “ee” の音」をイメージして、棒で何かを「ビシッ」と叩くイメージとともに覚えると良いです。
- 「beat-beat-beaten」は不規則動詞なので、リズミカルに “beat-beat-beaten” と口ずさむように覚えると記憶に定着しやすくなります。
- 「勝った時に心臓がドキドキ(beat)」する様子をイメージしながら、「勝つ」「叩く」「かき混ぜる」という複数の派生的意味を関連づけて記憶すると応用がききます。
以上が動詞 “beat” の詳細解説です。スポーツ、ビジネス、日常会話など、さまざまな場面で使える便利な単語なので、活用形やイディオムと合わせてしっかり覚えましょう!
…'を'勢いよくかき混ぜる
〈リズム・拍子〉'を'手をたたいて(手を振って,足を踏んで)とる
《話》〈人〉'を'困らせる,まいらせる
(…に)…'を'たたいて作る《+名+into+名》;〈金属〉'を'打ち延ばす
〈心臓・脈が〉鼓動する,脈打つ
(連続して)…'を'たたく,打つ(pound)
ドンドン鳴る
(…に)…'を'たたきつける,打ちつける《+名+against+名》
〈道〉'を'踏み固めて作る
〈風・雨・波などが〉(…に)打ちつける,〈人が〉(…を)ドンドン打つ《+at(against,in,on)+名》
〈船が〉風に逆らってジグザグに進む
打ち負かす