coast
1. 基本情報と概要
英語と日本語の意味
- 英語: to move easily without using power or making much effort; to proceed without difficultly
- 日本語: (車・自転車などが)惰性で動く、力をあまり使わずに進む/(比喩的に)苦労せずに進展する、努力せずに事を運ぶ
「coast」という動詞は、「車などがエンジンを切ったり、ペダルをこがなかったりして惰力で進む」イメージから転じて、「あまり努力しなくてもすんなりと進む・達成する」というニュアンスで使う単語です。
品詞
- 動詞(自動詞が中心。まれに補足的な意味で他動詞的にも扱われることがありますが、基本的には自動詞と考えてよいです)
活用形
- 原形: coast
- 三人称単数現在形: coasts
- 現在分詞 / 動名詞: coasting
- 過去形 / 過去分詞形: coasted
他の品詞での例
- 名詞: coast(海岸、沿岸)
- 形容詞: coastal(海岸の)
難易度の目安(CEFR)
- B2(中上級): 「coast」を動詞として使う用法はやや抽象的(比喩的表現)であり、一定の語彙力が必要になります。名詞(海岸)の意味はA2レベルでも馴染みがありますが、動詞の用法としては少し上のレベルであるB2程度と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「coast」は特にこれといった接頭語や接尾語は含まれず、語幹も “coast” 一語です。
関連語や類縁語
- coastline(海岸線)
- coastal(海岸の)
- coaster(コースター/ビール瓶やコップを置く敷物/ジェットコースター)
- coasting(惰力走行、苦労をせずに進むこと)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- coast along – 惰力で進む、楽々と進む
- coast downhill – (坂道などを)惰力で下る
- coast to victory – 苦労しないで勝利を収める
- coast into the station – (列車や車が)駅まで惰力で入ってくる
- coast on momentum – 勢いに任せて(何かを)続ける
- coast in neutral – ニュートラル状態で惰力走行する
- coast through life – 人生をあまり苦労せずにやり過ごす
- coast through an exam – 試験を余裕で切り抜ける
- coast by without effort – 努力なしでうまくやり過ごす
- coast easily past someone – (競争などで)相手を難なく追い越す
3. 語源とニュアンス
語源
- 「coast」は元々ラテン語の “costa”(肋骨、わき腹などの意)から古フランス語の “coste”(沿岸)を経て中英語に入り、はじめは「海岸」や「沿岸に沿って進む」という意味でした。そこから「エンジンを使わずに惰性で進む」という現在の意味や、比喩的に「努力せずとも進む」というニュアンスの用法が派生しています。
使用上の注意や微妙なニュアンス
- 口語的ニュアンス: 「coast」を動詞で使うときは、多くの場合カジュアルな日常会話やスポーツ実況、ビジネス場面での「苦労しないで成功する」表現などで見られます。
- 比喩的表現: 「努力をしなくてもなんとかなる」というニュアンスを強調するときに使うことが多いです。
- フォーマル/カジュアル: フォーマルな場面でも使われうる表現ですが、くだけたトーンで「楽々とやってのける」という印象を与えることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- 自動詞的に「coast + 副詞/前置詞句」の形で使われることが多い
例: “He coasted downhill.”(彼は坂道を惰力で下った) - 「coast + to + 目的」をとることで比喩表現を作る
例: “She coasted to victory.”(彼女は苦労せずに勝利を収めた)
名詞・動詞の使い分け
- 名詞: “the coast”=海岸・沿岸
- 動詞: “to coast”=惰力で進む、苦労せずに物事を進める
動詞としては自動詞扱いが中心で、何かを「coastする」というより、「coast to somewhere / coast along / coast through something」のように前置詞や副詞句が付く形が一般的です。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
“I turned off the engine and just coasted down the hill.”
エンジンを切って、ただ坂道を惰力で下ってきたんだ。“Don’t just coast through your homework. Try to learn something!”
宿題をテキトーに済ませるだけじゃなくて、ちゃんと学ぼうとしなきゃ!“He’s been coasting through life without any real challenges.”
彼は特に苦労せずに人生を過ごしてきたんだよ。
ビジネスシーン
“We can’t afford to coast this quarter; we need solid sales efforts.”
今期はただ惰性でやっているわけにはいきません。確かな販売努力が必要です。“After the product launch, the team started to coast without further innovation.”
製品をリリースしたあと、チームはそれ以上の革新をしようとせず、停滞してしまいました。“He coasted into the new role, barely adjusting to the increased responsibilities.”
彼は役職が変わっても、責任が増えたことにほとんど対応しないまま惰性でこなしていました。
学術的・フォーマルな文脈
“The study reveals how certain companies coast on their previous success rather than investing in R&D.”
その研究では、一部の企業が研究開発に投資するのではなく、過去の成功だけに頼っている実態が明らかにされました。“Historical evidence suggests that empires often coast for a while before their decline becomes apparent.”
歴史的証拠によれば、帝国は衰退が明らかになる前にしばらくの間、惰性で存続することが多いと示唆されています。“Some students choose to coast during their final semester, assuming they’ve already secured a job.”
就職が決まったと安心して、最終学期を惰性で過ごす学生がいるという事実が見受けられます。
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- glide(滑るように進む)
- 自然にスムーズに進むイメージ。機械的な意味合いも強い。
- 自然にスムーズに進むイメージ。機械的な意味合いも強い。
- cruise(巡航する、楽々と進む)
- 比較的低い負荷で長距離を進むイメージ。車や船、飛行機に関して使われやすい。
- 比較的低い負荷で長距離を進むイメージ。車や船、飛行機に関して使われやすい。
- drift(漂う、流される)
- 方向性が定まっていないが流れに乗って進んでしまうニュアンス。
- 方向性が定まっていないが流れに乗って進んでしまうニュアンス。
- sail through(すいすいとやり遂げる)
- 目的やタスクを楽々とクリアすることを強調している。
反意語(Antonyms)
- struggle(苦労する)
- toil(骨を折って働く、コツコツ努力する)
「coast」には「楽に進む」というニュアンスがあるため、「struggle」や「toil」は真逆のニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /koʊst/
- イギリス英語: /kəʊst/
- アメリカ英語: /koʊst/
アクセント: 単音節語なので頭にストレスが来るというより、「coast」全体をひとまとまりで発音します。
よくある発音ミス: 「cost」と似ているため、母音の発音がおろそかになると “cost” (/kɔːst/ もしくは /kɑːst/) と区別がつかなくなることがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- つづりの混同: “coast” と “cost” は綴りが似ているので混同しやすいです。 “coast” のほうが “oa” を含んでいるので母音が長めと覚えましょう。
- 意味の取り違え: 名詞“coast” (海岸) ばかりが有名なので、動詞用法を見たときに「海岸に行く」と知らずに訳してしまうミスがあります。
- 試験での出題: TOEICや英検などで「coast to victory」などの慣用的表現が出題されることがあります。「惰力で進む/楽々と達成する」の用法を押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “coast” は “coastline” や “コースター (coaster)” と同じ綴りをしているので、「海岸にいるように、なだらかな“流れ”で進む」というイメージを持つと覚えやすいです。
- “coa*st” と “cost*” の違いは、間に “a” が入っているかどうか。海岸 (coast) を連想すると「波がゆったりとしていて、抵抗が少なくスーッと進む」イメージが定着し、動詞の “coast” も同様に「力を入れずに進む」と覚えられます。
以上が、動詞「coast」の詳細な解説になります。しっかりとイメージ部分や文脈を理解しながら覚えることで、自然な場面で使えるようになります。
(そりなどで)斜面を滑降する《+along》;(…を)滑降する《+along+名》
〈人が〉らくらくと(…を)する《+through+名》
海岸沿いに航行する
…‘の'海岸沿いに航行する
復習用の問題
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