最終更新日 :2025/01/28

much

代名詞

たくさん,多量 / 《通例否定文の補語として》大した物(事),重要な物(事)

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解説

以下では、代名詞「much」について、学習者の方にもわかりやすいように、できるだけ詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

英語・日本語の意味


  • English: “much”

    (Indefinite pronoun, determiner, or adverb) meaning “a large amount or quantity (of something),” often used with uncountable nouns or to indicate a high degree.


  • 日本語: 「たくさん」「多量」「多くの」

    物質・抽象的なものなど「数えられないもの」に対して、「量が多いこと」を表すときに使われる単語です。

    例えば「I don’t have much time.」(あまり時間がない)というときや、「How much sugar do you want?」(砂糖どのくらい欲しい?)のように、量を尋ねるときに使われます。比較や強調で「much better(はるかによい)」とも言います。ニュアンスとしては「量的に多い」という意味合いが強い言葉です。


品詞と活用形


  • 品詞: 代名詞 (indefinite pronoun)、限定詞 (determiner)、副詞 (adverb)

  • 活用形: 代名詞や限定詞としては単数形で使われ、複数形はありません。


    • 例) many は可算名詞に用いますが、much は不可算名詞に用いるのでそのまま “much” の形しかありません。


他の品詞形


  • 副詞としての “much”


    • 例) “He doesn’t talk much.”(彼はあまり話さない)

      量だけでなく「程度が大きい」意味を表すときにも使えます。


  • 形容詞としては基本的に存在せず、代名詞・限定詞・副詞が中心です。

難易度 (CEFRレベル目安)


  • A2(初級)


    • 日常会話でしばしば出てくる、不可算名詞の量を扱う基本的な単語。

    • 特に否定文や疑問文でよく使用されるため、初級者の段階でマスターする必要があります。



2. 語構成と詳細な意味

接頭語・接尾語・語幹

“much” は単音節ですが、接頭語や接尾語などの構造で分解できる単語ではありません。語幹そのものが “much” として現代英語で確立しています。

派生語・類縁語


  • many: 同じく「多い」ですが、主に可算名詞に用いられる語。

  • more: 比較級(「より多い」)として用いられる語。

  • most: 最上級(「最も多い」)として用いられる語。

コロケーション(よく使われる共起表現)10選


  1. much time →「たくさんの時間」


    • I don’t have much time to finish this.


  2. much money →「多額のお金」


    • He spent too much money on that car.


  3. as much as →「~と同じくらい多い」/「~ほども」


    • I can eat as much as I want here.


  4. not much of a ~ →「大した~ではない」


    • I’m not much of a dancer.


  5. much better/worse →「はるかに良い/悪い」


    • She feels much better today.


  6. How much…? →「どのくらい...?」


    • How much sugar do you need?


  7. much needed →「非常に必要とされる」


    • We received some much needed help.


  8. too much →「多すぎる」


    • Don’t eat too much sweets.


  9. so much for ~ →「~はこれまで」「~は大したものじゃなかった」


    • So much for that plan—we’ll need to think of something else.


  10. thank you very much →「本当にありがとうございます」


    • Thank you very much for your help.



3. 語源とニュアンス


  • 語源:

    Old Englishの “mycel” (「大きい」「偉大な」) が変化して “muche” → “much” となったといわれています。

  • 歴史的使用:

    「量が多い」「重要な」という意味合いで使われ、現在まで変わらず「多さ」「程度の高さ」を表します。

  • ニュアンス・使用時の注意点:


    • 否定文や疑問文、条件文などでの使用が多い: “I don’t have much time.” / “Do you have much time?”

    • 肯定文で「たくさんの」という意味を表したいとき、口語・カジュアルでは “a lot of” が好まれがち: “I have a lot of time.” ただしフォーマル文脈では “much” も問題ありません。

    • 副詞の “much” は「程度が大きい」イメージを与えるため、強調としてよく用いられます。



4. 文法的な特徴と構文


  1. 可算・不可算の区別


    • “much” は不可算名詞と一緒に用いるのが基本です。

    • 可算名詞に対しては “many” を用います。


  2. 肯定文での使用


    • 肯定文では “a lot of” や “plenty of” のほうが頻繁に使われがち。ただし書き言葉やフォーマルには “much” でも問題なし。


  3. 否定文・疑問文での使用


    • It doesn’t cost much. (あまり費用はかからない)

    • Is there much water left? (水はたくさん残っていますか?)


  4. 強調表現


    • I much prefer staying at home. (私は家にいるほうがずっと好きだ)

    • このように比較や好みを強く言うときにも使われます。


  5. イディオム的表現


    • “Not much.”(「特にこれといってない/大したことはない」)というフレーズで、会話で状況を聞かれた際に返すこともあります。



5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “I don’t have much free time these days.”

    (最近暇な時間があまりないんだ。)

  2. “How much milk do we need for the recipe?”

    (レシピには牛乳をどのくらい必要としている?)

  3. “Not much going on here. Just relaxing.”

    (特にこれといって何もないよ。のんびりしているだけ。)

ビジネスでの例文(3つ)


  1. “We don’t have much budget left for marketing this quarter.”

    (今期のマーケティング予算はあまり残っていません。)

  2. “How much additional funding will be required to complete the project?”

    (プロジェクトを完了させるのに、どのくらい追加の資金が必要でしょうか?)

  3. “I would very much appreciate your prompt response.”

    (早急なお返事をいただけると大変ありがたいです。)

学術的な文脈での例文(3つ)


  1. “There isn’t much empirical data to support this hypothesis.”

    (この仮説を支持する実証データはあまりありません。)

  2. “How much evidence is required to validate the theory?”

    (その理論を実証するのにどのくらいの証拠が必要でしょうか?)

  3. “Much research has been conducted on climate change effects.”

    (気候変動の影響について多くの研究が行われています。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語(Synonyms)


  1. a lot of (たくさんの)


    • よりくだけた表現で、可算名詞・不可算名詞両方に使える。

    • 肯定文では “much” よりもしばしば使われる。


  2. plenty of (十分にたくさんの)


    • かなりの余裕をもった多さを表すニュアンス。


  3. a great deal of (非常に多くの)


    • よりフォーマルな表現。研究やビジネス文脈でも使用。


反意語(Antonyms)


  1. little (少しの~)


    • “much” が量を多く言うのに対して、 “little” は量を少なく言う。


  2. few (少数の~)


    • 可算名詞に対して「少ない」を示す場合。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号 (IPA)


    • イギリス英語 (British English): /mʌtʃ/

    • アメリカ英語 (American English): /mʌtʃ/


両者とも、発音上の違いはほぼありません。


  • “m” の後に「ア」より少し短く強く発音する /ʌ/、そして「tch」/tʃ/ の音で終わります。

  • 1音節で、アクセントは言葉全体にかかるイメージです。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. “much” と “many” の混同


    • “much” は不可算名詞 (money, time, water, information など)

    • “many” は可算名詞 (books, people, chairs など)


  2. 肯定文で “much” を使いすぎる


    • 口語の肯定文では “much” はややかたい印象。“a lot of” “lots of” などを使うことが多い。


  3. スペリングミス


    • 大変短い単語ではありますが、”mush” などと打ち間違えないよう注意。


  4. 資格試験での出題傾向


    • TOEICや英検などでは “much” と “many” の使い分け問題が頻出。特に不可算名詞の代表例 (advice, information, furniture) との組み合わせが狙われやすい。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “much” は “milk” の “m” と “uch” で「牛乳(milk)」の “m” を意識して覚える?

    → 牛乳のように「量りにくい(液体)=不可算」ものにつくイメージ、という覚え方も面白いかもしれません。

  • 比較で “more” や “most” につながる:

    → “much” → “more” → “most” と連鎖で覚えると、比較級と最上級の全体像がつかみやすいです。

  • 「大きい」を意味する “mycel” から来ている と覚えると、「量が多い」というイメージにつながります。


以上が代名詞/限定詞/副詞として使われる「much」の詳細な解説です。主に不可算名詞と一緒に使われ、否定文・疑問文での頻度が高い点、また “many” との使い分けに注意すると学習しやすくなります。ぜひ例文やコロケーションを参考にして、正確に使いこなしてください。

意味のイメージ
much

復習用の問題

たくさん,多量 / 《通例否定文の補語として》大した物(事),重要な物(事)

Much of the food was left uneaten.

食べ物の多くが残されました。

英語 - 日本語

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