最終更新日:2025/10/22
正解を見る

法的効力のない / 無効な / 存在しない / 空の

編集履歴(0)
元となった辞書の項目

null

形容詞

法的効力のない / 無効な / 存在しない / 空の

このボタンはなに?
このボタンはなに?
解説

以下では、形容詞「null」について、できるだけ詳細に解説します。


1. 基本情報と概要

英単語: null

品詞: 形容詞 (ときに名詞・プログラミング用語としても使われることがあります)

意味(英語): having no legal or binding force; amounting to nothing; invalid

意味(日本語): 法的効力がない、無効の、空(から)の、何の値も持たない

たとえば、「契約が無効である」ときや、「コンピュータプログラムで変数に何も入っていない状態」を指すときなどに使われます。少し専門的でフォーマルな響きがあり、日常の会話というよりは法律・コンピュータ・数学の文脈でよく使われる単語です。


  • 活用形: 形容詞としての “null” は比較級・最上級を取ることは稀ですが、文脈によって「more null」「most null」と表現することも不可能ではありません(ただし非常にまれです)。


    • 同じ語幹から派生した動詞: “nullify” (無効にする)

    • 同じ語幹から派生した名詞: “nullity” (無効である状態、無価値)


CEFRレベルの目安: B2(中上級)からC1(上級)レベル


  • 専門分野(法律、数学、コンピュータなど)で使われるため、一般的な生活英語より少し難易度は高めです。


2. 語構成と詳細な意味


  • 語幹: “null” はラテン語の “nullus”(「ない」「ひとつもない」)に由来します。

  • 派生語・関連語:


    • nullify (verb): ~を無効にする

    • nullification (noun): 無効化、取り消し

    • nullity (noun): 無効(法的や数学的なニュアンスで)

    • annul (verb): (契約や婚姻などを)取り消す、無効にする


よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)


  1. null and void(契約などが無効である)

  2. null hypothesis(帰無仮説)

  3. null set(空集合)

  4. null pointer(ヌルポインタ/プログラムで何も指していない参照)

  5. declare null(無効と宣言する)

  6. render null(無効にする/価値をなくす)

  7. null result(何の結果も得られない、結果なし)

  8. become null(無効になる)

  9. null value(ヌル値/値が入っていないことを示す)

  10. make something null(何かを無効化する)


3. 語源とニュアンス


  • 語源: ラテン語 “nullus”(無、存在しない) → 中世フランス語 “nul” → 英語 “null”

  • 歴史的用法: 古くは法的文脈で「法的効力がない」という意味で使われ、のちに数学・科学の分野で「ゼロ」「空集合」「何も値を持たない」という意味でも使われるようになりました。

  • ニュアンス:


    • 法律の分野では「契約や合意が成立しない」など「法的拘束力がない」ニュアンスが強いです。

    • 数学・プログラム分野では「空の」「何も値が設定されていない」状態を示します。

    • フォーマルな文章、専門的な議論や技術文書などでよく見られます。カジュアルな日常会話にはあまり出てきません。



4. 文法的な特徴と構文


  • 品詞: 形容詞(ただし法律文書や契約書などのフレーズでは名詞・代名詞的に扱われることもあります)

  • 可算・不可算: 「null」という概念自体は形容詞なので、可算・不可算の区別は主に「nullity」などの名詞形で考えられます。

  • 使用シーン:


    • フォーマルまたは技術的な文書

    • 法律、契約関連

    • 数学や統計学、プログラミングなどのおける専門用語


例構文:


  • “This agreement is null and void.”

    (この合意は無効である)

  • “All entries with a null value will be removed.”

    (ヌル値のあるエントリはすべて削除されます)


5. 実例と例文

(1) 日常会話(※やや専門的ですが、仮にこう言うとしたら)


  1. “The coupon is null because it expired last week.”

    (そのクーポンは先週期限が切れたから無効だよ)


  2. “If the device serial number is null, you can’t complete the registration.”

    (もしデバイスのシリアル番号がヌルなら、登録を完了できないよ)


  3. “His promise turned out to be null when he moved to another country.”

    (彼が別の国へ引っ越してしまったので、彼の約束は実質的に無効になった)


(2) ビジネスシーン


  1. “The partnership contract is null if both parties do not sign by the end of the month.”

    (今月末までに双方が署名しない場合、そのパートナーシップ契約は無効となります)


  2. “We must revise the agreement, otherwise the entire document becomes null and void.”

    (もしこの合意書を修正しなければ、文書全体が無効になってしまう)


  3. “Any null entries in the database will cause the report to fail.”

    (データベースにヌルのエントリがあると、レポートが正常に動作しなくなる)


(3) 学術的・専門的シーン


  1. “In legal terms, the decision is deemed null when the proper procedures aren’t followed.”

    (法的観点から見ると、適正な手続きを踏んでいない場合、その決定は無効とみなされる)


  2. “The null set is a fundamental concept in set theory, representing an empty collection of elements.”

    (空集合は集合論の基本的な概念で、要素が一つも含まれない集合を表します)


  3. “The null hypothesis states that there is no significant difference between the two groups.”

    (帰無仮説は、2つのグループ間に有意な差がないと仮定するものです)



6. 類義語・反意語と比較


  • 類義語:


    1. void(無効の、空の):法律・契約などで「効力がない」という意味で “null” と近い。より「完全に空である」ニュアンス。

    2. invalid(有効ではない、無効な):書類や契約などが公式に認められない場合。より一般的な単語。

    3. worthless(価値がない):金銭的・精神的に価値がないというニュアンスが強い。

    4. nil(ゼロ、無):ややフォーマルで数学的・統計的に「0」を示す表現。


  • 反意語:


    1. valid(有効な):法律的・公式的に認められ、効力がある。

    2. binding(拘束力のある):契約などが法的に強制される。

    3. effective(効果的な、有効な):効力が発揮されている状況を示す。


使い分けのポイント:


  • 「null」はより専門的で、「何も存在しない」「法的効力がない」などのニュアンス。

  • 「invalid」は「形式やルールを守っていないので認められない」イメージ。

  • 「void」と「null」はしばしば「無効」という文脈で似ていますが、「void」は契約や法制度文書中で「効力を持たない」という意味がより直接的。


7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA): /nʌl/

  • アクセント:


    • 1音節なので特に強勢位置の差異はほとんどありません。


  • アメリカ英語とイギリス英語:


    • どちらもほぼ同じ /nʌl/ で発音されます(「ナル」に近い音)。


  • よくある発音ミス:


    • “nu-ru” のように /uː/ を入れてしまうことがあるので注意。短い /ʌ/ (カタカナで「ア」に近い) で発音します。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “nul” や “nill” と書いてしまうミス。常に “ll” の2文字で終わります。

  • 同音異義語: 特に似た音の単語は少ないですが “knull” など存在しない単語との混同に注意。

  • 試験での出題傾向:


    • TOEICや英検では頻繁に登場する単語ではありません。ただし法律文書やIT関連の読解問題に出る可能性もあります。

    • 統計学や研究論文などで「null hypothesis(帰無仮説)」はよく登場する語です。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “n” → “none” (何もない) というイメージ: ラテン語 “nullus” から想像すると覚えやすいかもしれません。

  • 法律・数学・IT でよく登場: 「契約が無効(=法的力がゼロ)」 「空集合(=要素ゼロ)」 「ヌルポインタ(=何も指していない)」のイメージをひとまとめにしておくとよいです。

  • 勉強テクニック:


    • “null & void” のフレーズはしばしばセットで登場するため、1つの熟語のように覚えてしまうと便利です。

    • プログラミング言語を学んだことがある人は、変数が「何も入っていない」状態として「null」を思い出すと定着しやすいです。



以上が形容詞「null」の詳細な解説です。法律・数学・プログラミングなどの専門分野で重要な概念ですので、文脈に合わせてぜひ使ってみてください。

意味のイメージ
null
意味(1)

(法律上)無効の,効力のない

意味(2)

ゼロの,無価値の

意味(3)

(数学で集合が)空(から)の

ビジネス英単語(BSL) / 和訳 / 単語カード問題

編集履歴(0)

ログイン / 新規登録

 

アプリをダウンロード!
DiQt

DiQt(ディクト)

無料

★★★★★★★★★★