元となった辞書の項目
idle
解説
以下では、形容詞「idle」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英語の単語: idle
品詞: 形容詞 (※「(エンジンを)空ぶかしする・何もしないで過ごす」などの動詞用法もあり)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常会話は不自由なくこなせるが、やや高度な話題にも踏み込んで議論できるレベル
意味(英語 / 日本語)
- 英語: not working, not active, or doing nothing
- 日本語: 「働いていない、動いていない、何もしていない状態」という意味です。
例えば、「何も仕事をしていない」「使用されずに放置されている」状況を指します。
「だらだら何もしていない」といった少し否定的なニュアンスが含まれることがあります。
活用形・他の品詞
- 形容詞: idle (原形・比較級や最上級は
idler
,idlest
だがあまり一般的ではない) - 動詞: idle (idles, idling, idled)
- 例: to idle away time (時間を無為に過ごす)
- 例: The car is idling.(車がアイドリングしている)
- 例: to idle away time (時間を無為に過ごす)
- 名詞形: idleness (怠惰、何もしていない状態)
- 副詞形: idly (ぼんやりと、何もせずに)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
大きな接頭語・接尾語がついていない、比較的短い語です。もともとは古英語の “idel” に由来し、当時は「空っぽ」「無益」「根拠がない」といった意味がありました。
類縁語・派生語
- idleness (n.): 無為・怠惰
- idly (adv.): 何もしないで、ぼんやりと
コロケーション(共起表現)10個
以下は「idle」がよく使われる表現例です(日本語訳つき):
- idle mind(使われていない頭、考えていない頭)
- idle hands(手を動かしていない状態、怠けた手)
- idle chatter(無駄話、くだらないおしゃべり)
- idle threat(口先だけの脅し)
- sit idle(何もせずに座っている)
- remain idle(そのまま何もしない状態である)
- keep idle(怠惰なままにしておく、使用しないでおく)
- be idle for hours(何時間も何もしないでいる)
- idle gossip(根拠のない噂話)
- idle away (one’s time)(時間を無駄に過ごす)
3. 語源とニュアンス
語源
「idle」は古英語の “idel” に遡り、「空っぽ」「無益」「根拠のない」といった意味を持っていました。
歴史的には「働いていない」「怠惰な」「役に立たない」といったニュアンスが強調されるようになり、現在でも「使われていない」「動いていない」状態を指します。
ニュアンスと使用時の注意点
- ネガティブ: 「何もしていない」「怠けている」という、やや否定的に捉えられることが多いです。
- カジュアル / フォーマル: 口語・文章どちらでも使えますが、カジュアルな会話で「だらけている」という軽いニュアンスから、ビジネス文書で「機器がアイドル状態である」といった技術的な文脈まで幅広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞として
- 補語的に用いられる: The factory is idle.(工場は稼働していない)
- 修飾語として: idle machinery(動いていない機械)
- 補語的に用いられる: The factory is idle.(工場は稼働していない)
動詞 (to idle) として
- 自動詞: The car was idling in the driveway.(車が車道でアイドリングしていた)
- 「idle away one’s time」のように目的語 (time) が続く形もあり、時間を無為に費やすニュアンスを表す。
- 自動詞: The car was idling in the driveway.(車が車道でアイドリングしていた)
名詞としては不可算名詞形の idleness が一般的です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I spent the entire weekend idle at home.”
「週末ずっと家で何もせずに過ごしてしまったよ。」 - “Don’t just sit there idle—help me clean up.”
「そこにぼんやり座っていないで、片付けを手伝ってよ。」 - “My phone’s been idle for hours; I forgot to call him back.”
「携帯を何時間も放置していた。彼に折り返し電話するのを忘れてた。」
ビジネスシーンでの例文
- “We can’t afford to keep these machines idle for long.”
「これらの機械を長期間遊ばせておく余裕はありません。」 - “Several employees were left idle due to the production slowdown.”
「生産ペースの低下により、複数の従業員が手持ち無沙汰状態になりました。」 - “The manager warned them not to remain idle during work hours.”
「マネージャーは勤務時間に怠けないよう注意しました。」
学術的な・フォーマルな例文
- “Prolonged idle resources can significantly impact overall productivity.”
「長期間にわたり資源が遊休状態にあることは、全体的な生産性に大きく影響する可能性があります。」 - “Many economists explore the effects of idle capacity on market dynamics.”
「多くの経済学者は、遊休設備が市場の動態に与える影響を研究しています。」 - “The concept of idle time suggests a potential inefficiency in the workflow.”
「アイドル時間の概念は、ワークフロー上の潜在的な非効率を示唆します。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- inactive(活動していない)
- unoccupied(使用されていない、取り組むことがない)
- lazy(怠惰な)
- unproductive(生産性のない)
- dormant(休止状態の)
- lazy は「やる気がなく怠惰」という主観的・人格的評価が強い。
- idle は「物事・状態が停止している」客観的な描写が多く、必ずしも本人の意志を責めるわけではない。
反意語(Antonyms)
- active(活動中の)
- busy(忙しい)
- industrious(勤勉な)
- engaged(従事している)
- working(作動している)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈaɪ.dəl/
- アクセント: 最初の音節「aɪ」に強勢が置かれます。
- アメリカ英語 / イギリス英語 いずれも大きな違いはありませんが、アメリカ英語だと「アイ-dl」( ”d” と ”l” をはっきり発音 )、イギリス英語でもほぼ同じですが少し柔らかい発音になることがあります。
- まれに「idol (偶像)」と混同されることがありますが、綴り(o と e)の違いに注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルの混同: 「idle (何もしない)」と「idol (偶像)」はしばしば混同されるので要注意。
- 発音の混乱: 「i-dle」の後ろに「-e」があるが音としては「アイ・ドル / アイ・ドゥル」に近い。
- 意味の誤解: 「idle = lazy」と読み替えられがちですが、必ずしも「怠けている」という内面的意志まで含意するわけではない場合も多いです。
- 試験対策: TOEICなどでも、技術文書(工場やシステムが「アイドル状態である」など)に出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アイドル状態」というカタカナ用語で「何もせず待機している状態」という意味になじみがあるかもしれません。「Idle状態のパソコン」と考えると覚えやすいでしょう。
- 「Idle hands are the devil’s workshop.」(怠けた手は悪魔の道具)という英語のことわざが有名で、「暇を持て余すとろくなことをしない」という警句として覚えておけば、意味やイメージが定着しやすいです。
- スペリングにおける“l”と“e”の順番を間違えないように、語末で “-le” より “-dle” と書く語(iddleではなくidle)がある、と意識してみましょう。
上記の内容を押さえておくことで、形容詞「idle」の使い方やニュアンスをしっかりと理解できるはずです。ぜひ会話や文章に取り入れてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人が)怠惰な,怠けている
意味(2)
価値のない,むだな
意味(3)
〈人が〉何もしないでいる,ぶらぶらと時間を過ごす《+about》
意味(4)
(人が)働いていない(unemployed),(機械などが)使われていない,(時間が)空いている