名詞 “diligence” の徹底解説

1. 基本情報と概要

英語: diligence

日本語: 勤勉さ、熱心さ、努力

「diligence」は、「物事に対して勤勉に取り組み、一生懸命努力する態度や行動」を表す名詞です。

「コツコツ努力する」「真面目に取り組む」というニュアンスがあり、仕事や勉強において、「一貫して努力する姿勢」を指す言葉として使われます。

• 品詞: 名詞 (noun)
  


• 活用形: 名詞なので、形そのものの変化はありません。
  


• 他の品詞:
  
  
  
  • 形容詞: diligent (勤勉な)
    
  
  
  • 副詞: diligently (勤勉に)
    
  
  

CEFRレベルの目安

• B2（中上級）: 「diligence」は初級者にはやや難しく、中上級レベルで学ぶことが多い単語です。
  
  
  
  • B2: 聞いたり読んだりするときに時々見かける、少しレベルの高い語彙。
  
  

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• diligence
  
  
  
  • 接頭語: なし
    
  
  
  • 語幹: dilig- (ラテン語の「選ぶ・尊ぶ」という意味の動詞「diligere」から派生)
    
  
  
  • 接尾語: -ence (名詞を作る接尾語)
  
  

関連語や派生語

• diligent (形容詞): 勤勉な、熱心な
  


• diligently (副詞): 勤勉に、こつこつと

コロケーション（共起表現）例（10個）

1. “careful diligence” — 注意深い勤勉さ
   


2. “show diligence” — 勤勉さを示す
   


3. “lack of diligence” — 勤勉さの欠如
   


4. “continuous diligence” — 継続的な努力
   


5. “reward for diligence” — 勤勉さに対する報酬
   


6. “work with diligence” — 勤勉に働く
   


7. “praise for diligence” — 勤勉さへの称賛
   


8. “encourage diligence” — 勤勉さを奨励する
   


9. “study with diligence” — 勤勉に勉強する
   


10. “demand diligence” — 勤勉さを要求する

3. 語源とニュアンス

語源

• ラテン語の “diligentia”（周到さ、用心深さ）や、その語源となる “diligere” （選ぶ・大切に扱う）に由来します。
  


• 古フランス語の “diligence” を経て、現在の英語の形となりました。

ニュアンス・使用上の注意

• 「diligence」は、真面目にコツコツと努力を重ねる姿をポジティブに評価する表現で、文章でも会話でも使われます。
  


• カジュアルな会話でも使えますが、ビジネス文書やフォーマルな場面で特に好まれる言葉です。
  


• 「努力している」「まじめに取り組んでいる」という前向きな評価を含んでいるため、褒め言葉として用いられることが多いです。

4. 文法的な特徴と構文

• 「diligence」は 不可算名詞 (uncountable noun) として扱われます。
  
  
  
  • × a diligence, × two diligences とは言わない
    
  
  
  • ただし文脈によって“acts of diligence”のように形を変える場合はあります。
  
  

一般的な構文・使用例

• “(someone) shows diligence in (something)”
  
  
  
  • 例: She shows diligence in her studies.
    
  
  


• “(someone) works with diligence”
  
  
  
  • 例: They work with diligence.
  
  

イディオム的表現

• “due diligence”
  
  
  
  • 特にビジネスや法務の文脈で、「調査義務」や「適切な注意・手続き」を指す言葉として使われます。
    
  
  
  • 例: We need to perform due diligence before signing the contract.
  
  

5. 実例と例文

(A) 日常会話

1. “I admire your diligence in practicing the piano every day.”
   
   （あなたが毎日ピアノを練習する勤勉さに感心しているよ。）
   


2. “Your diligence with household chores is impressive.”
   
   （家事をこつこつとやっているのはすごいね。）
   


3. “She’s known for her diligence when it comes to personal projects.”
   
   （彼女は個人のプロジェクトに対して勤勉なことで知られているよ。）

(B) ビジネスシーン

1. “Our team’s diligence led to the successful completion of the project on time.”
   
   （私たちのチームの勤勉さによって、プロジェクトは予定通りに完成しました。）
   


2. “We appreciate your diligence and attention to detail in this report.”
   
   （この報告書におけるあなたの勤勉さと細部への配慮を高く評価しています。）
   


3. “Their diligence in meeting deadlines is a huge asset to the company.”
   
   （期限を守るために彼らが示す勤勉さは、この会社にとって大きな強みです。）

(C) 学術的な文脈

1. “Academic success often depends on consistency and diligence.”
   
   （学業の成功は、継続性と勤勉さによって左右されることが多い。）
   


2. “His diligence in research contributed significantly to the study.”
   
   （研究における彼の勤勉さが、この研究に大いに貢献した。）
   


3. “Publishing a paper requires diligence in both writing and reviewing data.”
   
   （論文を発表するには、執筆とデータの検証の両面で勤勉さが求められる。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. industry（勤勉）
   
   
   
   • 「産業」という意味もあるが、「こつこつと働く姿勢」という意味で使われることもある。
     
   
   


2. hard work（努力、骨の折れる仕事）
   
   
   
   • より口語的で幅が広い表現。
     
   
   


3. assiduity（精励、根気強さ）
   
   
   
   • 「diligence」と似ており、ややフォーマル。
     
   
   


4. persistence（粘り強さ、しつこさ）
   
   
   
   • 辛抱強く続ける点を強調するニュアンス。
     
   
   

反意語 (Antonyms)

1. laziness（怠惰、なまけ心）
   


2. negligence（怠慢、過失）
   
   
   
   • 仕事や義務を疎かにしてしまうことを指す。
   
   

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号(IPA): /ˈdɪl.ɪ.dʒəns/
  
  
  
  • アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはありませんが、イギリス英語では /ˈdɪl.ɪ.dʒəns/、米語で /ˈdɪl.ə.dʒəns/ のように母音の音が若干変わる場合があります。
    
  
  


• アクセント: 最初の “dil-” の部分に強勢が置かれます。（DÍL-i-gence）
  


• よくあるミス:
  
  
  
  • “diligence”の “g” を /g/ ではなく /dʒ/ と発音してしまうことがあるので注意。（正しくは /ˈdɪl.ɪ.dʒəns/）
    
  
  

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス
   
   
   
   • 「dilligence」と “l” を二つ続けてしまうなどの誤りがあるので注意。正しくは “d-i-l-i-g-e-n-c-e”。
     
   
   


2. 同音異義語との混同
   
   
   
   • 例: “intelligence” （知能）と形が似ているため混同してしまう学習者がいる。
     
   
   


3. 試験・資格などでの出題傾向
   
   
   
   • ビジネスシーンや仕事における評価などの文脈で、TOEICや英検でも文中での意味を問われることがある。
     
   
   
   • “due diligence” という専門用語はビジネスや法務関連の問題でよく見られる。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「diligent（形容詞）」とセットで覚えておくと、「diligence（名詞）」も連想しやすいです。
  


• 「di-li-gence」と音節を区切って発音練習すると、スペルミスや発音ミスを減らせます。
  


• 語源の「尊ぶ、選ぶ」という意味から、「手を抜かずに精選して行う」というイメージで覚えると印象が深まります。
  

以上が、名詞 “diligence” の詳細解説です。コツコツ心がける努力や真面目さを表す便利な単語ですので、ぜひ活用してみてください。