seize

以下では、動詞「seize」について、学習者の方にもわかりやすいように詳しく解説していきます。

1. 基本情報と概要

単語: seize

品詞: 動詞 (transitive verb: 他動詞が基本)

英語での意味:

• to take hold of something quickly and firmly
  


• to take or grab suddenly with force
  


• to take an opportunity eagerly

日本語での意味:

• 「つかむ、捕らえる」という意味です。力や素早い動作でしっかりとつかむイメージがあります。加えて、チャンスや機会を「逃さず活かす」という意味合いでも用いられます。

「勢いよく何かをしっかりとつかむ」ような場面で使われます。たとえば、「犯人を取り押さえる」ときや「好機を逃さず掴む」ときなど、かなり力強い印象や、素早い行動を表す時に便利です。

活用形

• 原形: seize


• 三人称単数現在形: seizes


• 現在分詞: seizing


• 過去形: seized


• 過去分詞: seized

他の品詞形

• 名詞形: seizer（あまり一般的ではありませんが、「押収する人」などの意味で使うことがあります）
  


• 形容詞形: 直接の形容詞形はありませんが、seizable (押収可能な) という法律用語に近い形も存在します。
  

CEFRレベル目安: B2 (中上級)

• 「seize」自体は基礎単語ではありませんが、日常会話からビジネス・学術まで幅広いシーンで目にする表現です。やや文語的・書き言葉的に使われることもあり、中上級レベルに相当すると考えられます。

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 接頭語: なし
  


• 語幹: seize
  


• 接尾語: -e (発音上は目立たず、必須のスペル)

他の単語との関連性

• seizure (名詞) : 「発作」や「押収」という意味 (法律用語で「差し押さえ」も)。
  


• seizing (動名詞) : seizeの動名詞形。

よく使われるコロケーション（共起表現）10個

1. seize power → 権力を掌握する
   


2. seize the day → チャンスを活かす（ラテン語の “Carpe diem” の英訳的表現）
   


3. seize an opportunity → 機会をつかむ
   


4. seize control → 支配権を奪う
   


5. seize the moment → 目の前の瞬間を大切にする
   


6. seize a chance → チャンスをつかむ
   


7. seize a weapon → 武器を奪い取る
   


8. seize evidence → 証拠を押収する
   


9. seize goods → 商品を差し押さえる
   


10. seize someone by the arm →（人の）腕をつかむ
    

3. 語源とニュアンス

語源

• 「seize」は古フランス語の「seisir」（捕らえる）に由来し、ラテン語を経て英語に入ってきたとされています。もともと「しっかり捕まえる」という強いニュアンスが備わっており、英語でも力強い印象を伴います。

ニュアンス

• 「力強く・素早くつかむ」という意味と「機会を逃さず、すぐに活かす」という意味があります。
  


• 文章で使う場合にはフォーマルな響きもありますが、「seize the day」は日常会話でもよく使います。

使用時の注意点:

• 物体を「迅速に捕らえる」場合に使う反面、ビジネスや政治などの文脈では「権力を握る」「支配権を奪う」といった、やや強引なニュアンスを伴うこともあります。

4. 文法的な特徴と構文

文法上のポイント

• 他動詞 (transitive verb) なので、「seize 何か」や「seize someone/something」の形をとります。
  


• 目的語に具体物だけではなく、抽象的な機会やチャンスを取ることも多いです(ex. seize the opportunity)。

一般的な構文

1. seize + 物・人
   
   
   
   • 例: The police seized the illegal goods.
     
     (警察が違法品を押収した。)
     
   
   


2. seize + 機会・タイミング
   
   
   
   • 例: You should seize the chance when it appears.
     
     (チャンスが来たら逃さずつかむべきだ。)
     
   
   


3. seize on/upon + 事柄
   
   
   
   • 例: The media seized on her mistake.
     
     (メディアは彼女のミスを大々的に取り上げた。)
     
   
   
   • 「…に飛びつく、…を利用する」というニュアンス。
   
   

イディオム・表現例

• seize the day: 「今を大切に生きる」
  


• seize on/upon something: 「何かに飛びついて利用する」

5. 実例と例文

ここでは、さまざまな場面での例文を提示します。

A. 日常会話 (3例)

1. “If you see an opportunity to travel, just seize it!”
   
   (旅行のチャンスがあったら、とにかく逃さずつかむんだ！)




2. “He tried to seize my phone, but I held on tight.”
   
   (彼は私の携帯を取ろうとしたけど、私はしっかりと握って離さなかったよ。)




3. “I decided to seize the day and ask her out.”
   
   (今を逃すまいと思って、彼女をデートに誘ったんだ。)

B. ビジネス (3例)

1. “We need to seize this market opportunity before our competitors do.”
   
   (競合が動き出す前に、この市場機会を確実につかまなければなりません。)




2. “Investors seized control of the company after the leadership failure.”
   
   (経営陣の失敗後、投資家たちが会社を掌握した。)




3. “Our sales team managed to seize a big deal overseas.”
   
   (当社の営業チームは海外で大きな取引を獲得することに成功しました。)

C. 学術的な文脈 (3例)

1. “The researchers seized on the unexpected results to propose a new theory.”
   
   (研究者たちは想定外の結果を捉え、新たな理論を提案した。)




2. “Authorities seized historical artifacts from the unauthorized excavation site.”
   
   (当局は無許可の発掘現場から歴史的な遺物を押収した。)




3. “The philosophers seized upon this concept to explore human consciousness.”
   
   (哲学者たちはこの概念を取り上げ、人間の意識について探求した。)

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. grab (つかむ)
   
   
   
   • 「grab」は「さっとつかむ」というカジュアルな動作を表します。
     
   
   
   • “He grabbed my arm.” のように日常的な表現では“grab”がよく使われます。
     
   
   


2. grasp (しっかりつかむ)
   
   
   
   • 「grasp」は「理解する」という意味もあり、手でしっかりと握るイメージ。力強さは“seize”と近いものがありますが、より「しっかり感」にフォーカス。
     
   
   


3. snatch (ひったくる)
   
   
   
   • 「snatch」は「急に奪い取る」「ひったくる」というネガティブなニュアンス。
     
   
   


4. take hold of (つかむ)
   
   
   
   • 「単に～をつかむ」という意味。もう少し穏やかな表現。
   
   

反意語 (Antonyms)

1. release (解放する)
   
   
   
   • つかむの反対で、「解き放つ」「解放する」。
     
   
   


2. let go (手放す)
   
   
   
   • カジュアルに「手を離す」「放す」を意味します。
   
   

7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)

• 英: [siːz]
  


• 米: [siːz]
  

イギリス英語とアメリカ英語ともに発音記号はほぼ同じです。

• 最初の “s” は「ス」、次の “ee” (長い「イー」) の音で発音します。
  


• “z” の子音で終わる点に注意。最後の音は濁る「ズ」です。

アクセントの位置

• アクセントは一音節語なので「seize」の全体に置きます。

よくある発音の間違い

• 「see」(見る) と同じ発音にし、「シー」で終わらせてしまうことがありますが、実際には最後が [z] で終わりますので「スィーズ」のように濁らせましょう。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス
   
   
   
   • 「seize」を「sieze」と書いてしまうミスが多いです。
     
   
   
   • “i” と “e” の位置関係を混同しやすいため気をつけましょう。
     
   
   


2. 同音異義語との混同
   
   
   
   • “seas” (海たち), “sees” (seeの三人称単数形) など、スペルが類似しているため注意。
     
   
   


3. 試験対策
   
   
   
   • TOEICや英検では「慣用表現 (seize an opportunity)」や「法律関連 (seize goods)」が問われやすい傾向もあります。
     
   
   
   • 文脈から「（強引に）とる」「押収する」「機会を捉える」という多義を判断する問題が出る場合があります。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• “seize” は “see” + “z” のようなイメージで覚えると発音を間違いにくいです。
  
  (ただしスペルは “s - e - i - z - e” なので、しっかり覚えましょう)
  


• 「Eが2つあって真ん中に“i”がある語」として覚えるとスペル間違いを防ぎやすいです。
  


• 「シーズ(ズ)」の発音で、しっかりと手を伸ばして何かをつかむイメージを頭に描くと理解が定着しやすいです。

以上が動詞「seize」の詳細解説です。機会を「逃さずに掴む」というセンテンスでよく使われるため、前向きで行動的な印象を与える単語でもあります。ぜひ例文などを参考に使い方を覚えてみてください。