dividend
以下では、名詞 “dividend” の意味や使い方について、できるだけ詳しく解説します。Markdown を用いて段階的に説明しますので、学習や復習にお役立てください。
1. 基本情報と概要
英単語: dividend
品詞: 名詞 (countable)
意味(英語 & 日本語)
(1) 【Finance】 A payment made by a corporation to its shareholders out of its profits.
→ 【財務・金融】 企業が利益から株主に分配する支払い(配当)。
「企業が利益を出したときに、株主が受け取るお金」というイメージです。株を持っていると、利益の一部を配当として受け取れる場合があります。(2) 【Mathematics】 The number that is being divided by another number.
→ 【数学】 割り算で割られる数、被除数。
「10 ÷ 2 = 5」の式なら、10 が dividend(被除数)です。
以上のように、主に「配当金(金融用語)」と「被除数(数学用語)」という2つの重要な意味で使われます。
CEFR レベル: B2 (中上級)
ビジネスや数学の文脈で頻繁に出るため、ある程度の語彙力が必要です。
活用形
名詞なので、主に複数形で形が変わります。
- 単数形: dividend
- 複数形: dividends
他品詞の例
- 派生した形容詞などは一般的にはありません。ただし、関連用語として “dividend yield”(配当利回り)などがあり、形容詞的に使われる場合もあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: “divid-” (ラテン語由来の「分ける」意味)
- 接尾語: “-end” (ラテン語型の動詞分詞などに由来)
関連語・派生語
- “divide” (動詞): 分割する、割り算をする
- “division” (名詞): 分割、割り算、部門
- “divisible” (形容詞): 割り切れる
- “dividend yield” (名詞): 配当利回り
- “dividend policy” (名詞): 配当政策
コロケーション(10 個)
- declare a dividend(配当を宣言する)
- pay a dividend(配当を支払う)
- dividend payout(配当の支払い、配当額)
- dividend yield(配当利回り)
- cash dividend(現金配当)
- reinvest dividends(配当を再投資する)
- dividend distribution(配当の分配)
- interim dividend(一時的な配当、中間配当)
- record date for dividend(配当の基準日)
- dividend reinvestment plan(配当再投資プラン)
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語で「分ける」「分割する」を意味する “dividere” が語源です。
- “dividendum” → “dividend” と変化。
- 元々は「分配されるべきもの」という意味を持ちます。
ニュアンス・使用時の注意点
- 【金融】株主などへの支払いという形で「利益の分け前」というニュアンスがあります。ビジネスシーンで非常にフォーマルに使われる言葉です。
- 【数学】単に「被除数」という定義的な用語として使われ、カジュアル・フォーマル問わず数学の文脈で登場します。
- 日常会話では、「利益の見返り」「恩恵」という比喩として「This will pay dividends (これは将来、大きな利益や成果をもたらす)」のように使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞の可算・不可算
- “dividend” は可算名詞です。
例: “The company announced high dividends this year.”
使用シーン
- ビジネス文書やニュース(フォーマルなシーン)
- 数学の授業・書籍(フォーマル / カジュアルどちらも)
- 口語表現として「pay dividends」(成果をもたらす)もよく使われます。
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術的文脈などでの例文をそれぞれ 3 文ずつ提示します。
A. 日常会話での例
I hope my efforts will pay dividends in the long run.
→ 「私の努力が長い目で見て報われるといいな。」Reading every day really pays dividends in terms of vocabulary growth.
→ 「毎日読書するのは、語彙力アップの点で本当に成果に結びつくよ。」Investing in your health early can yield dividends later in life.
→ 「若いうちから健康に投資しておくと、後々大きな恩恵があるよ。」
B. ビジネスシーンでの例
The board of directors declared a quarterly dividend of $1 per share.
→ 「取締役会は1株あたり1ドルの四半期配当を宣言しました。」Many investors focus on companies that consistently pay high dividends.
→ 「多くの投資家は一貫して高配当を支払う企業に注目します。」Our new marketing strategy should pay dividends in terms of increased sales.
→ 「私たちの新しいマーケティング戦略は、売上増という形で恩恵をもたらすはずです。」
C. 学術的/専門的文脈の例
In the division 12 ÷ 4 = 3, 12 is the dividend, and 4 is the divisor.
→ 「12÷4=3 の割り算において、12が被除数、4が除数です。」Researchers found that early childhood education pays dividends for society at large.
→ 「研究者たちは、幼児教育が社会全体に恩恵をもたらすことを発見しました。」Dividend policy decisions are critical for a firm's financial strategy.
→ 「配当政策の決定は、企業の財務戦略において極めて重要です。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “payout” (支払い)
- 主に「支払額」を指す。dividend ほど「配当」専門ではない。
- “return” (リターン、収益)
- 投資の観点では「リターン」として幅広い利益を指し、配当だけではない。
- “distribution” (分配、配分)
- 配当以外のいろいろな「分配」も含むので、文脈によって意味が変わる。
反意語 (Antonyms)
- “loss” (損失)
- 配当が出せるほど利益が上がっていない場合に使われる概念。
- 配当が出せるほど利益が上がっていない場合に使われる概念。
- “deficit” (赤字)
- 企業が配当を出さず、利益もない状態。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈdɪv.ɪ.dɛnd/
- イギリス英語: /ˈdɪv.ɪ.d(ə)nd/
アクセント
- 最初の “di” (DIV) に強勢があります。
- アメリカ英語では最後の母音が “ɛ” (エ) のように発音される傾向があります。
- イギリス英語では “d(ə)nd” のように曖昧母音 /ə/ になることもあります。
よくある発音間違い
- 最後の “-dend” を “-dent” と間違える。
- 中間の “i” を弱くしすぎて “div-dend” のようにしてしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “dividEnd” なのに “dividAnd” や “dividEnt” と書いてしまうことがある。
- “divide” (動詞) や “divisor” (除数) と混同しないように注意。
- 配当に関する用語なので、TOEIC やビジネス英語の試験でよく出題される。特に株主関連の文章や金融ニュースなどで使われる。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “divide + end = dividend” と覚えると、「分けた末に行きつくもの」というイメージが付きやすいです。
- ビジネスシーンでの “dividend” は「会社が儲けたお金を株主に分ける」→「分割によって受け取るお金」とストーリーで捉えると覚えやすいでしょう。
- 同じ語源の「division(分割)」や「divide(割る)」と関連づけて覚えると良いです。
以上が名詞 “dividend” の詳細な解説です。金融や数学で多用される他、比喩的に「成果・恩恵をもたらす」という意味でも使われます。しっかり覚えておくと、ビジネスシーンや学習に役立つことでしょう。
配当;配当金
被除数