fleet
1. 基本情報と概要
単語: fleet
品詞: 形容詞 (comparative: fleeter, superlative: fleetest)
- 英語の意味: swift, fast, quick
- 日本語の意味: すばやい、素早い、敏捷な
「速く動く」「軽快に移動する」というニュアンスを持ち、スピードや機敏さを強調したいときに使う形容詞です。口語ではあまり頻繁には使われず、文学的・文語的な響きがあるため、ややフォーマルや書き言葉・詩的表現などで見かける場合があります。
CEFRレベル: C1(上級)
- 日常会話ではさほど見かけない表現なので、やや上級レベル(C1)に位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「fleet」は接頭語や明確な接尾語を含む構成ではない単語ですが、同じスペルの名詞「fleet(艦隊)」や、動詞「to fleet(過ぎ去る・素早く移動する、やや古風な表現)」が存在します。同じ形を持ちながら品詞によって意味が変わります。
派生語・類縁語
- fleetness (名詞): すばやさ、敏捷性
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- fleet of foot(足が速い)
- fleet movement(素早い動き)
- fleet runner(俊足のランナー)
- fleet glance(さっと見る、一瞬の視線)
- fleet reaction(機敏な反応)
- fleet pace(素早いペース)
- fleet approach(手早いやり方)
- fleeting moment(束の間の瞬間) ※形容詞“fleeting”は「束の間の~」
- fleet transition(すばやい移行)
- fleet gesture(一瞬の身振り、すばやい身振り)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “flēotan” (流れる・漂う・素早く動く) に由来する言葉とされ、もともと“The water flows swiftly”のようなニュアンスを持っていました。そこから「速い・素早い」という意味が生まれたと考えられています。
使用時の注意点
- 「swift」「quick」などに比べるとやや詩的・文学的な響きが強い単語です。日常会話で使うとやや硬い印象を与えるかもしれませんが、文章や詩の中などではよく目にする可能性があります。
- カジュアルな場面では「fast」や「quick」のほうが一般的です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 形容詞なので可算不可算の区別は不要です。
- 比較級・最上級: fleeter, fleetest という規則変化をします(形容詞が1音節なので -er, -est をつけて変化)。
使い方: 名詞を修飾するときまたは補語(補完・叙述用法)として使われます。
- 例: “He is fleet of foot.”(彼は足が速い)
よくある構文:
- S + be + fleet + (of foot):形容詞の叙述的用法
- a fleet + noun(やや文語調):例 “a fleet-footed runner”
- S + be + fleet + (of foot):形容詞の叙述的用法
フォーマル/カジュアル:
- フォーマルまたは文学表現に近い。カジュアルにはあまり使われないが、あえて古風・詩的な表現にしたい場合に適しています。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“He’s surprisingly fleet for his age.”
- 「彼はその年齢のわりに驚くほどすばやいんだよ。」
“My cat is so fleet that I can hardly catch her.”
- 「うちの猫は本当にすばしっこくて、ほとんど捕まえられない。」
“The children were fleet in running away when they played tag.”
- 「子どもたちは鬼ごっこをしているとき、すばやく走り回っていた。」
(2) ビジネスシーンでの例文
“Our new software ensures a fleet response to customer queries.”
- 「私たちの新しいソフトウェアは、お客様からの問い合わせに素早い対応を可能にします。」
“We need a fleet approach to finalize the project by the deadline.”
- 「締め切りまでにプロジェクトを完了するには、すばやい取り組みが必要です。」
“Her fleet thinking and adaptability made her an asset to the team.”
- 「彼女のすばやい思考と適応力が、チームにとって大いに役立ちました。」
(3) 学術的・文語表現での例文
“In analyzing behavioral patterns, a subject’s fleet reaction time indicates acute sensory acuity.”
- 「行動パターンを分析する際、被験者の素早い反応時間は鋭敏な感覚能力を示す。」
“His fleet movements, reminiscent of a dancer’s grace, fascinated the researchers.”
- 「踊り手の優雅さを思わせる彼の素早い動きは、研究者たちを魅了した。」
“This phenomenon, though fleet, offers profound insights into transient states of matter.”
- 「この現象は束の間ではあるが、物質の瞬間的状態について深い洞察を与えてくれる。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fast(速い)
- より日常的で広範囲に使われる言葉。
- より日常的で広範囲に使われる言葉。
- swift(素早い)
- “fleet”と似ていて、やや文語調かつ美しい動きや流れを想起させる場合に使う。
- “fleet”と似ていて、やや文語調かつ美しい動きや流れを想起させる場合に使う。
- quick(すばやい)
- 単に速度があることを示すのに使う、最も一般的な表現。
- 単に速度があることを示すのに使う、最も一般的な表現。
- rapid(急速な)
- 動き・変化が速いが、ややフォーマルな響き。
- 動き・変化が速いが、ややフォーマルな響き。
反意語
- slow(遅い)
- sluggish(のろい、動きが鈍い)
「fleet」はスピード感や瞬発力を強調している点で「fast」「quick」などと共通しますが、より詩的・文学的な響きを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /fliːt/
- アメリカ英語: [fliːt](“フリート”のように伸ばすイメージ)
- イギリス英語: [fliːt](アメリカ英語との大きな違いはありません)
- アクセントは第1音節 “fleet” のみに置かれます(一音節語なので特に大きな変化はなし)。
- よくある間違いとして “flit” /flɪt/ と混同しやすいことが挙げられます。(“i”の発音が異なる)
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “freet” や “flete” などと誤記することがあります。
- 同音異義語: “fleet” (名詞: 艦隊) と混同する場合があります。しかし文脈で判断が可能です。
- 古風な使用: 動詞の “to fleet” は現代英語では非常にまれなので注意。
- 試験での出題: TOEICや英検ではあまり頻出ではありませんが、読解問題の文脈や文学的文章などで出てきた際に意味を知っておくと有利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “fleet” という音は「フリート」と発音し、伸びやかなイメージがあるので「スッと伸びて速い動き」を連想すると覚えやすいかもしれません。
- 名詞の “fleet”(艦隊)も、船が一斉にすばやく行動するイメージと結びつけると記憶に定着しやすいです。
- 似たスペリングの “flit” (素早く動く、飛び回る) とも近いイメージなので、セットで思い出すとよいです。
以上が形容詞「fleet」の詳細な解説です。文脈を踏まえた上で、迅速さや軽快な印象を与えたいときにぜひ活用してみてください。
速い(fast, swift)
すばやく動く
《be fleet of foot》足が速い.