最終更新日:2025/11/29
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元となった辞書の項目

discretion

分別,慎重さ(prudence) / (行動・選択などの)判断の自由;自由裁量

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解説

以下では、英単語 discretion をできるだけ詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

単語: discretion

品詞: 名詞 (不可算名詞として使われることが多い)

意味 (英語・日本語)


  • (英) discretion: the quality of behaving or speaking in such a way as to avoid causing offense or revealing confidential information; the freedom to decide or choose.

  • (日) 「慎重さ」「思慮分別」「裁量権」といった意味を持つ単語です。例えば誰かに対して「(自分の判断で)ご自由に決めてください」という場面や、「慎重に言動を選ぶ必要がある」状況で使われます。

「discretion」は、「判断力や慎重さを伴って、自分の意思で決める」というイメージが強いです。ビジネスシーンなどでも「ご自身の裁量で決めてください(Use your discretion)」のように使われます。

活用形

名詞なので、動詞のように時制ごとの活用はありません。複数形で “discretions” という形も理論上はありますが、実際にはほとんど使われず、通常は不可算名詞として用いられます。

他の品詞・派生形


  • 形容詞: “discretionary”

    例: “discretionary power” (裁量権)

  • 形容詞: “discreet” (スペルが似ていますが、やや意味が異なり「慎重な」「控えめな」の意味)

  • 副詞: “discreetly” (控えめに、慎重に)

CEFRレベルの目安


  • B2(中上級)

    日常会話だけでなく、ビジネス文書や専門書などにもしばしば登場する語です。使う場面によってはニュアンスの把握が必要なので、中上級レベルに位置づけられます。


2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • 語源: ラテン語の「discretio(区別すること)」から派生。

  • 接頭語: 特に顕著な接頭語はなし (“dis-” のイメージとは別に、ラテン語そのものからの流入)。

  • 語幹: “creti-” (ラテン語で “cernere” 「見分ける、分ける」に由来)。

関連語や類縁語


  • “discreet” (形容詞: 慎重な)

  • “discrete” (形容詞: 別々の、離散の) — スペルが似ているが意味が異なるので注意。

よく使われるコロケーション(共起表現)10選


  1. use one’s discretion「自分の裁量を行使する」

  2. at the discretion of 〜「〜の判断で/〜の裁量によって」

  3. exercise discretion「裁量を行使する」

  4. sole discretion「唯一の裁量権」

  5. absolute discretion「絶対的な裁量権」

  6. discretion is advised「慎重さが求められる」

  7. editorial discretion「編集上の裁量」

  8. discretion in handling personal information「個人情報の取り扱いにおける慎重さ」

  9. leave it to someone’s discretion「(人)の裁量に任せる」

  10. show (some) discretion「慎重さを示す」


3. 語源とニュアンス

語源


  • ラテン語「discretio(分別、区別)」から、フランス語を経て英語に入ったと言われています。

  • 元々は「区別する」という意味を持ち、「どのようにふるまうか、何を言うかなどを分別する・見極める」という意味に発展しました。

微妙なニュアンスと使用時の注意点


  • 「慎重さ」と「裁量権」: 状況によっては「慎重に判断する力」を指す場合と、「自律的に決めることができる」裁量の意味合いが強い場合があります。

  • 文章か口語か: フォーマルなビジネスシーンで比較的よく使われますが、口語でも「Use your discretion.」のようにシンプルに用いられることがあります。

  • カジュアルに使うときは少し堅苦しい印象を与えることもあるので注意が必要で、よりカジュアルに言うなら “It’s up to you.” などの表現を使います。


4. 文法的な特徴と構文


  1. 不可算名詞として扱われることが多い


    • 「a discretion」と冠詞をつけて言うことはあまりなく、多くの場合「discretion」として単体で使います。


  2. フォーマルな文脈では “at someone’s discretion” という形で「〜の裁量で」という表現が定型的によく用いられます。

  3. 文章表現:


    • “The matter was left to her discretion.”

    • “We should proceed with discretion.”


  4. 口語表現:


    • “Use your own discretion!”



5. 実例と例文

A. 日常会話 (カジュアル)


  1. “Use your discretion when you choose what to wear for the party.”

    (パーティーに何を着るかはあなたの判断に任せます。)

  2. “I trust your discretion, so feel free to decide for both of us.”

    (あなたの慎重さ・判断力を信頼しているから、私たち二人分の決定をお任せします。)

  3. “Please show some discretion when you talk about this topic.”

    (このトピックを話すときは、ちょっと慎重になってください。)

B. ビジネス (フォーマル)


  1. “All employees are expected to exercise discretion when handling sensitive information.”

    (全従業員は機密情報を扱う際に慎重さを求められる。)

  2. “The final decision will be made at the discretion of the board members.”

    (最終決定は取締役会の裁量で行われる。)

  3. “Given the nature of the project, customer information must be treated with strict discretion.”

    (プロジェクトの性質上、顧客情報は厳重に扱わなければならない。)

C. 学術的・専門的な文脈


  1. “The concept of judicial discretion is central to many legal systems.”

    (司法裁量の概念は、多くの法体系で中心的な役割を果たす。)

  2. “Researchers must demonstrate discretion when publishing sensitive data.”

    (研究者は機密データを公開するときに慎重さを示さなくてはならない。)

  3. “Discretionary authority can significantly influence policy outcomes.”

    (裁量権は政策の結果に大きな影響を及ぼしうる。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. prudence(慎重さ)


    • 物事を判断するときの「用心深さ」を強調。


  2. judgment(判断力)


    • より広義で、客観的・主観的両面の「判断力」を指す。


  3. circumspection(用心深さ)


    • 周囲の状況に合わせて注意深く行動するニュアンス。


反意語


  1. indiscretion(軽率さ)


    • 「慎重さを欠いた行動」を表す。


  2. recklessness(無謀)


    • 危険をかえりみない無茶な振る舞い。


  3. imprudence(無分別)


    • 「不注意さ」や「賢明さを欠く」ニュアンス。



7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)


  • /dɪˈskrɛʃən/

アメリカ英語とイギリス英語の違い


  • 両方とも大きな違いはありませんが、アメリカ英語のほうが /r/ 音がはっきり聞こえる場合があります。

強勢(アクセント)の位置


  • “dis-cre-tion” の “cre” の部分にアクセントがあります。

  • [dih-skresh-uhn] のように「skresh」にストレスを置いて発音します。

よくある発音の間違い


  • “dis-cre-shon” のように「dic」や「dis-cra-tion」と誤って発音してしまうことがあるため注意してください。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルの混同


    • “discret*ion” と “discrete*” は別単語。意味も違うので注意。


  2. 品詞での混乱


    • 形容詞 “discrcet” (“慎重な”) と「discretion」 (“慎重さ・裁量”) は関連があるがスペルが異なる。


  3. 試験での使用例


    • TOEICや英検の読解・語彙問題で、ビジネス文書などの文脈における「裁量」「慎重さ」の意味で出題される可能性がある。

    • “Use your discretion.” = “You are free to decide.” となることに注意。



9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「dis(離れる) + cern(見分ける)」から来たイメージ

    「様々な要素を切り離し、判断する⇒ 慎重に考える・選択する」のイメージで覚えると定着しやすいです。

  • 似た語をまとめて覚える


    • “discreet” (慎重な) / “discrete” (離散の) / “discretion” (慎重さ・裁量)


  • シチュエーション連想

    「上司が“Use your discretion.”と言ったら、自分で案を決めていいんだ!」というイメージを描くと覚えやすいです。


以上が “discretion” の詳細解説です。

「相手の気持ちや状況をしっかり踏まえた上で自分の判断を下す」というニュアンスをもつ、使い勝手の良い単語です。ぜひ日常会話やビジネスシーンでも活用してみてください。

意味のイメージ
discretion
意味(1)

分別,慎重さ(prudence)

裁判官には慎重さがなくてはならない。

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意味(2)

(行動・選択などの)判断の自由;自由裁量

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ビジネス英単語(BSL) / 和訳 / 4択問題

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