元となった辞書の項目
ruin
解説
名詞 ruin
を徹底解説
1. 基本情報と概要
単語: ruin
品詞: 名詞 (もともと名詞だけでなく動詞としても使われます)
- 英語での意味: the remains of something destroyed or decayed; great damage or destruction
- 日本語での意味: 壊れた建物や都市の遺跡、または破滅、荒廃などを指します
「ruin」は、建物や遺跡などが壊れてしまい残骸になった状態を表したり、人や組織が経済的・精神的な「破滅」に至る様子を表す単語です。歴史的建造物が倒壊して残ったものにも「ruins」という形で使われますし、比喩的に人生や計画の「破滅」というニュアンスでも使われます。
活用形
- 名詞形: ruin (単数), ruins (複数)
- 動詞形: ruin (、ruined, ruining)「~を台無しにする、破滅させる」
他の品詞形
- 動詞: to ruin (例: “Don’t ruin the surprise!”)
- 形容詞(慣用的な派生形はあまり用いられないが、一部の表現として
ruined
=「荒廃した、破滅した」が形容詞的に使われることはある)
CEFR レベルの目安
- B2(中上級): 一般的に「歴史の遺跡」「経済的破滅」など、抽象的な概念を理解できるようになったレベルで使われる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: ruin
- 特に明確な接頭語や接尾語を持たない単語ですが、「-ruin-」という部分そのものがラテン語由来の“落ちる・崩れる”などの意味を表してきました。
詳細な意味
- (名詞) 遺跡や廃墟
例: the ruins of an ancient castle(古代の城の廃墟) - (名詞) 破滅、崩壊、破産
例: The scandal brought about his ruin.(そのスキャンダルが彼の破滅をもたらした)
コロケーションや関連フレーズ(10個)
- ancient ruins(古代の遺跡)
- fall into ruin(荒廃へと至る)
- bring about one’s ruin(~の破滅をもたらす)
- be in ruins(廃墟状態である)
- financial ruin(経済的破滅)
- ruin a relationship(関係を台無しにする)
- lay in ruins(無残に崩壊した状態である)
- leave something in ruins(~を破壊しつくす)
- a ruined temple(荒廃した寺院)
- be on the brink of ruin(破滅寸前である)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の「ruīna(崩壊・倒壊)」に由来し、英語には中世フランス語を経由して入ってきたとされます。もともとは「崩れる」という動詞「ruere」に根があり、転じて「崩れた残骸」や「破滅」という名詞的イメージになりました。
ニュアンス
- 歴史的建造物の廃墟を指すときはややロマンチックな、あるいは哀愁を帯びたニュアンスがあります。
- 一方、人や企業の「破滅」を示す場合は取り返しのつかない深刻な状態を表します。
- カジュアルというよりややフォーマル寄りですが、日常会話でも「台無しにする」の意味で動詞としてよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
名詞として
- 可算名詞として「廃墟や遺跡」を表す場合: “the ruins” (複数形で使われやすい)
- 抽象的意味(破滅)としては不可算的に用いられることもある: “He faced ruin.”(彼は破滅に直面した)
- 可算名詞として「廃墟や遺跡」を表す場合: “the ruins” (複数形で使われやすい)
動詞として
- 他動詞: “to ruin something” (例: “You ruined my day.”)
- 目的語が必ず必要なパターンが多いです。
- 他動詞: “to ruin something” (例: “You ruined my day.”)
よくある構文・フレーズ
- go to ruin(荒廃する、破滅に陥る)
- be reduced to ruin(完全に破滅する)
- go to ruin(荒廃する、破滅に陥る)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例
- “Let’s visit the ancient ruins outside the city this weekend.”
(今週末に街の外にある古代遺跡を見に行こうよ。) - “I tried to fix the cake, but it ended in ruin.”
(ケーキを直そうとしたけど、結局台無しになっちゃった。) - “After the fight, their friendship was in ruins.”
(ケンカのあと、彼らの友情は崩壊してしまった。)
(2) ビジネスでの例
- “If this investment fails, our company will face financial ruin.”
(この投資が失敗すれば、我が社は経済的破滅に直面するだろう。) - “He rebuilt the business from the brink of ruin.”
(彼は破滅寸前から事業を立て直した。) - “The scandal left the brand’s reputation in ruins.”
(そのスキャンダルによってブランドの評判は台無しになった。)
(3) 学術的な文脈での例
- “The archaeologist examined the ruins to learn about ancient civilizations.”
(考古学者は古代文明について学ぶためにその遺跡を調査した。) - “His thesis discusses the socioeconomic factors leading to the ruin of empires.”
(彼の論文は帝国の破滅へとつながる社会経済的要因について論じている。) - “This castle ruin showcases medieval architecture.”
(この城の廃墟は中世の建築様式を示している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- wreck (レック)
- 「難破船」「潰れた車」など物が壊れた状態を主に指す。ruinよりも物理的破損に焦点を当てる。
- 「難破船」「潰れた車」など物が壊れた状態を主に指す。ruinよりも物理的破損に焦点を当てる。
- remains (リメインズ)
- 「残骸」「遺体」。ruinと似ているが、より包括的に「残っているもの」を指す。
- 「残骸」「遺体」。ruinと似ているが、より包括的に「残っているもの」を指す。
- debris (デブリー)
- 「がれき」「破片」。災害時や衝突などで散乱した破片を指し、ruinより細かい破片のイメージが強い。
反意語
- restoration (レステイション)
- 「修復、復元」。ruinが崩壊や破滅を表すのに対して、その崩壊したものを元の状態に戻そうとする行為や状態を指す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈruː.ɪn/
- 強勢: 第1音節“ru”に強勢があります。
- よくある間違い: 語尾の“in”を弱く、曖昧にして “ru-en” のように発音しがちなので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「ruine」「run」などと間違いがち。
- 同音異義語との混同: 特にはありませんが、
ruin
とruins
(複数形)を文脈に合わせて使い分けましょう。 - 試験対策: TOEICや英検などのリスニングやリーディングで、建物の廃墟や企業の破綻の話題などで出題される可能性があります。特に「go to ruin」「face ruin」などの熟語は覚えておくと役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 発音のヒント: 「ルーイン」と伸ばしてから「イン」と言う。
- イメージ: 大きな建物が崩れて瓦礫(がれき)だけが残っている状態をイメージすると忘れにくいです。
- 勉強テクニック: 「ruin(廃墟) → ルーイン → ルイン → 廃墟や破滅」と日本語の響きと結びつけることで覚えやすくなることがあります。
- ストーリーで覚える: “He explored the ruins of a castle and found a secret passage.” のような物語を思い浮かべると、単語カードだけでなくイメージごと記憶できます。
以上が名詞 ruin
の詳細解説です。遺跡や破滅という意味を同時に持つ、印象的な単語ですので、ぜひイメージを伴って覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉(…の)破滅,崩壊,没落;破産《+of+名》
意味(2)
〈C〉崩壊(荒廃)した物,残がい;《複数形で》廃墟(はいきょ)
意味(3)
《単数形で》破滅(崩壊)させるもの(原因)