元となった辞書の項目
edge
解説
名詞 “edge” の詳細解説
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “edge”
- 日本語: 「縁(ふち)」や「端(はし)」、あるいは比喩的に「優位性」「鋭さ」
「edge」は物の端っこや縁を指す基本的な名詞です。たとえばテーブルの縁や崖っぷちなど、境界や端を強調したいときに用います。また比喩的に「競争における優位性」を表すこともあり、日本語でも「彼は他より一歩リードしている」のようなニュアンスで使われます。他にも「とがった雰囲気」や「刺激的要素」を表すときにも使われることがあります。
品詞
- 名詞 (可算名詞)
活用形・派生形の例
- 複数形: edges (エッジズ)
- 派生語:
- edgeless (形容詞) — 縁のない
- edgy (形容詞) — 神経質な、尖った雰囲気がある
- to edge (動詞) — (少しずつ)動かす、近づく、押しのける(他動詞・自動詞)
- edgeless (形容詞) — 縁のない
CEFRレベルの目安
- B1 (中級)
→ 基本的な語彙力を少し超えたレベルですが、日常会話や文章でもわりとよく見かける単語です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 「edge」は、はっきりした接頭語・接尾語を持たない短い語で、語幹「edg-」が変化して現在の形になったと考えられます。
他の単語との関連性(派生語や類縁語)
- edgy (形容詞): 「とげとげしい」「尖っている」「神経質な」
- edging (動名詞/現在分詞): 「縁取りすること」「縁飾り」
よく使われるコロケーション10選
- cutting edge → 最先端
- leading edge → 最先端・トップレベル
- on the edge of a cliff → 崖っぷちに
- have an edge over the competition → 競合に対して優位性を持つ
- push someone over the edge → 人を限界まで追い込む
- edge of the table → テーブルの縁
- edge out (someone) → (僅差で)勝つ・押しのける
- rough edge → 荒削りな部分
- smooth edge → 滑らかな縁
- on the edge of one’s seat → (物語や映画などに)ハラハラして
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語「ecg(刃・鋭い刃の先)」が語源です。もともとは「刃先」を意味しており、そこから「縁、端」という意味に派生しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「edge」は物理的に物の端を指すときが最も直接的な意味です。
- 「have an edge over (someone)」のように比喩的に「優位性」を指す場合はフォーマルな文書やビジネスシーンでもよく使われます。
- 「push someone to the edge」は精神的に追い詰めるニュアンスが強く、少しドラマチックな響きになることがあります。
口語か文章か、カジュアルかフォーマルか
- 一般的な会話からビジネス文章、学術的な場面まで幅広く使われます。
- 「edge over the competition」のようにビジネスシーンで「優位性」を表す場合や、「cutting edge」のように「最先端技術」を示すときにはフォーマルな文脈でも十分に通用する単語です。
- 「on the edge of my seat」のようにカジュアルに使うイディオム的な表現も日常会話でよく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として可算名詞扱い: 例) one edge, two edges
- 動詞としても使用可能: “to edge forward”=少しずつ前に進む
- 「edge」の名詞用法は主語や目的語で使われますが、多くの場合「the edge of ~」という形で所有・所属の表現とともに現れます。
一般的な構文例
- the + edge + of + 物: “the edge of the cliff”
- have/get an edge over + 人/物: “He has an edge over his competitors.”
- be on the edge of + 名詞/動作: “She was on the edge of tears.”
5. 実例と例文
(1) 日常会話で使われる例文
- “Be careful! You’re standing too close to the edge of the pool.”
(気をつけて!プールの縁に近すぎるよ。) - “This table’s edge is quite sharp, watch your elbow.”
(このテーブルの縁は結構鋭いから、ひじに気をつけて。) - “I’m on the edge of buying a new phone, but I can’t decide yet.”
(新しいスマホを買おうか迷っているところなんだけど、まだ決められないんだ。)
(2) ビジネスシーンで使われる例文
- “Our company has an edge over the competition due to our advanced technology.”
(我が社は先進的な技術により競合他社に対して優位性があります。) - “Maintaining a cutting-edge approach is crucial in today’s market.”
(今日の市場では最先端のアプローチを維持することが極めて重要です。) - “We need to find ways to edge out our rivals in this sector.”
(この分野でライバルを僅差で凌駕する方法を見つける必要があります。)
(3) 学術的・専門的な文脈で使われる例文
- “The experiment examined the effect of heat on the metal’s edge durability.”
(その実験は金属の縁の耐久性に熱が及ぼす影響を調べた。) - “Cutting-edge research often leads to significant scientific breakthroughs.”
(最先端の研究はしばしば画期的な科学的発見につながる。) - “Edge detection is a fundamental process in image processing algorithms.”
(エッジ検出は画像処理アルゴリズムの基本的なプロセスです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (synonyms)
- border (境界)
- 物理的にも比喩的にも使えるが、「国境」や「仕切り」の印象が強い。
- 物理的にも比喩的にも使えるが、「国境」や「仕切り」の印象が強い。
- rim ((器などの)ふち)
- より丸みを帯びた”ふち”に使われることが多い。
- より丸みを帯びた”ふち”に使われることが多い。
- margin (余白・余地)
- 紙の余白など、境界領域を示すことが多い。
反意語 (antonyms)
- center (中心)
- 「中心部」を意味し、「edge」の反対となる位置関係を表す。
- 「中心部」を意味し、「edge」の反対となる位置関係を表す。
- middle (真ん中)
- 「真ん中」を意味する日常的な単語。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記: /edʒ/
- アメリカ英語: [ɛdʒ]
- イギリス英語: [edʒ]
強勢の位置は特に移動しません。短い単語なのでひとまとまりで「エッジ」のように発音します。
よくある間違いとしては末尾の [dʒ] (「ヂュ」音)の発音が甘くなり、「エジー」と伸びてしまう場合です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “egde” と並び替えてしまう誤り。
- 同音異義語: 特に“edge”と似た発音の単語は少ないですが、[ɛdʒ]の音を間違えて/ɛg/などと発音してしまうことがある。
- 試験対策: TOEICや英検などのビジネスシーンや長文読解で、「competitive edge」や「cutting edge」という形でよく登場します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「切り口(刃先)」から「端・境界」を連想しやすい
- 「優位性」を表すときは、「刃こぼれせずに鋭く先行しているイメージ」と考えると覚えやすい
- “This is cutting edge!”(これは最先端だ!)の一連表現を丸ごと覚えておくと便利
「edge」は日常・ビジネス問わず幅広く使われる重要単語なので、「端っこ」「鋭利」「優位性」という3つのイメージを軸にすると覚えやすいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉縁,端;(峰などの)背
意味(2)
〈C〉(刃物の)刃;〈U〉(刃の)鋭利さ
意味(3)
〈U〉(欲望などの)強さ,激しさ