元となった文法の項目
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A2.1-B1.2
助動詞: must
「~しなければならない」を表すmust
説明
以下では、助動詞「must」について、より詳しくわかりやすく解説します。
助動詞とは?
英語の助動詞(modal verb)は、動詞の前につけることで、もとの動詞に「話し手の気持ち」や「状況的な意味合い」を加える役割を果たします。
例:
- run(走る) → must run(走らなければならない)
- eat(食べる) → must eat(食べなければならない)
このように、助動詞を付けるだけで、動詞の意味に「義務」や「可能」「推量」などさまざまなニュアンスを加えることができます。
「must」と「have to」の違い
「~しなければならない」という場合、英語には主にmustとhave toがあります。一見すると同じ意味に思えますが、次のようなニュアンスの違いがあります。
外的要因からの義務: have to
- 規則や法律、周囲の状況など、話し手以外が決めた義務や必要性を表すときによく使われます。
- 例:
- You have to wear a seatbelt.
- 「(法律・安全上の規則があるから)シートベルトをしないとダメだよ。」
- You have to wear a seatbelt.
- 規則や法律、周囲の状況など、話し手以外が決めた義務や必要性を表すときによく使われます。
主観的な強い義務: must
- 話し手の意思・判断によって「絶対にしなくてはならない」と強く感じているときに使われます。
- 例:
- You must finish this project by tomorrow.
- 「(私が強くそう思っているから)明日までに絶対やり遂げないとダメだよ。」
- You must finish this project by tomorrow.
- 話し手の意思・判断によって「絶対にしなくてはならない」と強く感じているときに使われます。
同じ「帰らなければならない」という表現でも、以下のように微妙に意味合いが変わります。
- You have to go home.
- (何らかの事情・ルールにより)帰宅しないといけないよ。
- (何らかの事情・ルールにより)帰宅しないといけないよ。
- You must go home.
- (話し手が強く思っていて)絶対に帰らないと、(私や状況が困るのだ)。
- (話し手が強く思っていて)絶対に帰らないと、(私や状況が困るのだ)。
否定形の違い
must not
- 「~してはいけない」という強い禁止の意味になります。
- 例: You must not leave your seat.
- 「席を離れては絶対ダメだよ。」
- 例: You must not leave your seat.
don’t have to
- 「~する必要はない」という、義務が存在しないことを表します(禁止ではありません)。
- 例: You don’t have to come to the meeting.
- 「会議に来なくてもいいよ(来たくなかったら来なくてOK)。」
- 例: You don’t have to come to the meeting.
このように、must notとdon’t have toは、まったく違う意味になるので注意が必要です。
まとめ
- must → 話し手が主観的に「強くそうすべき」と考えている場合に用いられる。「絶対に」というニュアンスが強い。
- have to → 外部の要因や一般的なルールによって「そうしなければならない」という義務を表す。
- must not → 「絶対に~してはいけない」という強い禁止を表す。
- don’t have to → 「~する必要はない」という義務の否定を表す(禁止ではない)。
実際の会話や文章では、文脈や話し手の意図によって使い分けることで、より正確に自分の気持ちや状況を伝えることができます。ぜひ、例文を作って練習しながら、使い方の違いを体感してみてください。