元となった文法の項目
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B2.2
as if/as though + 仮定法過去完了
「まるで~だったかのような」を表す
説明
以下では、as if / as though + 仮定法過去完了 について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. as if / as though の基本的な働き
- as if / as though は「まるで~である(あった)かのように」といった意味をもつ接続詞で、副詞節を導きます。
- 話し手が「実際にはそうではない」「真実だとは思えない」と考えている内容を表現するときに、仮定法 を用いるのが特徴です。
例
- He talks as if he knew everything.
→「まるで何でも知っているかのように彼は話す」
(実際は何でも知っているわけではないと、話し手は思っている)
2. 仮定法過去と仮定法過去完了との使い分け
as if / as though が導く節で仮定法を使うときは、大きく分けて次の2種類があります。
仮定法過去 (過去形を使う形)
- 「まるで~であるかのように」という意味を表し、現在の事実とは異なる(反する)様子を示します。
- 主に “be動詞” の場合は were を使うのが典型ですが、口語では was も用いられることがあります。
仮定法過去完了 (had + 過去分詞を使う形)
- 「まるで~であったかのように」という意味を表し、過去の事実とは異なる(反する)様子を示します。
- 「今より前の時点で実際にはそうではなかった」ことを表すため、過去完了形 (had + 過去分詞) が使われます。
3. 仮定法過去完了を使う理由:過去の事柄への言及
「過去の出来事」を「まるで~であったかのように」と述べたい場合、as if / as though + 仮定法過去完了 を使います。これは、主節の示す時点よりも「さらに前」に起こった(はずの)出来事を仮定しているからです。
- 例:
He looked as if he had seen a ghost.
→「まるで幽霊でも見たかのような顔をしていた」
- 主節「He looked(彼は~のように見えた)」は過去の出来事。
- as if 節「he had seen a ghost」は、それよりも前に「実際には見なかった(はず)の出来事」を仮定している。
- 主節「He looked(彼は~のように見えた)」は過去の出来事。
このように、過去の時点に遡って「本当は起きていない(と話し手が考えている)」事柄を表すために、仮定法過去完了 を用います。
4. まとめ
- as if / as though は「まるで~である(あった)かのように」という意味で、副詞節を導く。
- 現在の事実とは異なる様子を表現するときは 仮定法過去 を使う。
- 例: She behaves as if she were a queen.
- 例: She behaves as if she were a queen.
- 過去の事実とは異なる様子を表現するときは 仮定法過去完了 を使う。
- 例: He looked as if he had won the lottery.
- 例: He looked as if he had won the lottery.
- 〈SV + as if + 仮定法過去完了〉 の形では、主節が示す時より前の時点における、実際には起こらなかったであろう事柄を表す。
以上を踏まえて、as if / as though + 仮定法過去完了 は、「過去に起こったかのように見える(または思わせる)けれど、実際にはそうではなかった」と言いたいときに使う、という点を押さえておきましょう。