元となった辞書の項目
vanity
名詞
〈U〉(容姿・才能などにおける)『虚栄心』,うぬぼれ / 〈U〉(…の)『空虚さ』,はかなさ,無益さ《+of+名(doing)》 / 〈C〉むなしい物(行為) / 〈C〉(女性の)携帯用化粧バッグ
解説
1. 基本情報と概要
単語: vanity
品詞: 名詞 (noun)
活用形:
- 単数形: vanity
- 複数形: vanities
英語での意味:
- Excessive pride in or admiration of one’s own appearance or achievements.
- A piece of furniture like a dressing table, or a bathroom unit with a mirror and sink.
日本語での意味:
- 自惚(うぬぼ)れ、虚栄心 (容姿や能力などへの過度な自尊心)
- 化粧台や洗面台(「バニティテーブル」「バニティ」と呼ばれる家具)という物理的な意味もある。
「vanity」は「自分の外見や能力を過大評価したり、他人からの称賛を求めすぎるような虚栄心」を指す単語です。日常生活や文学作品の中では「見栄を張る」イメージと関連してよく使われます。また洗面台や化粧台を表す具体的な名詞としても使われることがあります。
他の品詞例:
- 形容詞形: vain(「虚栄心の強い」「無駄な」という意味を持つ形容詞)
- 例: “He is very vain about his appearance.” (彼は自分の外見についてとても虚栄心が強い)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常的な話題から、一段階踏み込んだ抽象的なトピックまで理解して使いこなせるレベル。文学作品や高度な内容の教材にも少し踏み込める段階です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 語幹: “van-” (ラテン語の “vanus” = “空虚な、内容がない” に由来)
- 接尾語: -ity (ラテン語由来で、名詞化する機能を持つ “-ity”)
関連語 / 派生語:
- vain (形容詞): 「うぬぼれの強い」「無駄な」
- vanity fair: 有名な文学作品のタイトルとしても知られる(『虚栄の市』)
- vanity plate: カスタムナンバープレート
よく使われるコロケーション(例)
- personal vanity(個人的な虚栄心)
- excessive vanity(過度の虚栄心)
- female vanity / male vanity(女性/男性の虚栄心)
- vanity mirror(化粧用鏡)
- vanity project(名声や虚栄を目的とするプロジェクト)
- vanity press(著者が費用を負担する自費出版)
- sheer vanity(まったくの虚栄心)
- vanity table(化粧台)
- vanity fair(「虚栄の市」または雑誌名としても使われる)
- vanity sink(洗面台)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語 “vanus” (空虚な) → 中期英語 “vanite” → 現代英語 “vanity”。元々「中身が空っぽ、自惚れ」という意味が由来です。
ニュアンスや使用時の注意点:
- 「vanity」は「うぬぼれ」や「見栄」というネガティブなニュアンスを帯びることが多いです。人の性格を評するときに使うと、「見栄っ張り」や「根拠のないプライド」といった込み入った感情を示すことになります。
- 家具としての「vanity」(化粧台・洗面台)として使う場合には、特にネガティブなニュアンスはありません。状況に応じて意味が異なるため、文脈が大切です。
- 文章(書き言葉)・会話(口語)のどちらでも使われますが、絵画や文学作品などでは「人生の儚さ」(memento mori的なニュアンスを帯びる場合)を示唆することもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞: 可算名詞として扱われる場合と、不可算名詞的に使われる場合の両方があります。
- 可算: 家具や個別の「虚栄心の行為」を指す“a vanity” / “vanities”
- 不可算: 人の性格としての「虚栄」を大まかに指すとき “Vanity is one of his flaws.”
- 可算: 家具や個別の「虚栄心の行為」を指す“a vanity” / “vanities”
- 使用シーン:
- フォーマル・カジュアルどちらでも使うが、特に文学的・フォーマルな文脈でよく目にする単語です。
- フォーマル・カジュアルどちらでも使うが、特に文学的・フォーマルな文脈でよく目にする単語です。
- 一般的構文 (例):
- “His vanity made him blind to other people's feelings.”
- “She bought a new vanity for her bedroom.”
- “His vanity made him blind to other people's feelings.”
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I think his constant bragging is just vanity.”
- (彼が絶えず自慢しているのは、ただの虚栄心だと思うよ。)
- (彼が絶えず自慢しているのは、ただの虚栄心だと思うよ。)
- “She spends a lot of time in front of the vanity mirror every morning.”
- (彼女は毎朝、化粧台の前でたくさんの時間を費やすんだ。)
- (彼女は毎朝、化粧台の前でたくさんの時間を費やすんだ。)
- “Don’t let vanity push you to buy unnecessary things.”
- (見栄を張って不必要な物を買わないようにしてね。)
ビジネスでの例文
- “We should avoid vanity projects and focus on core objectives.”
- (虚栄心だけのプロジェクトは避け、主要な目標に集中するべきだ。)
- (虚栄心だけのプロジェクトは避け、主要な目標に集中するべきだ。)
- “His vanity often leads to unrealistic ambitions in our marketing plans.”
- (彼の虚栄心が原因で、しばしば私たちのマーケティング計画が非現実的になる。)
- (彼の虚栄心が原因で、しばしば私たちのマーケティング計画が非現実的になる。)
- “Vanity can undermine honest teamwork and corporate culture.”
- (虚栄心は誠実なチームワークや企業文化を損ねかねません。)
学術的・フォーマルな文脈の例文
- “In her thesis on social dynamics, she analyzes the role of vanity in interpersonal relationships.”
- (社会的ダイナミクスに関する彼女の論文では、対人関係における虚栄心の役割が分析されている。)
- (社会的ダイナミクスに関する彼女の論文では、対人関係における虚栄心の役割が分析されている。)
- “Philosophers have long debated the moral implications of human vanity.”
- (哲学者たちは、人間の虚栄心がもつ道徳的影響について長年議論してきた。)
- (哲学者たちは、人間の虚栄心がもつ道徳的影響について長年議論してきた。)
- “The artwork symbolizes the fragility of life and the pervasiveness of vanity.”
- (その芸術作品は生命の儚さと虚栄心の蔓延を象徴している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- pride(プライド / 誇り)
- “Vanity” が他者からの称賛を過度に求めるニュアンスが強い一方で、 “pride” はポジティブに自尊心や誇りを指す場合もある。
- “Vanity” が他者からの称賛を過度に求めるニュアンスが強い一方で、 “pride” はポジティブに自尊心や誇りを指す場合もある。
- conceit(自惚れ / うぬぼれ)
- “Vanity” と非常に近い意味だが、 “conceit” は「自己中心的な考え」や「うぬぼれた思考」を直接的に意味する。
- “Vanity” と非常に近い意味だが、 “conceit” は「自己中心的な考え」や「うぬぼれた思考」を直接的に意味する。
- arrogance(傲慢 / 横柄)
- “Vanity” が外見や評価に対する強いこだわりを表すのに対し、 “arrogance” は他者を見下すような態度を強調する。
- “Vanity” が外見や評価に対する強いこだわりを表すのに対し、 “arrogance” は他者を見下すような態度を強調する。
反意語
- humility(謙虚さ)
- “Vanity” に対して真逆の概念として用いられる。自分への過剰な関心ではなく、謙虚な態度を示す場合。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- イギリス英語: /ˈvæn.ə.ti/
- アメリカ英語: /ˈvæn.ə.t̬i/
アクセント(強勢):
- “van” の部分にアクセントが来る: VAN-i-ty
よくある発音ミス:
- “ヴァニティ”の「ヴァ」の音を弱く “バニティ” と発音してしまうケースがあります。英語の “v” は下唇を軽く噛む音に注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “vain” (形容詞) と “vein” (血管) との混同: スペルも意味も全く異なるので要注意。
- “vanity” を「自尊心」や「誇り」と混同しがちだが、 “vanity” は過度または根拠薄の自惚れを示すため、ニュアンスをしっかり区別する。
- “vanity” が家具を指す場合は、特にアメリカ英語で「洗面台」や「化粧台」のことを指すことが多い。文脈によって意味が異なるため注意。
- TOEICや英検といった英語試験では、やや文学的・抽象的な話題の読解に登場しやすい単語として出ることがある。日常会話での使用頻度はそこまで高くないが、読解では理解必須。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源の「vanus(空っぽ)」から「見かけだけで中身が空っぽ」というイメージを思い出すと覚えやすい。
- “Vanity Fair” といった有名な文学作品や雑誌タイトルを関連づけて覚えるのも有効。
- スペリングは “van + i + ty” と、3パーツで分解して覚えるとミスが少ない。
- “vain”(形容詞)の派生とセットで覚えると、文脈に合わせて使い分けやすくなる。
以上が名詞 “vanity” の詳細解説です。虚栄心を表す深いニュアンスから家具の名前に至るまで、文脈により意味がガラッと変わるので、使う場面と相手に注意しながら活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉(容姿・才能などにおける)虚栄心,うぬぼれ
意味(2)
〈U〉(…の)空虚さ,はかなさ,無益さ《+of+名(doing)》
意味(3)
〈C〉むなしい物(行為)
意味(4)
〈C〉(女性の)携帯用化粧バッグ