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tactile
解説
以下では、形容詞「tactile」をさまざまな観点から詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語&日本語)
- 英語: “tactile” means “relating to the sense of touch; perceptible by touch.”
- 日本語: 「tactile」は「触覚に関する、触知できる」という意味です。
- 触覚や手触り、物理的に触れることに強く焦点を当てた形容詞です。「触ってわかる」「触れることで感じられる」というニュアンスがあります。「デザインが触れて楽しい」とか「触感を重視した製品」などの場面で使えます。
品詞と活用
- 品詞: 形容詞(adjective)
- 活用形: 形容詞なので、動詞のような時制変化はありません。比較級・最上級も通常の形容詞と同じく“more tactile / most tactile”となりますが、実際にはあまり使われません。
他の品詞になったときの例
- 名詞形: “tactility” (触覚性、触感)
- 例: “The tactility of this fabric is amazing.”(この生地の触感は素晴らしい。)
CEFRレベル目安
- B2(中上級)
専門的な文脈(デザインや医療など)で使われることもあり、やや上級寄りの単語ですが、日常ではそこまで頻繁には登場しないため、中上級者に最適な単語といえます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- tact-: ラテン語の“tangere(触れる)”に由来する語根 “tact”。“touch”の意味を持ちます。
- -ile: 形容詞化の接尾語。ラテン語由来の形容詞によく見られます。
関連語や派生語
- tactility(名詞):触感、触覚性
- tangible(形容詞):具体的に触れることができる、実体のある
- contact(動詞/名詞):接触する・接触
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- tactile sensation(触覚的感覚)
- tactile feedback(触覚フィードバック)
- tactile stimulation(触覚刺激)
- tactile interface(触覚インターフェイス)
- tactile approach(触覚に訴えるアプローチ)
- tactile cues(触覚による合図)
- tactile experience(触覚的体験)
- tactile exploration(触覚による探索)
- tactile surface(触感のある表面)
- tactile design(触感を重視したデザイン)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “tactilis” (tangere「触れる」+ 接尾語 -ilis) が由来。英語でも “touch” の意味を持つ “tact” と関連しています。
微妙なニュアンス・使用時の注意
- 「触覚に関する」「手触りを重視する」という専門的・技術的ニュアンスが強い単語です。
- ややフォーマルもしくは専門性を帯びた表現で、日常会話というよりはデザインや技術、医療、研究の文脈でよく使われます。
- 口語の場合、「実際に触れてみる」といったニュアンスを強調したいときに“tactile”を使うと堅めの印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文・イディオム
- “tactile + 名詞” の形で、触覚に関連する機能・要素を説明するためによく使われます。
例: “tactile feedback helps the user navigate the interface.” - イディオムとしては定着しているものは少なく、主に専門語彙として使われます。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル寄り。学術論文、専門ドキュメント、セミナーやプレゼンなどでの使用に向いています。
- 日常会話では少し硬い表現となるため、言い換えとして “something you can feel by touch” などとすることもあります。
可算・不可算の区別
- “tactile”は形容詞のため、名詞の可算・不可算とは直接関係しません。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I love this blanket because it has a very soft, tactile feel.”
(このブランケットはとても柔らかい触感があって大好きなんだ。) - “He prefers tactile games, like board games, rather than playing on a screen.”
(彼は画面のゲームよりも、ボードゲームのような触れるタイプのゲームが好きなんだ。) - “The new phone case has a nice tactile grip, so it doesn’t slip.”
(新しいスマホケースは手触りがいいから、滑りにくいよ。)
ビジネス (ややフォーマル)
- “Our product focuses on providing a tactile experience for customers.”
(私たちの製品は、お客様に触覚的な体験を提供することに重点を置いています。) - “Incorporating tactile feedback in the design will greatly improve user interaction.”
(デザインに触覚フィードバックを組み込むことで、ユーザーとのやりとりが大幅に向上します。) - “We need to ensure that the packaging offers a pleasant tactile quality that enhances brand perception.”
(パッケージがブランドイメージを高める、心地よい触覚的品質を備えている必要があります。)
学術・専門的 (フォーマル)
- “Research suggests that tactile stimulation can significantly aid in cognitive development.”
(研究によると、触覚刺激は認知発達に大きな助けとなる可能性があるそうです。) - “The device was engineered to provide precise tactile feedback to users with visual impairments.”
(この装置は、視覚障害のあるユーザーに正確な触覚フィードバックを提供するよう設計されています。) - “Tactile perception is crucial in robotics, enabling robots to manipulate objects more efficiently.”
(触覚認知はロボット工学において重要であり、ロボットが物体をより効率的に扱うことを可能にします。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- tangible(触れることができる、実体のある)
- “tangible”は「形として存在し、視覚などでも確認可能」というニュアンスが強い。
- 一方 “tactile”は「触覚に特に焦点がある」点が異なります。
- “tangible”は「形として存在し、視覚などでも確認可能」というニュアンスが強い。
- palpable(感じ取れる、はっきりと分かる)
- “palpable”は抽象的な意味でも使われ、「緊張感がはっきり感じられる」など物理的な触覚に限らず使われる場合があります。
- “palpable”は抽象的な意味でも使われ、「緊張感がはっきり感じられる」など物理的な触覚に限らず使われる場合があります。
- touchable(手で触れることができる)
- “touchable”は日常的な意味合いで、単に「触れることできる」ことを強調する表現です。
- “tactile”は「触感・触覚に関わる特性」を指しており、より専門的・形容詞的です。
- “touchable”は日常的な意味合いで、単に「触れることできる」ことを強調する表現です。
反意語
- “intangible” (触れることができない・無形の)
- 物理的に触れられない、または目に見えない概念的なものを指します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈtæk.taɪl/ または /ˈtæk.təl/ (アメリカ英語では「タクタイル」、イギリス英語でも概ね同じように発音されますが、「タクタイル」「タクタル」のように母音がやや変化することがあります。)
- アクセント: 最初の音節 “tac-” に強勢があります。
- よくある間違い: 母音 “a” の発音を “e” のようにしてしまったり、語尾 “-tile” を “-till” のように発音してしまうこと。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “tactile” の “c” を誤って “tatile” や “tactlie” と書いてしまうミスに注意。
- 同音異義語との混同: 目立った同音異義語はありませんが、「tactful(如才ない)」や「tactical(戦術的な)」と混同しやすいので注意してください。つづりは似ていますが意味が大きく異なります。
- 試験対策: TOEICや英検で直接出題される頻度は高くありませんが、読解問題などで見かける可能性があります。特に科学・テクノロジー系の長文読解で出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “tactile”を「たっちゃんいる」みたいに語呂合わせする、あるいは “タッチ(touch) + いる” と連想して「触れること慣れしている」と覚えても面白いかもしれません。
- スペリングのポイント: “tac-” (触れる) + “-tile” と分けて意識しましょう。touch と関連づけて覚えると記憶に残りやすいです。
- 勉強テクニック: 触覚を意識する製品(画面の触感、スマホのバイブなど)に出会ったときに “This is tactile!” と口に出して反復すると身につきやすいです。
以上が形容詞「tactile」の詳細解説です。触覚や触感を強調したいときに役立つ、やや専門性のある単語です。デザインや医療、ロボット工学など、多くの領域で応用されているので、覚えておくと便利ですよ。
意味のイメージ
意味(1)
触覚の,触覚による,触知しうる