tack
…‘を'びょうで留める《+down+名,+名+down》 / (…に)…‘を'付け加える《+名+on(onto)+名》 / …‘を'仮縫いする / (風上に向けて)〈船〉‘の'針路を変える;〈船〉‘...
1. 基本情報と概要
単語: tack
品詞: 動詞 (ただし、名詞としても使われます)
活用:
- 現在形: tack
- 三人称単数: tacks
- 過去形: tacked
- 過去分詞: tacked
- 現在分詞・動名詞: tacking
意味(英語):
- To fasten or attach something temporarily with a tack or similar pin. (例: to tack a notice on a board)
- To change direction when sailing, especially to turn the bow of a boat through the wind.
意味(日本語):
- 画鋲(がびょう)や短い釘などで一時的に留めること。
「紙を貼るときに画鋲や鋲などで仮止めするようなイメージです。」 - (船の)帆走時に向きを変えること。
「ヨットなどが風上に向かってジグザグに進むときに、進行方向を変えるイメージです。」
CEFRレベル目安: B2(中上級)
「基本的な単語ではありますが、海事用語を含むなど、文脈によってはやや専門的なニュアンスがあるため中上級レベルとしています。」
2. 語構成と詳細な意味
「tack」は、接頭語や接尾語を持たない比較的短い単語で、古い英語からの流れを汲んでいます。
- 語幹: “tack”
関連する品詞や派生語
- 名詞 “tack”: 画鋲(がびょう)や小釘を指す。
- 名詞 “tactics”: 「戦術」を意味する単語ですが、語源上は “taktics” (ギリシャ語 “taktikos” から) で「tack」とは直接的には異なる演算です。ただし、スペルが似ているため学習者が混同しやすいかもしれません。
コロケーション(共起表現)10選
tack something (up)
(…を留める)
例: tack a poster up (ポスターを留める)tack on
(何かを追加する)
例: tack on an extra note (追加のメモを付け加える)tack down
(しっかり釘(くぎ)で留める・仮止めする)
例: tack down the carpet (カーペットを仮留めする)change tack
(方針を変える)
例: change tack in a discussion (議論で方針・アプローチを変える)take a different tack
(別のやり方、アプローチを取る)
例: take a different tack in negotiations (交渉で別の方法を取る)tack course (稀)
(航路を変える・帆走の方向を変える)
例: We had to tack course due to the wind. (風向のために航路を変える必要があった)tack it on
(小さく追加する)
例: Let’s tack it on at the end. (最後にちょこっと付け加えよう)tack notice
(掲示を仮止めする)
例: tack a notice to the bulletin board (掲示板にお知らせを貼る)tack up (馬具の用語)
(馬に鞍などの装備をつける)
例: tack up the horse (馬に鞍や手綱などを装着する)tack around
(帆走で方向を小刻みに変える)
例: We need to tack around the headland. (岬を回るために小刻みに方向を変える必要がある)
3. 語源とニュアンス
語源
「tack」は中英語の “takke” などに遡り、元は「留め具」や「針・釘」など物理的な留め具を指す意味でした。そこから「留める」という動作を指す動詞として定着しました。また、航海用語としては「帆の向きを変える」という意味でも古くから使われています。
ニュアンス・使用時の注意
- 留める意味では、会話や日常でもカジュアルに使えます。
- 航海用語としてはやや専門的・フォーマルよりの文脈で使われることが多いです。
- 比喩的な使い方: “change tack” は「方針を変える」という比喩的表現でもよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞用法が中心: 例) “I tacked the notice to the board.” (掲示板にお知らせを留めた)
- 自動詞的用法(特に航海用語): 例) “The boat tacked to avoid the shallows.” (浅瀬を避けるために船が向きを変えた)
一般的な構文
- tack + 目的語 + 前置詞
- tack something onto something else (何かを別の物に付け足す/留める)
- tack + 副詞
- tack up / tack down
イディオム
- change tack / take a new tack: 発想やアプローチを変える
- tack on: 添えるように追加する
フォーマル/カジュアル
- 「物を留める」意味はカジュアルにもフォーマルにも幅広く使えます。
- 「船の向きを変える」航海用語としては文脈がかなり限定的で専門性が出ます。
- 比喩的な “change tack” はビジネス文脈や日常会話でも比較的フォーマルな場面で聞かれます。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “Could you tack this photo on the wall for me?”
(この写真を壁に留めてくれない?) - “I just tacked a to-do list next to my desk.”
(机の横にやることリストを貼ったよ。) - “Let’s tack these flyers up so people can see them.”
(みんなが見られるようにチラシを貼ろう。)
ビジネスでの例文 (3つ)
- “We need to change tack if we want to reach our sales target.”
(販売目標を達成したいなら、私たちは方針を変える必要があるね。) - “I’ll tack on an additional page to the report detailing our new strategy.”
(新しい戦略について詳述するために、報告書に追加のページを付け加えます。) - “They decided to tack down the timeline for clarity in the project briefing.”
(プロジェクトの概要説明で明確化するために、スケジュールをしっかり示すことにした。)
学術・専門的な文脈での例文 (3つ)
- “While analyzing historical navigation techniques, researchers noted that ships would tack frequently to navigate against strong winds.”
(歴史的な航法を分析する際に、研究者たちは帆船が強風に逆らって進むために頻繁に向きを変えることを指摘した。) - “The paper will tack on a supplementary appendix to address peer-review feedback.”
(査読のフィードバックに応えるために、その論文では補足の付録を追加する予定だ。) - “In oceanography, understanding how vessels tack provides insight into wind-current dynamics.”
(海洋学において、船舶がどのようにタック(向きを変える)のかを理解することは、風と海流の力学を理解する上で重要である。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- pin (ピンで留める)
- より細いピンを使うイメージ。紙などをピン留めする感じ。
- より細いピンを使うイメージ。紙などをピン留めする感じ。
- attach (取り付ける)
- 「取り付ける」という広い意味。接着や留め具を用いるなど様々な方法を含む。
- 「取り付ける」という広い意味。接着や留め具を用いるなど様々な方法を含む。
- secure (固定する)
- 「しっかり固定する」というニュアンス。ぐらつかないようにするイメージが強い。
- 「しっかり固定する」というニュアンス。ぐらつかないようにするイメージが強い。
- fasten (締める/留める)
- レバーやベルトなどで「締める」イメージも含む。
反意語 (Antonyms)
- remove (取り外す)
- detach (切り離す)
類似表現ではありますが、「tack」は比較的「一時的に留める」ニュアンスが強い点が特徴です。たとえば “pin” も似ていますが、ピンだけでなく画鋲や釘を使う場合でも幅広く使えるため、“tack” はもう少し「一時留め」や「仮止め」の感じが出ることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /tæk/
- アクセント: 単音節であるため、特にアクセントの位置は意識しません。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- 両方とも短い “a” の音で、ほぼ同じ。イギリス英語では若干「タック」に近い音、アメリカ英語では若干「テァック」のように聞こえる場合もあります。
- 両方とも短い “a” の音で、ほぼ同じ。イギリス英語では若干「タック」に近い音、アメリカ英語では若干「テァック」のように聞こえる場合もあります。
- よくある間違い:
- “take” (取る) /teɪk/ や “tech” (テック) /tɛk/ と混同しないように注意。
- /eɪ/ (エイ) ではなく /æ/ (ア) の音です。
- “take” (取る) /teɪk/ や “tech” (テック) /tɛk/ と混同しないように注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “tak” と書いてしまう、または文脈によって “tack” と “tick” を混同する。
- 同音異義語との混同: 同音異義語はあまりありませんが、音が似ている “tag” /tæɡ/ との混同に注意しましょう。
- 試験対策・資格試験での出題:
- TOIECなどのビジネス英語試験で “change tack” が出る場合があります(方針転換の表現として)。
- 英検などでは “tack a notice” など比較的日常レベルの用例が出ることもあるかもしれません。
- TOIECなどのビジネス英語試験で “change tack” が出る場合があります(方針転換の表現として)。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 音で覚える: “tack” は短い /æ/ 音。 “attack”(アタック)から「a」を外したくらいのイメージで覚えても良いかもしれません。
- ビジュアルイメージ: 画鋲や短い釘をとんとんと打ち付けるイメージ。またヨットがジグザグに方向を変える様子を想像すると、「tack = 向きを変える」という航海用語の意味も思い出しやすいでしょう。
- フレーズで覚える:
- “tack it up” → 「とりあえず貼っておく」
- “change tack” → 「方針/アプローチを変える」
これらをセットで学習すると、何かを「留める」感覚と抽象的に「方向転換」する感覚の両方を繋げて覚えられます。
- “tack it up” → 「とりあえず貼っておく」
以上、動詞「tack」の詳細解説でした。ぜひ、実際にポスターを貼るときや話の流れを変えたいときに、覚えたフレーズを使ってみてください!
…‘を'びょうで留める《+down+名,+名+down》
(…に)…‘を'付け加える《+名+on(onto)+名》
…‘を'仮縫いする
(船の)針路を変える;ジグザグに進む
(風上に向けて)〈船〉‘の'針路を変える;〈船〉‘を'ジグザグに進ませる