元となった辞書の項目
righteousness
IPA(発音記号)
解説
以下では、名詞 righteousness
(ライチャスネス)について、学習者向けにできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語・日本語の意味
- 英語: “righteousness”
「道徳的に正しいこと、正義、公正さ」を意味します。宗教的・道徳的な文脈で多用される語です。 - 日本語: 「義」「正義」「公正」など
「人として正しくあること」「道徳的に正しい行いや心がけ」というニュアンスで使われます。
「righteousness」は、状況によっては宗教的な場面、道徳を重んじる場面で「真っ当さ」「徳」といった意味合いでも用いられます。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
名詞ですので、動詞のような時制変化はありません。
「righteousness」は不可算名詞(数えられない名詞)として扱われることがほとんどです。
他の品詞形
- 形容詞: righteous (ライチャス) 「正しい」「高潔な」
- 副詞: righteously (ライチャスリー) 「正しく」「高潔に」
難易度(CEFRレベル目安)
- B2〜C1(中上級〜上級)
宗教的・道徳的な文脈や、フォーマルな文章で目にしやすい単語であり、日常会話ではあまり頻出しません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: right(正しい、正しいこと)
- 接尾語: -eous(形容詞を作る接尾語: righteous → 正しい)
- 接尾語: -ness(名詞を作る接尾語: righteousness → 正しさ、公正さ)
派生語や類縁語
- righteous (形容詞) : 正しい、高潔な
- righteousness (名詞) : 義、公正さ
- right (形容詞/名詞/副詞) : 正しい、権利、右 など
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- walk in righteousness
(義の道を歩む) - act of righteousness
(正しい行い) - path of righteousness
(正義の道) - pursuit of righteousness
(正義の追求) - sense of righteousness
(正義感) - cloak of righteousness
(正しさという名の隠れ蓑) - stand for righteousness
(正義を支持する) - thirst for righteousness
(正義への渇望) - embodiment of righteousness
(正義の具現、正しさの体現) - the righteousness of one’s cause
(その人の主張の正当性)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “rihtwīsness” (riht + wīs + ness) に由来します。
- “riht”は「正しい」、
- “wīs”は「状態」、
- “ness”は名詞化を表す接尾語です。
中世や聖書の文脈で特によく使われ、キリスト教の教義などでも重要な概念として継承されてきました。
- “riht”は「正しい」、
使用上のニュアンス・注意点
- 道徳的・宗教的な文脈で、「単に正しいだけでなく、真に高潔で敬虔な」ニュアンスが込められることがあります。
- フォーマル、やや古風あるいは宗教的な響きが強い言葉です。カジュアルな日常会話で頻繁に出てくる単語ではありませんが、エッセイやスピーチなどで用いられることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 「righteousness」は不可算名詞として扱われることが多いです。
- 宗教や哲学の文脈で抽象的な意味で用いられる場合がほとんどです。
よく出てくる構文やイディオム
- “to walk in righteousness”
- 「義の道を歩む」
- 「義の道を歩む」
- “to strive for righteousness”
- 「正しさを求めて努力する」
- 「正しさを求めて努力する」
- “to be clothed in righteousness”
- 「正義の衣をまとう」 → 比喩的表現
- 「正義の衣をまとう」 → 比喩的表現
フォーマル/カジュアル
- フォーマル寄り(宗教説教やスピーチ、エッセイなどジブンの高潔さを示す文脈)
- カジュアルな会話ではほぼ使用しない
5. 実例と例文
日常会話での例文(やや改まった表現として)
- “I admire her sense of righteousness; she always stands up for what’s right.”
(彼女の正義感には感心するよ。いつも正しいことのために立ち上がるんだ。) - “His righteousness sometimes comes off as a bit strict, but he means well.”
(彼の正しさは時に頑固に見えるけど、善意からきているんだよ。) - “She’s known for her righteousness and fairness in decision-making.”
(彼女は判断において義や公正さで知られている。)
ビジネスシーンでの例文(稀ではあるが、道徳的アピールとして)
- “The company’s commitment to righteousness and honesty is reflected in its code of conduct.”
(その企業は、義や誠実さへの取り組みを行動規範に反映している。) - “He spoke about righteousness in leadership during the conference.”
(彼はカンファレンスで、リーダーシップにおける公正さについて語った。) - “Our brand reputation relies on the righteousness of our practices.”
(私たちのブランドイメージは、業務の公正さにかかっている。)
学術/宗教的・哲学的文脈での例文
- “Philosophers have debated the concept of righteousness for centuries.”
(哲学者たちは、何世紀にもわたって「正しさ」の概念について議論してきた。) - “In many religions, righteousness is a key virtue that guides moral behavior.”
(多くの宗教において、正義(義)は道徳的行動を導く重要な徳です。) - “The text emphasizes the importance of righteousness and moral duty.”
(その文章は、正しさと道徳的責務の重要性を強調している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(synonyms)
- justice(正義)
- 法的・社会的な「正しさ」に焦点がある
- 法的・社会的な「正しさ」に焦点がある
- virtue(美徳)
- 道徳的に望ましい行為や性質
- 道徳的に望ましい行為や性質
- morality(倫理・道徳)
- 善悪の基準とそれに基づいた行動
- 善悪の基準とそれに基づいた行動
- rectitude(正直、高潔)
- 個人の正直さや品行の高さを強調
これらはすべて「正しさ」に関連しますが、righteousness
は宗教的・道徳的な文脈でより崇高なニュアンスを伴う点でやや異なります。
反意語(antonyms)
- wickedness(邪悪さ)
- sinfulness(罪深さ)
これらは「邪悪」「不正」の意味を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
- アメリカ英語(米): /ˈraɪ.tʃəs.nəs/
- イギリス英語(英): /ˈraɪ.tʃəs.nəs/
基本的に同じ発音です。
アクセントは第1音節 “righ-” (ライ) に置かれます。
よくある発音ミス
- “right-” の部分を /rɪt/ のように短く発音してしまう
→ 実際には /raɪ/ と二重母音でしっかり「ライ」と発音する - “-eous” の発音 /tʃəs/ が難しく、「ライチャスネス」のようにまとめて言います。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “righteousness” は少し長い単語なので、
rightousness
と-eous-
の部分を誤って省略するなどの間違いが起きやすい。 - 同音異義語との混同: 特にありませんが、
righteous
とrighteousness
を混同し、品詞を間違えることはあるので注意。 - 資格試験での出題: TOEICなどの実務的な試験ではあまり見かけません。英検などの読解問題、または宗教・思想系トピックでは出てくる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「right(正しい)」+「-eous(形容詞化)」+「-ness(名詞化)」と分解して考えると覚えやすいです。
- 「正義」「高潔」といった厳かなイメージを思い浮かべると、宗教的・哲学的な場面でよく使われることを思い出せます。
- 発音は「ライチャスネス」とリズミカルに覚えるとよいでしょう。
以上が、名詞 “righteousness” の詳細な解説です。フォーマル、特に宗教的・道徳的なニュアンスが強く、日常会話よりもやや硬い表現として用いられますので、使う場面には注意しましょう。
意味のイメージ
意味(1)
正義;公正;正直