元となった辞書の項目
impossibility
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: impossibility
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語): the state or fact of being impossible.
意味(日本語): 「不可能であること」「実現不可能な状態」のことを指します。
「こんなことはどうやっても実現できない」というような状況を表すときに使われる単語で、「絶対無理」「到底できない」といったニュアンスがあります。
- 活用形: 名詞のため時制による変化はありません。数については、下記で説明します。
- 形容詞形: impossible (不可能な)
- 副詞形: impossibly (不可能に・信じがたいほど)
- 他の品詞例: possible (形容詞: 可能な)、possibility (名詞: 可能性)。
CEFRレベル: B2 (中上級)
- A1(超初心者)やA2(初級)ではあまり扱われませんが、B1(中級)を過ぎてくると出会う機会が増えます。B2(中上級)レベルではしっかり使いこなせるよう意識する必要があります。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語(im-): 「not(〜でない)」「否定」を表す接頭語。
- 語幹(possibility): もともとは「可能性」という意味。
- impossibility = im- (not) + possibility (可能性)
→ 「可能性がない」= 「不可能であること」となります。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ 10選
- absolute impossibility(絶対的な不可能)
- practical impossibility(実質的に不可能)
- the sheer impossibility of ~(〜の全くの不可能さ)
- face an impossibility(不可能な状況に直面する)
- border on impossibility(不可能に近い/ほとんど不可能である)
- overcome the impossibility(不可能を克服する)
- legal impossibility(法律上の不可能)
- logical impossibility(論理的に不可能)
- this task is an impossibility(この課題は不可能だ)
- on the brink of impossibility(不可能に瀕している)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古フランス語「impossibilité」から来ており、その前身はラテン語で「impossibilis」(「不可能な」の意味)。
- 「im-」は「not」を表す接頭辞で、「possible」(可能)に「im-」が付くことで「impossible」(不可能)を表し、それに名詞の形「-ity」が付加されて「impossibility」になりました。
使用時の注意点・ニュアンス
- 「impossibility」は「絶対に無理」という強い響きを持つため、場面によっては強い否定や悲観的なニュアンスを含みます。
- 「It’s an impossibility.」と言うと、「そんなことは不可能だ」とはっきりと断定する印象を与えます。
- フォーマルな文章からカジュアルな会話まで広く使われますが、断定的に聞こえるので、慎重に使うとよいでしょう。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 文脈によって可算としても不可算としても使われます。
- 不可算的に「This is pure impossibility.(これは完全に不可能だ)」
- 可算的に「We faced several impossibilities in this project.(このプロジェクトでは複数の不可能な問題に直面した)」のように用いられる場合もあります。
- 不可算的に「This is pure impossibility.(これは完全に不可能だ)」
一般的な構文
- “It is an impossibility + to 動詞/that 節”
例: “It’s an impossibility to finish this job in a day.” - “Noun + is on the verge/brink of impossibility”
例: “This task is on the brink of impossibility.”
- “It is an impossibility + to 動詞/that 節”
イディオム:
特定の熟語はあまりありませんが、「beyond the realm of possibility(可能性の範囲を超えている)→ 不可能」のような表現は関連して使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Finishing this puzzle in ten minutes is an impossibility.”
(10分でこのパズルを完成させるなんて不可能だよ。) - “I tried to catch the last train, but it was an impossibility.”
(終電に間に合おうとしたけど、どうやっても無理だったよ。) - “Managing all these errands in a single day feels like an impossibility.”
(これ全部を1日でやるのは不可能に思える。)
ビジネスシーンでの例文
- “Meeting the deadline by next Monday is an impossibility given our current resources.”
(今のリソースでは、来週の月曜日までに納期を守るのは不可能です。) - “Overcoming these budget constraints seemed like an impossibility at first.”
(予算の制約を乗り越えるのは最初、無理だと思われました。) - “We must address any potential impossibility in the project plan before proceeding.”
(プロジェクトを続行する前に、進行上の不可能事項を洗い出す必要があります。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “The concept of a perpetual motion machine represents a physical impossibility.”
(永久機関の概念は物理的に不可能な存在を表しています。) - “In mathematical terms, dividing by zero leads to an impossibility.”
(数学上、ゼロで割ることは不可能をもたらします。) - “Determining the exact trajectory under these conditions can be an impossibility without advanced computational models.”
(高度な計算モデルなしでは、これらの条件下で正確な軌道を求めるのは不可能かもしれません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- infeasibility(実現困難):
- “infeasibility”は「実行不可能性」というニュアンスが強く、ビジネスや科学的検討などで使われることが多いです。
- “infeasibility”は「実行不可能性」というニュアンスが強く、ビジネスや科学的検討などで使われることが多いです。
- impracticability(実用的でないこと):
- 「実行が難しい」という点で近いですが、やや形式的で、「実際に使えない」というニュアンスが強いです。
- 「実行が難しい」という点で近いですが、やや形式的で、「実際に使えない」というニュアンスが強いです。
- unthinkable(考えられない):
- 「想像すらできない」という意味合いで、心理的、道徳的に不可能な場合にも使用されます。
- 「想像すらできない」という意味合いで、心理的、道徳的に不可能な場合にも使用されます。
- out of the question(問題外・論外):
- 会話で「そんなの問題外だよ」というときにカジュアルに使います。
- 会話で「そんなの問題外だよ」というときにカジュアルに使います。
- no way(絶対無理):
- くだけた口語表現。「そんなの無理!」という強い否定です。
反意語
- possibility(可能性)
- 「可能であること」を表し、「impossibility」とは正反対に「まだチャンスがある」ニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ɪmˌpɑːsəˈbɪləti/
- イギリス英語: /ɪmˌpɒsəˈbɪlɪti/
- アメリカ英語: /ɪmˌpɑːsəˈbɪləti/
- アクセント: “im-pos-si-BIL-i-ty” の「BIL」の部分に主アクセントがあります。
- よくある発音の間違い:
- “im-poss(i)-bil-i-ty” の “bil” を弱く発音しすぎたり、「impossable」のように /ə/ (曖昧母音) を挟んでしまうなどのミスがあります。
- イギリス英語では「pɒ」(ポ)と音がやや短く、アメリカ英語では「pɑː」(パー)気味になります。
- “im-poss(i)-bil-i-ty” の “bil” を弱く発音しすぎたり、「impossable」のように /ə/ (曖昧母音) を挟んでしまうなどのミスがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “impossability” や “inpossibility” など、接頭語や母音を間違えやすいです。
- “impossible”との混同: 形容詞 “impossible” と、名詞 “impossibility” は意味が近いですが、品詞が違うので使い分けに注意してください。
- TOEICや英検: “possibility / impossibility” は対義語として出されやすいので、セットで覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “im” + “possible” + “-ity” と分解するとわかりやすいです。
- 「im + possibility → not + possibility」=「不可能」とイメージしてください。
- スペルが長いですが、「im-poss-i-BIL-ity」と音節で区切って覚えてください。
- 「Possible(可能)」の頭に「im-」がつくと「impossible(不可能)」に、さらに「-ity」がついて名詞化する、という流れで整理すると頭に入りやすいでしょう。
以上が impossibility の詳細解説です。「不可能」を強調する際に便利な名詞ですので、形容詞 “impossible” と併せてうまく使い分けてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉不可能;(…が)不可能であること《+of+名(do*ing*)》
意味(2)
〈C〉不可能なこと