元となった辞書の項目
healthcare
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: healthcare
品詞: 名詞(n.)
英語の意味: the organized provision of medical care to individuals or a community
日本語の意味: 医療、ヘルスケア(人々の健康を維持・向上させるための医療サービスや制度、ケア全般)
「healthcare」は病院やクリニックなどでの医療行為だけでなく、予防医療や公衆衛生、健康管理といった広い分野を含む言葉です。ビジネスや社会的文脈でもよく使われ、健康について語るときには必須の単語です。
活用形
- 名詞なので、基本的に複数形は使われません。必要に応じて「healthcare systems」のように複数形で使うことがありますが、通常は不可算名詞として扱われます。
他の品詞形
- 「healthcare」は通常、名詞として用いられます。形容詞で類似表現を使う場合は「healthcare-related services (ヘルスケア関連のサービス)」のように複合語的に修飾することがあります。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
医療や社会制度など、やや専門的な話題で使われる単語ですが、日常的なニュースや記事でも見かけるため、中上級レベル(B2)程度で理解できるとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- health: 「健康」
- care: 「世話」や「ケア」という意味
本来は二つの単語「health」と「care」を組み合わせた複合名詞で、「健康を守ったり維持したりするための行為」を広く指します。
関連語・派生語
- health(健康)
- care(世話、配慮、注意)
- healthcare provider(医療提供者)
- health insurance(医療保険)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- primary healthcare → 基本的医療
- public healthcare → 公共医療
- private healthcare → 民間医療
- universal healthcare → ユニバーサルヘルスケア(国民皆保険制度など)
- healthcare system → 医療制度
- healthcare professional → 医療専門家
- healthcare cost → 医療費
- healthcare coverage → 医療保険の適用範囲
- access to healthcare → 医療へのアクセス
- healthcare facility → 医療施設
3. 語源とニュアンス
語源
- 「health」は古英語「hǣlþ」から来ており、「完全さ」「健全さ」を意味しています。
- 「care」は古英語「caru」「cearu」から来ており、「心配」「思いやり」のニュアンスがあります。
- 二つを組み合わせることで、健康に対して配慮・思いやりを持つ行為や制度を指すようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 医療行為だけでなく、病気予防や健康増進、福祉的なケアなども含むため、文脈によって守備範囲が広くなります。
- 公式文書や新聞記事、学術論文などのフォーマルな場面でも非常に頻繁に使われますが、一般会話でも問題なく通じる単語です。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 不可算名詞: 通常は「healthcare is ...」のように単数扱いで用います。
- 文章中で修飾語として使う場合は、「healthcare system」「healthcare provider」のように他の名詞を修飾する形が一般的です。
よく使われる構文・イディオム
- “healthcare reform”: 医療制度改革
- “the state of healthcare”: 医療の現状
- “provide healthcare”: 医療を提供する
フォーマル/カジュアル
- どちらかというとフォーマル寄りですが、日常会話でもニュースなどから頻繁に耳にします。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I think we should have better access to healthcare for everyone.”
(みんながもっと良い医療を受けられるようにすべきだと思うよ。) - “She’s researching different healthcare options before traveling abroad.”
(彼女は海外旅行の前に、いろいろな医療オプションを調べているよ。) - “He’s worried about the rising healthcare costs for his family.”
(彼は家族の医療費の高騰を心配している。)
(2) ビジネスでの例文
- “Our company added new healthcare benefits for employees this year.”
(当社は今年、従業員向けの新しい医療関連の福利厚生を追加しました。) - “The healthcare sector offers many investment opportunities.”
(ヘルスケア分野には多くの投資機会があります。) - “We’re partnering with a healthcare provider to offer on-site checkups.”
(私たちは医療提供者と提携して、社内で健康診断を受けられるようにしています。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “Healthcare disparities remain a critical issue in public health research.”
(医療格差は公衆衛生研究において依然として重要な課題です。) - “This study examines the impact of technology on healthcare delivery.”
(この研究は、医療提供におけるテクノロジーの影響を調査しています。) - “Ethical considerations are vital in global healthcare initiatives.”
(世界的な医療活動においては、倫理的配慮が不可欠です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- medical care(医療)
→ 「医療行為」をより直接的に指す。 - health services(保健サービス)
→ 予防・治療・リハビリなど、医療関連のサービス全般。 - wellness(ウェルネス、健康状態)
→ 医療というより、自分のライフスタイルや心身の健康そのものにフォーカス。
反意語
「healthcare」の明確な反意語はありませんが、あえて挙げるとすれば:
- neglect of health(健康の放置)
→ 健康維持に無頓着でいる状態。
類義語との違い: 「medical care」は医療行為自体に重きを置きますが、「healthcare」は医療はもちろん、健康管理や福祉、健康教育など幅広い意味を含みます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈhɛlθˌkɛr/
- イギリス英語: /ˈhelθ.keər/
強勢(アクセント)や違い
- 「health*care*」では、第1音節の「health」と第2音節の「care」両方がやや強めに読まれることがありますが、慣用的には「HEALTH-care」のように最初の「health」にやや強勢が置かれる傾向があります。
- アメリカ英語は「ヘルスケア」のように「er」がややRが残る発音になり、イギリス英語では「ケア」の母音が少し長めに発音されます。
よくある発音ミス
- 「heal-thcare」と「th」の音が弱くなりがち。明瞭に「ヘルス・ケア」と区切って発音すると通じやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “healthcare”を“healthcare”と書く人が多い一方、 “health care”と単語を分けて書く場合もあります。文書によって表記ゆれがあるため、どちらでも通じますが、一貫性を保つことが大事です。
- 同音異義語との混同: 特になし
- 試験対策: TOEICや英検などで、ビジネス文脈や社会問題のトピックとして頻出しがちな単語です。ニュース記事やエッセイ問題などで見かける可能性が高いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「health(健康)をcare(ケア)する」というストレートな組み合わせで、「健康を守るための行為や制度」と覚えるとわかりやすいです。
- 「ヘルスケア」というカタカナ表記もしばしば見かけるので、そのままイメージしてもOKです。
- 発音のときは「ヘルス」と「ケア」をはっきり区切って「ヘルスケア」と繰り返すと記憶に定着しやすいでしょう。
以上が名詞「healthcare」の詳細解説です。医療に関わるトピックで非常に頻繁に使用されるため、基本的な意味から幅広い使い方まで押さえておくと、ニュース記事を読む際や論文を読解する際に役立ちます。
意味のイメージ