元となった辞書の項目
harmless
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
harmless
- 品詞: 形容詞(adjective)
- 意味(英): Not able or likely to cause harm or damage.
- 意味(日): 害を与えない、危険がない、無害である。
「大きな害や影響を与えない、安心できるような場面で使われる単語です。『あの動物は害がないよ』というように、相手を安心させたいときに使われます。」
活用形
- 形容詞: harmless (比較級や最上級は原則的に “more harmless”, “most harmless” ですが、あまり使われないか、別の言い回しで表現することが多いです)
- 派生形:
- 副詞: harmlessly (例: He joked harmlessly. 「彼は無害に冗談を言った」)
- 名詞: harmlessness (例: the harmlessness of a substance 「物質の無害性」)
- 副詞: harmlessly (例: He joked harmlessly. 「彼は無害に冗談を言った」)
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 文脈優先の語彙ですが、比較的日常会話でよく見聞きするため中級レベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: harm (「害」、「損害」)
- 接尾語: -less (「〜がない」「〜を欠く」)
したがって “harmless” は「害がない」「損害を与えない」という意味になります。
関連語や派生語
- harm (名詞/動詞): 害、害を与える
- harmful (形容詞): 有害な
- harmlessly (副詞): 無害に
- harmlessness (名詞): 無害性
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- a harmless joke (悪意のない冗談)
- completely harmless (まったくの無害)
- relatively harmless (比較的無害な)
- an apparently harmless substance (見たところ無害な物質)
- prove harmless (無害であることが証明される)
- a harmless error (大きな影響のないエラー)
- somewhat harmless (やや無害な)
- a harmless remark (当たり障りのない発言)
- an innocent and harmless creature (無邪気で無害な生き物)
- pose no harm (be harmless) (危険をもたらさない)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の “hearm” (害) + “-leas” (欠く) が変化した “harm”+“-less” として成立しました。
- 歴史的経緯: 中世以降広まり、現在に至るまで「危険がなく安心できる」ニュアンスを含む形容詞として使われています。
- 使用時の注意点: 相手を安心させる文脈で使われる一方、人によっては “harmless” と言われても不信を感じるケース(「本当に無害なの?」というような)もあるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
- 口語/文章: 日常会話と文章の両方で比較的よく使われる単語です。カジュアルからフォーマルまで幅広く使用可能です。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾し、「(名詞)が危険を及ぼさない」ことを表します。
一般的な構文例:
- “This animal is harmless.” (この動物は無害です)
- “It seems harmless.” (それは無害のように見えます)
- “He made a harmless mistake.” (彼は大きな問題にならない間違いを犯した)
- “This animal is harmless.” (この動物は無害です)
“harmless” は不可算/可算などの区別は関係なく、名詞の性質を修飾するのみの形容詞となります。
フォーマル度: カジュアルにもフォーマルにも対応可能です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Don’t worry, this snake is harmless.”
- 「心配しないで。このヘビは無害だよ。」
- “I thought his comment was harmless, but it still hurt my feelings.”
- 「彼のコメントは悪意がないと思ったけど、それでも少し傷ついた。」
- “It’s just a harmless joke; I didn’t mean to offend anyone.”
- 「ただの悪意のない冗談です。誰かを傷つけるつもりはなかったんです。」
ビジネスシーンでの例文
- “Although it was a harmless oversight, we should still apologize to the client.”
- 「大きな影響のない見落としでしたが、それでも顧客に謝罪する必要があります。」
- “The data breach proved harmless, as no sensitive information was exposed.”
- 「情報漏洩は実質的に被害がなかったことが証明され、機密情報は流出しませんでした。」
- “We need to ensure that even seemingly harmless software meets security standards.”
- 「一見無害に見えるソフトウェアであっても、セキュリティ基準を満たしていることを確認する必要があります。」
学術的な文脈での例文
- “Most of the tested bacteria were harmless to humans under controlled conditions.”
- 「テストされた細菌のほとんどは、制御された条件下では人間に対して無害でした。」
- “This chemical appears harmless at low concentrations.”
- 「この化学物質は低濃度では無害であるように見えます。」
- “Further research is required to verify the harmless nature of the substance.”
- 「この物質の無害性を検証するには、さらなる研究が必要となります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- innocuous (無害な)
- “innocuous” は、特に文章や学術レベルでよく使われる表現です。
- “innocuous” は、特に文章や学術レベルでよく使われる表現です。
- inoffensive (相手に不快感を与えない)
- 人の発言や行動に対してよく使い、「攻撃性がない」というニュアンスが強いです。
- 人の発言や行動に対してよく使い、「攻撃性がない」というニュアンスが強いです。
- benign (良性の、害のない)
- 主に医療・学術的な文脈で「良性の」などの意味を持ちます。
- 主に医療・学術的な文脈で「良性の」などの意味を持ちます。
- safe (安全な)
- 一般的に「安全」を指す幅広いニュアンスですが、具体的な危険のなさを示すときによく使われます。
反意語 (Antonyms)
- harmful (有害な)
- dangerous (危険な)
- damaging (損害を与える)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈhɑːrmləs/
- アクセントは単語の最初の音節 “harm” にあります。
- よくある間違いとして、語尾の “-less” を曖昧に発音して “-ness” にしてしまったり、スペルで “harmles” と「s」を入れ忘れたりするミスがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “harmeless” や “harmles” と“e”や“s”を落としてしまいがち。
- 同音異義語との混同: “harmless” と “harmful” は正反対なので、混同しないよう注意。
- 試験での出題傾向: 英検・TOEICなどで “harmless substances” や “harmless error” といったフレーズで、「無害」という意味の理解を問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「harm(害)」+「-less(〜ない)」→「害がない」→ “harmless” の構造をイメージすると覚えやすいです。
- 似た構造には “hopeless” (望みがない)、 “endless” (終わりがない) などがあり、「〜less = 〜がない・欠いている」と覚えておきましょう。
- 「危険がない景色や小動物」をイメージしながら学習すると自然に覚えられます。
以上が、形容詞 harmless の詳細な解説です。日常的にも比較的よく使われる単語なので、派生形や類義語とセットで覚えると便利です。無害であることを表し、相手を安心させたり、科学的に「有害かどうか」を述べるときに活躍する語彙です。
意味のイメージ
意味(1)
無害の
意味(2)
悪意のない,無邪気な