元となった辞書の項目
good
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: good
品詞: 名詞 (形容詞「good」と同じスペリングですが、本回答では名詞としての用法を扱います)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 形容詞の「good」は初級からよく見る単語ですが、名詞としての「good」は、抽象的な概念を示す場合や特定の文脈で用いるため、やや上のレベルに位置づけられます。
意味 (英語 / 日本語)
“Good” as a moral or beneficial concept: 「善」「利益」「善行」
- 「the good of society(社会のための善/公益)」のように、道徳的な善や社会全体の利益を指すときに使われます。少し抽象的なニュアンスを含みます。
- 「the good of society(社会のための善/公益)」のように、道徳的な善や社会全体の利益を指すときに使われます。少し抽象的なニュアンスを含みます。
“Goods” as tangible items or merchandise (※ただし複数形 “goods” で使うことが多い): 「商品」「物品」
- 「the goods」と言う場合は、そこにある商品や物などを表します(例: consumer goods「消費財」)。単数形はあまり用いず、複数形で使うのが一般的です。
- 「the goods」と言う場合は、そこにある商品や物などを表します(例: consumer goods「消費財」)。単数形はあまり用いず、複数形で使うのが一般的です。
「名詞としてのgood
」は、「善や利益」を表すときには主に抽象名詞、「商品」を表すときには複数形の“goods”で使われることが多いです。
活用形
- 名詞 “good” は数えられない概念として扱われるとき(「善」「利益」)は複数形にしませんが、商品を指す場合は “goods” として複数形で使われます。
他の品詞になったときの例
- 形容詞: good (良い)
- 副詞: well(形容詞 “good” の副詞形は “well” です。ただしスペリングが変わります。)
- 名詞: goodness(「善良さ」「美徳」といった抽象的な性質を示す)
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: 「good」
- 接頭語・接尾語は特になく、単体で機能する形です。
- 接頭語・接尾語は特になく、単体で機能する形です。
- 派生語/類縁語:
- goodness(n. 善良さ)
- goods(n. 商品・物品、ほとんどが複数形で使われる)
- goodness(n. 善良さ)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- the common good → 「公共の善」
- do good → 「善行を行う / 良いことをする」
- for (someone’s) own good → 「(人)の利益・ためになるように」
- the greater good → 「より大きな善・公益」
- do more harm than good → 「良かれと思ったのに逆効果になる」
- goods and services → 「商品とサービス」
- consumer goods → 「消費財」
- deliver the goods → 「期待に応える / 欲しい成果をもたらす」
- a force for good → 「善の力、よい影響力」
- for the good of all → 「全員のために」
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の「gōd」から来ており、「美徳」「有益」「価値のあるもの」という意味合いを持っていました。
- 歴史的背景: キリスト教や哲学分野などの歴史的テキストにおいて、「善(the good)」は道徳や価値観を象徴する概念として頻繁に登場しました。
- ニュアンスや注意点:
- 「善」「利益」を意味する抽象名詞として使う場合は、ややフォーマルな文脈や哲学的な文脈でよく見られます。
- 「商品」という意味で使う場合は、ビジネス文脈や経済学の文脈で“goods”という複数形が圧倒的に一般的です。
- 「善」「利益」を意味する抽象名詞として使う場合は、ややフォーマルな文脈や哲学的な文脈でよく見られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算:
- 「善」「利益」としての “good” は不可算名詞として扱われるケースが多いです 。
- 「商品」を表す場合は複数形 “goods” のみで使われ、可算名詞扱い(複数形のみ)です。
- 「善」「利益」としての “good” は不可算名詞として扱われるケースが多いです 。
- 使用シーン:
- 抽象的な倫理的概念を話すとき(フォーマル/学術的/哲学的)
- ビジネス/経済などで「商品」を指すとき(ややフォーマル/業界用語)
- 抽象的な倫理的概念を話すとき(フォーマル/学術的/哲学的)
一般的な構文・イディオム
- for the common good: 「公共の善/公益のために」
- for your own good: 「あなた自身の利益のために」
- deliver the goods on something: 「期待通りの成果を出す(口語でも使われるイディオム)」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I believe in doing good whenever I can.”
- 「できるときはいつも善を行うべきだと信じています。」
- 「できるときはいつも善を行うべきだと信じています。」
- “It might seem small, but every good deed counts in the long run.”
- 「些細なことに思えるかもしれませんが、どんな善行も長い目で見れば大切です。」
- 「些細なことに思えるかもしれませんが、どんな善行も長い目で見れば大切です。」
- “Mom always says, ‘What goes around, comes around, so do good.’”
- 「母はいつも『自分がしたことは戻ってくるから、良いことをしなさい』と言います。」
(2) ビジネスでの例文
- “We need to focus on the common good of the company rather than individual gains.”
- 「私たちは個人の利益ではなく、会社全体の利益に注目する必要があります。」
- 「私たちは個人の利益ではなく、会社全体の利益に注目する必要があります。」
- “Our main goal is to produce and deliver quality goods to our customers.”
- 「私たちの主な目標は、質の高い商品を顧客に提供することです。」
- 「私たちの主な目標は、質の高い商品を顧客に提供することです。」
- “The charity event will do a lot of good for the local community.”
- 「そのチャリティーイベントは地域社会に大いに貢献するでしょう。」
(3) 学術的・哲学的文脈での例文
- “Philosophers have long debated the nature of the ‘ultimate good.’”
- 「哲学者たちは長きにわたり『究極の善』の本質について議論してきました。」
- 「哲学者たちは長きにわたり『究極の善』の本質について議論してきました。」
- “Utilitarianism focuses on the greatest good for the greatest number.”
- 「功利主義は、最大多数の最大幸福(=最大の善)に焦点を当てます。」
- 「功利主義は、最大多数の最大幸福(=最大の善)に焦点を当てます。」
- “In many moral frameworks, the concept of good is contrasted with evil.”
- 「多くの道徳的枠組みにおいては、善という概念は悪と対比されます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (抽象的な「善」「利益」)
- benefit (n.)(利益)
- より具体的な利益を表し、「経済的利益」などにも使える
- より具体的な利益を表し、「経済的利益」などにも使える
- virtue (n.)(美徳)
- 道徳的によい性質・行いを強調する語
- 道徳的によい性質・行いを強調する語
- advantage (n.)(有利な点)
- 利点や強みを強調する場合に使う
- 利点や強みを強調する場合に使う
類義語 (「商品」)
- products (n.)(製品)
- 形ある製品を指す
- 形ある製品を指す
- commodities (n.)(商品・商品作物)
- 主に原材料や一次産品など経済的取引の対象として使われる
- 主に原材料や一次産品など経済的取引の対象として使われる
反意語 (抽象的な「善」)
- evil (n.)(悪)
- 善の対極となる概念
- 善の対極となる概念
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɡʊd/
- アクセントは「g-OO-d」の「OO」に置かれ、短めの母音 /ʊ/ を発音します。
- アクセントは「g-OO-d」の「OO」に置かれ、短めの母音 /ʊ/ を発音します。
- アメリカ英語とイギリス英語:
- 両方とも同じ /ɡʊd/ ですが、アメリカ英語ではやや濁りが強い /ʊ/ になり、イギリス英語では少し短く切れるような印象になります。
- 両方とも同じ /ɡʊd/ ですが、アメリカ英語ではやや濁りが強い /ʊ/ になり、イギリス英語では少し短く切れるような印象になります。
- よくある発音の間違い:
- 母音を長めに /uː/ (グード)としてしまう人が多いが、正しくは短い /ʊ/ です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングの混同: 「good」と「well」は品詞が異なるため、混同しないよう注意。また、名詞としての「good」に慣れていないと、つい形容詞だと思い込んでしまうことがあります。
- 複数形の扱い: 「商品」を意味する場合は“goods”が自然。「Good is expensive.(善は尊い)」は文として通じるが、「商品の価値が高い」という意味にはなりません。
- 試験での出題: TOEICや英検では、“goods”を使ったビジネス関連フレーズが問われることがしばしばあります。文章内で「goods」が出てきたら「商品」か、複数形名詞であることに注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「good」というとまず形容詞の「良い」が思い浮かぶかもしれませんが、名詞の「善」「利益」「商品」としても使われることをイメージしておきましょう。
- 「抽象名詞:善」と「具体名詞:商品」の2パターンに分けて覚えると混乱を防げます。
- 「goods」は「商品」の意味で使うことが多いので、ビジネスや経済記事などで頻出です。
- 「善」としての “good” は、哲学的テキストや説教、自己啓発的な文章にもしばしば見られます。
- 「good」の短い母音 /ʊ/ を、口をあまり突き出さずに少しすぼめるイメージで練習すると、発音が定着します。
以上が、名詞としての「good」の詳細な解説です。抽象的な「善」や物理的な「商品」を表すなど、文脈によって意味が変わる単語なので、色々な場面で触れてみてください。
意味のイメージ