元となった辞書の項目
dowry
IPA(発音記号)
解説
名詞 “dowry” の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: dowry
日本語: 持参金、嫁入り道具
「dowry」とは、結婚の際に花嫁側が花婿あるいはその家族に持っていく財産(金銭や物品など)を指す単語です。日本語では「持参金」や「嫁入り道具」と呼ばれ、伝統的には花嫁の家が婚礼に際して提供する財産を意味します。結婚文化や形式によっては、現在では使われる頻度が少なくなっている地域もありますが、世界の一部地域では今なお重要な慣習となっています。
「結婚時に花嫁が花婿に渡す財産」という場面で使われますが、現代の西洋文化などではあまり日常的には使われない語彙です。歴史的・文化的文脈や社会学的な文脈で登場してくることがあります。
- 品詞: 名詞 (countable noun; 可算名詞)
活用形:
- 単数形: dowry
- 複数形: dowries
- 単数形: dowry
他の品詞になった時の例:
- 同じ語幹をもつ形容詞や動詞は一般的ではありませんが、派生語として「dowager(未亡人になって財産を得た女性)」などが存在します(ただし「dowager」は別単語扱いです)。
CEFR レベル(目安): B2(中上級)
- 歴史的・文化的な文脈で学ぶことが多く、日常会話ではあまり出てこない語彙として、中上級あたりに位置すると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “dowr-” (結婚・財産の意味に関連)
- 特に目立った接頭語や接尾語はありませんが、フランス語由来の部分(“dower”)等と関連があります。
関連語(派生語・類縁語など)
- dower: (古)嫁資(花嫁に与えられる財産)という意味をもちますが、現代では古い法的用語や文脈でのみ使われます。
- dowager: 財産をもつ未亡人を指す言葉。王族や貴族の未亡人を表す場合にも使われます(例: “Dowager Queen”)。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- “a generous dowry” — (大きな持参金)
- “to provide a dowry” — (持参金を用意する)
- “to negotiate a dowry” — (持参金について交渉する)
- “the bride’s dowry” — (花嫁の持参金)
- “the family dowry tradition” — (家の持参金の慣習)
- “an extravagant dowry” — (豪華な持参金)
- “land as a dowry” — (持参金としての土地)
- “her dowry included jewelry” — (彼女の持参金には宝飾品が含まれていた)
- “dowry requirement” — (持参金の要件)
- “a symbolic dowry” — (象徴的な持参金)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語「dowarie」から派生し、古フランス語の「dower(持参金)」に由来するとされます。さらにはラテン語の “dotare”(“to endow”〈与える〉の意)にまで遡ることができます。
- 歴史的にはヨーロッパ各地、アジア、アフリカなど、世界中で結婚制度に関わる財産移転の制度として用いられてきました。
- 中英語「dowarie」から派生し、古フランス語の「dower(持参金)」に由来するとされます。さらにはラテン語の “dotare”(“to endow”〈与える〉の意)にまで遡ることができます。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 伝統的・歴史的・文化社会学的な文脈で登場することが多い単語です。現代の西洋社会においては実際の制度としては衰退しているところが多いため、日常会話というよりは歴史物語、小説、ニュースなどで文化的背景を説明するために用いられる傾向があります。
- 感情的な響きとしては、女性の立場や家族間のやり取りを連想させるため、学術的またはややフォーマルな文脈で使われることが多いです。
- 伝統的・歴史的・文化社会学的な文脈で登場することが多い単語です。現代の西洋社会においては実際の制度としては衰退しているところが多いため、日常会話というよりは歴史物語、小説、ニュースなどで文化的背景を説明するために用いられる傾向があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (可算名詞): “dowry” は可算名詞なので、必要に応じて “a dowry” や “two dowries” のように冠詞や複数形を使います。
- 一般的な構文例:
- S + V + O (talk about …) + dowry
例: “They talked about the dowry at length.” - 受動態で使われる場合もあるが、あまり頻繁ではありません。
- S + V + O (talk about …) + dowry
- 使用シーン:
- 主にフォーマルまたは歴史・学術関連の文脈。
- 口語よりも文章で使われることが多い。
- 主にフォーマルまたは歴史・学術関連の文脈。
5. 実例と例文
A) 日常会話での例文 (やや文化的背景が必要な会話)
- “My grandmother told me stories about how her dowry was arranged when she got married.”
(祖母が結婚したときに、どのように持参金が用意されたかという話を聞かせてくれました。) - “In some cultures, the dowry can include land or valuable heirlooms.”
(ある文化では、持参金に土地や貴重な家宝が含まれることがあります。) - “I’ve never had to think about dowries in my own culture.”
(私の文化では、持参金について考えたことがありません。)
B) ビジネスシーンでの例文 (社会学・文化ビジネス関連など)
- “Our consulting firm researches traditional wedding customs, including the dowry system.”
(私たちのコンサルティング会社は、持参金の制度も含めて伝統的な婚礼慣習を調査しています。) - “The dowry practice can significantly impact a family’s financial planning.”
(持参金の慣習は家族の財務計画に大きな影響を与える可能性があります。) - “We must consider local laws regarding dowries before finalizing the wedding contract.”
(結婚契約を最終的に締結する前に、持参金に関する現地の法律を考慮しなければなりません。)
C) 学術的・歴史的文脈での例文
- “Historians debate the social implications of the dowry system in medieval Europe.”
(歴史学者たちは、中世ヨーロッパにおける持参金制度の社会的影響について議論しています。) - “This study examines how dowries affected the distribution of wealth in rural communities.”
(本研究は、農村地域において持参金が富の分配にどのような影響を与えたかを検証しています。) - “Dowry-related customs can shed light on gender roles throughout history.”
(持参金にまつわる慣習から、歴史を通したジェンダーの役割についての手がかりを得ることができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “bridal gift” (花嫁の贈り物)
- 「dowry」よりも広い意味で、花嫁が結婚の際に持っていく品物や財産を指す表現です。
- 「dowry」よりも広い意味で、花嫁が結婚の際に持っていく品物や財産を指す表現です。
- “marriage portion” (結婚の際の取り分)
- 古い表現で、ほぼ「dowry」と同義ですが、文語的・歴史的な響きが強いです。
- 古い表現で、ほぼ「dowry」と同義ですが、文語的・歴史的な響きが強いです。
- “trousseau” (花嫁道具)
- 花嫁の衣装や持ち物を中心に指すことが多く、特に衣類やリネンなどについてよく使われます。
- 花嫁の衣装や持ち物を中心に指すことが多く、特に衣類やリネンなどについてよく使われます。
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、結婚後・死後に受け継ぐ “inheritance(相続財産)” とは対照的な概念として挙げられることがあります。
- “inheritance” は主に親や親族が亡くなるときに子孫が相続する財産を指します。 “dowry” は生前に行われる財産移転という違いがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記: /ˈdaʊ.ri/
- アメリカ英語: [ダウリ] に近い発音
- イギリス英語: [ダウリ] に近く、ほぼ同じですがアクセントや音の響きがやや異なることがあります。
- アメリカ英語: [ダウリ] に近い発音
- 強勢: 第一音節 “dow” にアクセントがあります。
- よくある発音の間違い: 母音部分を曖昧にして「ドゥーリ」「ドーリ」のようにしてしまう場合がありますが、正しくは “daʊ” (「ダウ」)の音をはっきりさせます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
- “dowery” や “dawry” などと綴ってしまいがちですが、正しくは “dowry” です。
- “dowery” や “dawry” などと綴ってしまいがちですが、正しくは “dowry” です。
- 使用文脈の誤り:
- 現代の一般的な西洋社会では機能していない場面が多く、あまり日常会話には登場しません。歴史的・文化的トピックで使われることが多いという点に注意が必要です。
- 現代の一般的な西洋社会では機能していない場面が多く、あまり日常会話には登場しません。歴史的・文化的トピックで使われることが多いという点に注意が必要です。
- 資格試験等での出題傾向:
- TOEICなどのビジネス寄りのテストでは頻出頻度は低めですが、英検やIELTSなどのリーディング問題、社会学・歴史に関する文章では見かける可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “dowry” は “dower(=与える)” から来ている と覚えると、「花嫁の家族が花婿に財産を与える」イメージが結びつきやすいです。
- “わたすもの(渡り物)” として覚えるとイメージしやすいかもしれません。
- スペリングは “dow + ry” と2つに分割すると覚えやすいでしょう。
- 歴史や文化の話題が好きな方は、中世ヨーロッパの小説や映画に出てくる持参金のシーンを思い浮かべて覚えると定着しやすいです。
以上が、名詞 “dowry” の詳細解説です。結婚文化や歴史・社会学の文脈でよく登場する単語ですので、理解を深めたい方は関連する読み物(歴史書、文化人類学の文献など)に触れるといいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
(花嫁の)持参金