元となった辞書の項目
disregard
IPA(発音記号)
解説
以下では、名詞 “disregard” を中心に、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
単語: disregard
品詞: 名詞(動詞としても使用可能)
CEFR レベルの目安: B2(中上級者向け)
意味(英語)
• (n.) Lack of attention or concern for something; the act of ignoring or paying no heed.
意味(日本語)
• (名詞) 「無視」「軽視」「顧みないこと」という意味です。相手や物事を気にかけず、意図的もしくは無意識に注意を払わないことを表します。
「誰かの意見を尊重せず、あえて無視する」というように、相手や状況を軽んじたニュアンスがあります。ニュース記事や論文だけでなく、日常でもかしこまった場面でよく使われます。
活用形と他の品詞
- 名詞形
- disregard (例: He showed complete disregard for the rules.)
- 動詞形
- disregard (例: Please disregard my previous email.)
どちらも同じスペルですが、品詞の使い分けに注意が必要です。動詞の場合は「~を無視する・軽視する」という意味になります。
2. 語構成と詳細な意味
- “disregard” は “dis-” (否定・逆の意味を示す接頭辞) + “regard” (注意を向ける、関心を持つ) に由来します。
- dis- : 否定・逆などの意味を持つ接頭語
- regard : 「注視する」「尊重する」などの意味を持つ語
- dis- : 否定・逆などの意味を持つ接頭語
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- complete disregard for …
(…に対する完全な無視・軽視) - blatant disregard for …
(…に対するあからさまな無視) - total disregard of rules
(規則に対するまったくの無視) - show disregard for someone’s feelings
(誰かの感情を軽んじる/無視する) - disregard for safety regulations
(安全規則の無視) - disregard of instructions
(指示を無視すること) - demonstrate disregard for …
(…を無視する態度を示す) - have disregard for …
(…を気にかけない/…を軽んじている) - utter disregard for the consequences
(結果をまったく顧みないこと) - in disregard of the law
(法律を無視して)
3. 語源とニュアンス
- 語源的には、上述の通り “dis-” (反対・否定) + “regard” (注視・敬意) が組み合わさり、「注意を払わない」「敬意を示さない」という概念を表すようになりました。
- 歴史的には、16世紀から「尊重・注意をしない」という意味で使われてきました。
- 使用上の注意としては、ネガティブや批判的な文脈で用いられることが多い言葉です。話し言葉ではややフォーマルな響きがありますが、論文や記事などの書き言葉でも頻繁に見られます。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての特徴
- “disregard” は不可算名詞として扱われることが多いですが、文脈によっては「a disregard for …」のように使われます。
- 「~に対する無視」という場合は “disregard for …” または “disregard of …” という前置詞が用いられます。
動詞として
- 他動詞であり、「~を無視する・軽視する」という意味です(例: to disregard something)。
- フォーマルな文脈で使いがちですが、ビジネス英語や学術英語でもよく見られます。
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術の3つの場面別に例文を示します。
① 日常会話での例文
- He showed a complete disregard for my advice.
(彼は私のアドバイスを完全に無視したよ。) - I can’t believe his blatant disregard for safety rules.
(彼が安全規則を露骨に無視するなんて信じられない。) - Her disregard of other people’s feelings often causes arguments.
(彼女は他人の気持ちを顧みないから、しょっちゅう口論になるんだ。)
② ビジネスシーンでの例文
- The company’s disregard for customer feedback led to a drop in sales.
(その会社は顧客の声を軽視した結果、売り上げが落ちた。) - Showing disregard for deadlines can damage your professional reputation.
(締め切りを無視することで、あなたの仕事上の評判が落ちるかもしれません。) - Leadership should not imply a disregard for employees’ opinions.
(リーダーシップを発揮することは、従業員の意見を無視することではありません。)
③ 学術的/フォーマルな文脈での例文
- The study highlights a growing disregard for environmental regulations.
(その研究は、環境規制を軽視する傾向が高まっていると強調している。) - There is a notable disregard of ethical considerations in this policy.
(この方針には、倫理的配慮の顕著な軽視が見られる。) - In legal contexts, disregard for court orders can result in severe penalties.
(法的文脈においては、裁判所の命令を軽視すると厳しい処罰を受ける可能性がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- neglect (怠る、無視する)
- 「やるべきことを怠る」というニュアンスが強い。
- 「やるべきことを怠る」というニュアンスが強い。
- ignore (無視する)
- “disregard” より少しカジュアルで日常的。
- “disregard” より少しカジュアルで日常的。
- dismiss (退ける、却下する)
- 相手の意見やアイデアを重要ではないとして扱わないニュアンス。
- 相手の意見やアイデアを重要ではないとして扱わないニュアンス。
- pay no heed (注意を払わない)
- やや堅い表現だが、“disregard” と非常に近い。
反意語(Antonyms)
- regard (尊重、注目)
- respect (尊敬する、配慮する)
- heed (注意を払う)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˌdɪsrɪˈɡɑːrd/ (米国発音) /ˌdɪsrɪˈɡɑːd/ (英国発音)
- 米音・英音ともに “dis” 部分が弱まり、“re-GARD” の部分に強勢がきます。
- 米音・英音ともに “dis” 部分が弱まり、“re-GARD” の部分に強勢がきます。
- アクセントは “-gard” の部分にあります。
- よくある間違いとして、dis- の後を強く読みすぎたり、-gard を /gəʳd/ のように曖昧に発音すると通じにくいことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “disrespect” と混同しやすい
- disregard = 無視・軽視
- disrespect = 失礼・不敬
- disregard = 無視・軽視
- スペルミス
- “disreguard” と書かないように注意(正しくは “disregard”)。
- “disreguard” と書かないように注意(正しくは “disregard”)。
- 試験での出題傾向
- TOEIC や英検等では、「~を無視する(軽視する)」という動詞の使い方や名詞としての使い方の両方が出題されることがあります。前後の文脈で名詞か動詞かを判断する練習をするとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- dis + regard = “regard(尊重する、注意を払う)” が “dis(否定)” されている ⇒ 「注意や尊重を払わない」という連想を持つと覚えやすいです。
- 見た目が似ている“disrespect”とセットで覚えると、両者の違いがクリアになります。
- 「ガード (guard) を解く (dis) → 気にかけない」とイメージすると発音・綴りを覚えやすいかもしれません。
以上が、名詞 “disregard” の詳細な解説です。自分の意見や他人の意見を語る際に、相手の反応を「無視している」「軽視している」という文脈でよく用いられる語です。正しい使い方とニュアンスをしっかり理解して、文章や会話に活かしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…に対する)無関心,無視《+of(for)+名》